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小・中学校の連携を図る特別支援教育の充実に向けて

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○ 発達障害について
発達障害とは
 

 発達障害者支援法には、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものと定義されています。

自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害について

(1)

自閉症の中には、知的な遅れを併せ有する場合と知的な遅れのない場合がありますが、どちらにも共通していることとしては、以下3点があります。

@

他人との社会的関係の形成の困難さ

   同年齢の仲間関係をつくったり、気持ちを共感し合うことが困難です。また、人と目を合わせようとしなかったり、身振りや手振りで意思を伝えることが難しかったりすることが見られます。他人の気持ちを理解することが難しく、気を配らなかったり、人が困るようなことを配慮しないで言ってしまったりすることもあります。人の中では「浮いてしまう」ことがよくあります。
A

言葉の発達の遅れ

 

話し言葉の遅れがあり、他人との会話を続けることが困難です。テレビのコマーシャル等、同じような言葉や文節を何度も繰り返して言うこともあります。会話の仕方が形式的で、抑揚なく話したり、間合いが取れなかったりします。また、冗談や皮肉といったことばの裏の意味が分からず、言葉通りに受け止めてしまうことがあります。

B

興味や関心が狭く、特定のものにこだわること

 

強いこだわりがあり、限られた興味だけに熱中します。手順や状況(物の並べ方、道順等)、日課等にこだわり、急な変更にとても戸惑ったり、嫌がったりします。また、独特な得意分野や興味のあることがある一方で、極端に不得手なものもあります。

(2)
 自閉症の中で知的な遅れがない場合には「高機能自閉症」といわれることがあります。また、知的な遅れのない自閉症において、言葉の発達の遅れを伴わない際には「アスペルガー症候群」といわれることがあります。ただ、知的な遅れを伴わないということで高機能自閉症やアスペルガー症候群を「広汎性発達障害」とまとめられることもあります。
学習障害(LD)について

(1)

 

学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはなく、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものです。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されますが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではないとされています。

具体的には、以下のような特徴が見られます。

@
 話すことの難しさ
 

話を聞いて理解することが苦手です。「いつ・だれが・どこで・なにを・どうした」などの文を構成する基本的な要素が抜け落ちてしまい、相手が聞いて分かりやすいような話をすることがうまくできないことがあります。そのため、話の内容を事柄や順序を整理していなかったり、話をしても一方的な話となったりすることがあります。

A
 読むことの難しさ
 

文字や文章を正確に、意味を理解しながら読むことが苦手です。本を読んでいるときに、どこを読んでいるのか分からなくなることもあります。普段は 問題なく話せるのに、書いてある文章を読む際に、似た文字の識別に戸惑ったり、行を飛ばして読んだり同じ行を読んだりします。勝手に語尾を読み替えることもあります。

B
 書くことの難しさ
 

文字を読んで理解はできるのですが、文字や文章を書くことが苦手です。 左右が反転した文字(鏡文字)を書いたり、漢字のへんとつくりが逆になってしまったりすることがあります。漢字に誤字が多いことがあり、形が整わないこともあります。作文や日記など、考えて書く際にも苦労していると思われます。 学校での学習では、板書を写すことが苦手で、時間を掛けて書いた内容でもその内容がうまく理解できずにいることが考えられます。

C
 聞くことの難しさ
 

集団の中での指示が理解しづらいことがあります。ついさっき指示された内容でも忘れてしまい何度も聞き返すこともあります。また、 2つ以上の指示については、片方だけしか覚えられなかったり、それぞれの内容が入り交じって理解したりすることもあります。 話を聞く時の「注意の集中」が持続しないことがあるので、話し言葉が中心の一斉授業の中では、内容が十分に聞き取れずに困っていると思われます。友達との会話では、因果関係などを把握できずに、突拍子もない内容で受け答えをすることもあるようです。

D
 計算や推論することの難しさ
 

数の概念が身に付かず、数の順序性や大小関係を理解することが苦手です。学校での学習では、たし算やひき算、くり上がりの計算などでつまずいていることが多くあります。物の形状や距離感、位置関係の概念がうまくつかめないため、図形の学習や地図の学習で苦労することがあります。

E
 運動動作の難しさ
 

手先が不器用なため、はさみの使用やボタン、ひも結びなど、細かい作業が苦手です。 手足の動きが不自然なため、バランスが悪く、転びやすいこともあります。 なわとびのような手、足など体の全体を使う協応動作がうまくできずにいることがあります。また、リズム感が悪く、 音楽の拍子を取るのが苦手なこともあります。

注意欠陥多動性障害(ADHD)について

(1)

 

ADHDとは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないのですが、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、衝動性、多動性が顕著に現れます。そのため、日常的な活動や学校での学習において苦労することが多く見られます。また、このような傾向は、7歳以前に表れ、その状態が場面を変えても継続しています。これは、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があるといわれています。

具体的には、以下のような特徴が見られます。

@
 不注意のあるタイプ
 

学業などにおいて、綿密に注意することができない。不注意な過ちを犯す。

課題や遊びで注意を持続することが困難である。

直接話し掛けたときに、聞いていないように見える。

学業や宿題を避けたり、嫌がったりする。

宿題を忘れたり、鉛筆や本などの学習用具をなくしたりする。

外からの刺激によって、容易に注意をそらされる。

A
 多動性のあるタイプ
 

手足をそわそわ動かしたり、イスの上でもじもじする。

教室などで席を離れる。

不適切な状況で走り回ったり、高い所へ上がったりする。

しゃべりすぎる。

  じっとしていない。
B
 衝動性のあるタイプ
 

質問が終わる前に、出し抜けに答えてしまう。

順番を待つことが難しい。

会話やゲームへの干渉など他人を妨害し、邪魔をする。


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最終更新日: 2010-03-23