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小学校6年生 「時間をみて、お風呂のお湯を止めよう」

1 ねらい

(1)
複合図形(L字型)の体積を求めることができる。
(2)
1分間当たりに入るお湯の量を求めることができる。
(3)
時間とお湯の量の関係から、効率のよい考え方、計算方法を考えることができる。

2 算数・数学の活用について

(1)
活用する主な既習事項
○単位量あたりの大きさ(6年)
○比例(6年)
○体積(6年)
○比とその利用(6年)
(2)
活用する力をはぐくむ授業の視点
ア  問題を「何分たったときに、お湯を止めに行けばいいかな」とし、日常に起こり得るものを設定
  した。問題を与えるときは文章だけでなく、図を示すことで、お湯の量の変化していく様子がイメ
  ージしやすいようにする。また、浴槽を直方体ではなく、腰掛けのある複合図形とすることで、複
  合図形の体積の求め方の振り返りにつながると考える。
イ  複合図形のため、深さが一定の割合で増えていかないことを押さえることで、時間と深さの関
  係ではなく、時間とお湯の量との関係に目をつければよいことに気付くと考える。また、課題解決
  をする場では、「減らす分のお湯の量を考える」「入れる分のお湯の量を考える」「比例の関係よ
  り、表、式、グラフを用いて考える」など、いろいろな考え方ができ、複数の単元で学習した内容
  を使って問題を解決することができることに気付かせる。
ウ  学習した考えを使って、実際に自分の家の浴槽の容積を求めさせたり、時間とお湯の量の関
  係を調べさせたりすることで生活の場面で活用できること実感させる。

3 本時の展開

をクリックすると写真や動画を見ることができます
児童の学習活動
教師の指導・支援
1 本時の問題を知る。

 
 右のような形のお風呂にお湯をためました。お湯を出し始めてから12分後に見に行くとぎりぎりいっぱいでした。
 次の日、ぎりぎりいっぱいにならないように、上から10cm下のところでお湯を止めたいと思います。
 お湯を出し始めてから、何分後に止めに行けばいいでしょう。
見通しをもつ。
<予想される児童の反応>
・12分よりも短くなる。
・体積を求めたらいい。
・満杯の時の体積と上から10cm下までの体積は違う。
・12分で満杯になったから、1分間に入る水の量が分かる。
・変わり方を表やグラフに表すことができる。
課題を把握しやすいように図を示す。
課題把握が難しい児童には、模型を使って説明する。
児童自身が見通しをもつ時間をしっかりとらせる。
「体積」「単位量あたりの大きさ」「比例」の考えが使えることに気付かせたい。
問題を把握し、今日の課題を知る。
 

お湯をためる時間を、工夫して求めよう。
課題を解決する。
・見通しを参考に、既習の学習内容を使って自力解決を行う。
見通しを参考に、どんな方法で時間を求めるか考えさせる。
体積を求めることが難しい児童にはヒントカードを利用させる。
早く解決した児童には、他の考え方がないか考えさせる。
よりを使う方が、数が簡単になることに気付かせたい。

・友だち同士で自分の考えを紹介しあう。 考えの途中まででもいいので、自分の考えを伝えることと、友だちの考えが自分の考えと比べてどうだったのかを考えさせる。

・全体で錬り合う。 いろいろな考え方を出すことで、やり方は一つではないことを確認する。
本時の学習をまとめる。  

複合図形の体積と1分間あたりのお湯の量が分かれば、時間を求めることができる。
本時の学習について振り返る。 振り返りを書かせる。
*指導案はこちらからダウンロードできます。        
*問題文のワークシートはこちらからダウンロードできます。
*プレゼンテーション教材はこちらからダウンロードできます。
*実践事例はこちらからダウンロードできます。

4 授業を終えて

  「体積」の単元で、複合図形の体積を求めるときにいろいろな求め方を児童が考え出し,興味関心をもって取り組むことができた。本時では、体積の数値が大きくなったために、計算間違いをしたりからへの単位換算を間違えたりする児童がいたので、レディネス調整をもっと丁寧に行っておく必要があった。問題を提示するときに、文章だけでなくプレゼンテーション教材を使ったことは問題の内容を視覚的にとらえさせることに効果的であり、児童の問題に対する関心・意欲を高めることができた。問題設定も日常に起こり得る事象を取り上げたので児童が取り組みやすい内容であったと考える。また、本時はぎりぎりいっぱいになったときの時間を条件として与えたが、教師の工夫により同じ複合図形でも様々な問題場面を設定することができる。
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