小・中学校の連携を図る特別支援教育の充実に向けて

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○ 学習全般と対人関係が困難な生徒


生活満足度
学習での苦手なこと

生活満足度から考えられること

(グラフと項目別の回答結果をもとにまとめる)

学習の苦手なことから考えられること

(グラフと項目別の回答結果をもとにまとめる)

中学校のきまりに関することについては、どちらかと言えば満足しているが、その他の項目ではあまり満足していないと思われる。項目別の回答結果から、学習の進度が速くてついていけない、テストが大変である、高校受験や受験勉強が心配であると感じていることが分かる。また、部活動を勉強に対する負担になると回答している。

学校へ行きたくないと感じたり、頭痛や腹痛を訴えたりしているが、「友達を増やしたい。」 「自分のよいところを認めてもらいたい。」という気持ちをもっている。

項目別の回答結果を見ると、黒板の字をノートに書いたり、授業中席に座っていることは、おおむね得意である。一方、いやなときにあばれたり大声を出したりせずに自分の気持ちを伝えたり、自分の言いたいことを相手に分かるように伝えることは苦手であると感じている。また、みんなと一緒に遊ぶことも苦手であるようだ。数の計算や、図形の勉強は、とても苦手に感じている。また、文章を読むことや、人から聞いた説明や頼まれたことをしっかり覚えておくことも苦手であるようだ。

中1生活・学習アンケート結果及び日ごろの行動観察から考えられる生徒像

「自分のよさを認めてほしい。」「新しい友達をつくりたい。」という思いをもっているが、みんなと一緒に遊ぶことを苦手であると感じている。また、自分の思いを言葉にして伝えることも苦手であると感じている。そのため、新しい環境で、新しい人間関係をつくることを苦手としているようである。

すべての学習に関係している、聞くこと、読むこと、話すことを苦手であると感じている。そのため、授業についていくことができず、学習場面で日常的に困っていることが考えられる。また、その状況は、中学校でのテストを負担に感じたり、高校受験や受験勉強に対しての大きな不安要因になったりしているとも考えられる。

これらのことから、学校が楽しいと感じられず、学校に行きたくないと思ったり、頭痛や腹痛を訴えたりしていると考えられる。

考えられる支援

学級の中で集団活動の場面を設定し、本人にとって無理のない範囲で活動を促せば、人間関係を広げていくことができるのではないかと考える。本人にとって無理のないことであれば、失敗を避けることができ、人とのかかわりの中でも自信をつけることができると考える。自分の思いを伝えることを苦手に感じているので、選択肢を準備して気持ちを表現できるようにしたり、小集団の中から考えを話す場面をつくったりして、気持ちを表現することに慣れることも有効であると考える。

学習に関しては、苦手意識が強いことから、本人の得意なところを伸ばし自信をつけることから始めたい。また、学び合いの時間を取り入れ、小集団で学習を進めることは、友達の学び方を知ったり、友達に教えてもらったりして解決する過程を経験することになり、学習内容の習得と人間関係の形成の両面で有効であると考える。

個人別回答の様子



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最終更新日: 2010-03-23