ADHDについて

●不注意優勢タイプと多動・衝動性優勢タイプの2種類があります
  不注意優勢タイプとは、動き回ることはないけれども、人の話を聞いておらずにボーっとしている、持ち物をよく忘れたりなくしたりする、ちょっとした刺激にも気が散ってしまう、うっかりしたミスが多い、段取りよく課題を進めることが難しい、日課に沿った生活が難しいといった特徴のあるADHDです。

多動性・衝動性優勢タイプとは、席にじっと座っていることが難しい、急に走り出したり人の話が終わらないのに答え始めたりする、じっとしているのが苦手でいつも体のどこかを動かしている、順番を待てない、遊びのルールが守れず友達との遊びが長く続かない、といった特徴のあるADHDです。

これらのタイプは、単独で見られることもありますが、2つの特徴が同時に見られる混合タイプを示す子もいます。
 
●原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されています
  ADHDは脳の神経生理学的な状態によって起こる(情報を伝える際に必要な、神経伝達物質の分泌に問題がある)といわれています。最近の研究では、脳の前頭葉(自分の行動を抑制するといわれる)という部分の機能が低下しているという報告があります。  
●集団場面で特に困難なことが多くなります
  1対1で対応している場面では、課題にうまくのれることがありますが、集団の場面になると様々な問題が見えてくることが多いものです。言動が衝動的なことから対人関係のトラブルが起こったり、学級全体に向けた指示が理解できないことから、集団での活動に遅れてしまったりします。集団から飛び出してしまうケース等では、周囲の子どものその子に対する評価が悪いものになってしまうこともあるようです。

子どもたちへの支援

工夫の視点 工夫の方法
めあてや活動内容の提示の仕方の工夫 ○個別に伝える
○分かりやすくメモに書く
その授業にうまく取り組めたときや、先生と約束しためあてが達成できたときにはシールやスタンプがもらえるようなカードを用意して、うまくできた達成感をもてるようにしましょう。
注意を向けやすく
するための工夫
○話の始まりを伝える
○いくつのことを話すか伝える
一度にたくさんの指示をすると、聞きもらしがあるかもしれないことに配慮することが必要です。言葉だけの指示ではなく、具体物を見せながら話をすることも有効です。きちんと注意が向いたことを確認しながら指示をするようにしましょう。
注意を持続させる
ための工夫
○課題を少しずつ分ける
○課題の量を調節する
課題を区切って出すようにすると、どこまでがんばればよいかがわかりやすくなります。できたらほめて、一息ついたら次の課題にうつるように、また、できた課題に印をつけて自分ががんばったところが見えやすくするなどの工夫をしましょう。
自分をコントロールするための工夫 ○目につくところにめあてをはる
○成果を分かりやすくする
「授業中、○分間は席に着いておく」、「掃除が終わったら、まっすぐ教室に帰る」などのめあてを立て、シールが貯まったらごほうびを用意してみましょう。
ほめ方・叱り方の工夫 ○ほめ方や注意の仕方を工夫する 望ましい行動を認めることが、本人の見通しや自信につながります。子どもが達成可能な目標やめあてを設定し、そのことができたらきちんとほめてあげましょう。
座席の位置の工夫と環境の調整 ○教師の近くにする
○シンプルな掲示物にする
○無駄な刺激を減らす
聞くことが難しい子には窓の外の音が邪魔になることがあるので、窓から離れて、またモデルとなる子がいたほうがいい場合は、最前列よりも、前から2~3列目にしてみましょう。
指導形態の工夫 ○TTを効果的に活用する
○個別学習の時間を設ける
担任だけが指導に当たるのではなく、チームを組んで支援にあたるなど、学校全体でこのような子どもたちにかかわる体制作りをするようにしましょう
医療機関との連携 ○定期的に話し合いの場をもつ 保護者の承諾のもと、関係機関と子どもの特性や支援の方向性についての共通理解を図り、一貫した指導を行うようにしましょう。

ADHDの子どもたち

子どもたちの様子 対応のヒント
不注意なミスを繰り返す
ケアレスミスが多い
・課題を細かく分ける
・することを前もって予告し、できたことを確認する表などを用意する
とりかかりが遅くいつまでもぐずぐずして終わらない ・することを前もって予告する
・タイミングよく声をかける
・できたら十分にほめる
ボーっとして話を聞いていない ・全体で話をするときは、何をいくつ話すのかを伝えてから話す
・大事なことは1対1で伝える
落ち着きがなくウロウロしたり、いつも手足を動かしたりする ・がんばり表などで、「最後まで静かにする」など、めあてをはっきりさせる
・学習等の時間を細かく分け、いつまでがんばればよいかを分かりやすくする
ちょっとした物音にもすぐに気が散って集中できない ・窓際の席は避ける
・前から2番目あたりの席にする
・大事な活動は静かな環境でさせるようにする
突然席を立ったり自分の言いたいことをしゃべり始めたりする ・「今は○○をするときだから、あとで話は聞くよ」などと伝える
・課題を細かく分け、いつまでがんばるのかを分かりやすく伝える
指示された課題に最後まで集中し続けることが難しい ・課題を細かく分け、いつまでがんばるのかを分かりやすく伝える
・本人の集中できる時間に応じて課題の量を調節する
おしゃべりが多く注意してもやめようとしない ・「今は○○するときだから、あとで話は聞くよ」などと伝える
・無理に話をやめさせようとすると、かえって話が続くことがあるので意図的に話に応じないようにしてみる

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