生きて働く言語能力を育てる「国語科学習指導の具体策」を提案します!

 授業展開案  〜授業づくりの基本構想に基づく実践の提案〜  (「読むこと」の指導)
単元名 
文章の構成や論理の展開をとらえよう
教材名(出典)
「未来をひらく微生物」(光村図書「国語1」)
生徒の実態と指導のねらい
佐賀県の中学1年生の実態として、平成21年度佐賀県小・中学校学習状況調査の結果から、「読むこと」、「書くこと」、「言語事項」の2領域1事項に課題が見られました。特に「読むこと」では、「筆者の表現の工夫や考えをとらえること」「段落の内容を的確にとらえること」「表現の特徴や工夫についてや作品の内容について、自分の考えをもつこと」に課題があります。つまり、目的や意図に応じて、表現の仕方に注意しながら文章の内容を的確に押さえて読んだり、自分の考えを明確にして読んだりすることに課題があるといえます。
そこで、本単元では「文章と図表などとの関連を考えながら、説明や記録の文章を読むこと」という言語活動を通して課題の解決を目指します。その際、読みを深めるために文章を要約したり図式化したりする活動、自分の考えをもたせるために文章の内容、構成や展開、表現の特徴について考える活動を行います。また、「アンケート」や「学習計画・自己評価表」を活用させることによって、主体的な学習態度の育成を図ります。
学習内容の系統性
言語活動について
本単元では、「読むこと」の力を身に付けさせるために、新学習指導要領「C読むこと」の(2)に位置付けられている言語活動例の「イ 文章と図表などとの関連を考えながら、説明や記録の文章を読むこと」という言語活動を単元に位置付けます。文章を図表化したり図表を文章化したりさせることで文章の内容や表現の特徴の読み取りの確認を行います。
単元の指導目標
(1)
微生物と環境に関する筆者の見方や考え方を理解することができるようにする。
(2)
文章の構成や、文章と図表との関連などを考え、それらの効果について自分の考えをもつことができるようにする。
(3)
目的に応じて必要な情報を読み取ることができるようにする。
単元の評価規準
ア 国語への関心・意欲・態度
イ 読む能力
ウ 言語についての知識・理解・技能
 文章と図表などとの関連を考えながら、説明や記録の文章を読む言語活動を通した指導 〔C読むこと(2)イ〕
文章に表れているものの見方や考え方をとらえ、自分とのかかわりを考えながら文章を読もうとしている。 
文章の中心的な部分と付加的な部分、意見と事実などを読み分けている。〔C読むこと(1)イ〕
目的や必要に応じて要約したり要旨をとらえたりすることができている。〔C読むこと(1)イ〕
段落の役割に着目し、図、例示、説明などの働きについて読み分けて、文章の構成や展開をとらえている。〔C読むこと(1)イ〕
文章の構成や展開、表現の特徴について自分の考えを持っている。 〔C読むこと(1)エ〕
指示語や接続語及びこれらと同じような働きをもつ語句に注意して読んでいる。
〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ(エ)〕
単元の計画(全6時間)
主な学習活動
指導上の留意点
指導計画
ワークシート
単元の学習目標を知り、この後の学習の見通しをもつ。
「未来をひらく微生物」を読む。
文章の構成と論理の展開をとらえる。
学習の流れを示した学習計画 ・自己評価表を用いて、単元の学習目標を確認し、単元の学習の見通しをもたせる。
事前に取った「読む力」に関するアンケート結果を使って、身に付けたい力について考えさせる。
「未来をひらく微生物」という題名に着目させ、その意味を推測させることで、読む意欲をもたせるようにする。
微生物というキーワードと接続詞、微生物の例が述べられているところに線を引きながら読むよう指示する。
説明的な文章の既習の知識を想起させ、序論・本論・結論に分けるように指示する。
指導計画1/6
事前アンケート
学習計画・自己評価表
全文ワークシート見本
一太郎版 ★使い方

 
本文の内容をおおまかにとらえる。
序論を読み取る。
結論を読み取る。
筆者の意見を要約し、それに対する自分の考えをまとめる。
 
キーワードに着目して、書かれている事実を整理させる。
形式段落の中から筆者の意見が書かれている大切な一文に線を引くよう指示する。それらをつなげることで、筆者の意見を要約させる。
微生物の働きについての筆者の考えに対して、どう思うのかを書かせる。
指導計画2/6
学習計画・自己評価表
読解ワークシート
読解ワークシート(記入例)
学習の手引き(構成)
学習の手引き(要約)

本論を読み取る。
筆者の文章の構成や展開、表現の工夫から、筆者の伝えたかったことを考える。
形式段落のHIを読み取り、文章を図にまとめるよう指示する。
形式段落L〜Oを読み取り、表にまとめるよう指示する。
全文ワークシートを使って筆者の表現の工夫について確認させ、自分の考えをもたせる。
指導計画3/6
学習計画・自己評価表
全文ワークシート見本
読解ワークシート
10 「未来をひらく微生物」について、説明する図や文章をかく。(下書き) 
11 微生物や微生物の働きについての自分の考えを書く。
題材と表現方法について選択させる。
(みその作り方・しょうゆの作り方)
(図を文章にする・文章を図にする)
下書きをさせる。
指導計画4/6
学習計画・自己評価表
ワークシート@ABC
教師用手引き@
(みそ表記例)
教師用手引きA
(しょうゆ表記例)
12 「未来をひらく微生物」について、説明する図や文章を書く。(清書)
13 学習に関する自己評価をする。
文章を図にすることで分かること、図を文章にすることで分かることを確認させる。
指導計画5/6
学習計画・自己評価表
ワークシート@ABC
14 相互評価をする。
15 交流で出た意見を参考にし、環境問題の解決策について自分なりの考えをまとめる。
16 学習全体を振り返る。
友達の書いた図表や文章を読んで、よかったところやアドバイスを出しやすい雰囲気をつくるように配慮する。
交流を通して、他者との相違点に気付かせ、自分の考えを深める参考にするよう促す。
学習計画・自己評価表などを基に単元の学習を振り返らせて、身に付いた力や気付きなどを学習計画表や事後のアンケートに記入させる。
指導計画6/6
学習計画・自己評価表
ワークシート@ABC
意見交流シート
事後アンケート
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授業の実際
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※学習計画表は、単元を通して同じものを使用しています。また、同一番号のワークシートはすべて同じ内容です。