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小学校5年生 「同じ面積に分けよう」

1 ねらい

(1)
長方形を作るように引いた直線を基に、図形の面積を2等分する直線を見付けることができる。
(2)
長方形の面積を基に、台形、直角三角形の面積との関係を考えることができる。

2 算数・数学の活用について

(1)
活用する主な既習事項
○三角形、面積(4年)
○四角形、平行四辺形と三角形の面積(5年)
(2)
活用する力をはぐくむ授業の視点
ア  児童の意欲付けのために、「お菓子を直線ですばやく半分に分けよう」という日常生活に近
  い場面を設定した。
   2等分線を見付けるために、L字型の面積の半分の面積の図形を作らなくてはいけないという
  設定をすることにより、長方形、台形、三角形など様々な図形の求積をすることができる。また、
  答えが複数になるので、多様な考えが出しやすくなると考える。
イ  長さの条件を与えず、図だけ掲示し、実際に測らせるようにする。図形を回転したり切って移動
  させたりして考えやすいようにL字型の図形は数枚持たせるようにする。
   また、2つに分ける長方形を見付けた後、高さが等しいままで長方形、台形、三角形と変化して
  いく様子を透明のシートに写して重ねて見せたり、プレゼンテーションソフト等で提示したりする
  と、三角形や台形の求積公式を結び付けて考えることができるようになるであろう。
ウ  学習し考えを使って、「変わった形の花壇を分ける」「いろいろな形をしたものを分ける」こと
  ができることを伝えることで、生活の場面での活用の広がりを期待したい。
   また、「同じような問題を作ってみよう」とオープンエンドの形で終わることで、自主的な活動を
  期待したい。

3 本時の展開

をクリックすると写真や動画を見ることができます
児童の学習活動
教師の指導・支援
1 本時の問題を知る。


左図のような形をしたクッキーがあります。
兄弟二人で等しく分けようと思います。
直線で切って分けます。

クッキーをすばやく2等分する直線を見つけましょう。
予想を立てる。
・どんな分け方がありそうか予想を立てる。
予想される児童の反応

・長方形(たて線)に分ける。
・長方形(横線)に分ける。
・三角形に分ける。
・台形に分ける。
まず、全体の面積を求めて、その半分の面積の図形を作ればいいことに気付かせるようにする。

長方形・三角形・台形などの図形を考えることで半分の面積に分けることができることに気付かせる。
問題を把握し、今日の課題を知る。 半分に分ける図形が10cmの辺を生かして考える場合、15cmの辺を生かして考える場合があることを知らせるようにする。

直線で分けたときに片方が60になる形を見つけましょう。
課題解決する。
・見通しを参考に、既習の学習内容を使って自力解決を行う。
予想される児童の考え

・10cmの辺を生かして、10cm×6cmの長方形になる直線を見つける。
・10cmの辺を生かして、底辺が12cm高さが10cmの三角形になる直線を見つける。
・15cmの辺を生かして、4cm×15cmの長方形になる直線を見つける。
・15cmの辺を生かして、底辺が15cm高さが8cmの三角形になる直線を見つける。
見通しを参考に、どんな方法で面積を求めるか考えさせる。

面積の求め方について十分に理解していない子どものために、ヒントカードを与える。

早く解決した児童には、他の考え方がないか考えさせる。

・隣同士で自分の考えを紹介し合う。 いくつかの図形で考えることで、気付いたこと等について意見交換をする。

  友だちの意見を聞いて分かったことや考えたことなどをノートに書き加える。

・何人かの子供の考えを取り上げて全体で話し合いをする。 長方形を作る直線を、その真ん中の点を中心に傾けて、面積を2等分する直線が何本もできることを透明シートなどを使って知らせるようにする。

  三角形の底辺の長さは長方形の横にあたる編の長さの2倍になっていることから、三角形の求積公式について長方形の求積公式と関連付けて考えることができるようにする。

  台形の(上底+下底)の長さは長方形の横にあたる辺の長さの2倍になっていることから、台形の求積公式について長方形の求積公式と関連付けて考えることができるようにする。

  説明の際は、等積変形して移したり、式を基に考えさせたりする。
本時の学習をまとめる。  

これまでに学習した、三角形や平行四辺形、台形の求積公式を使うといろいろな図形の面積を求めることができる。
本時の学習について振り返る。 振り返りカードを書かせる。
*指導案はこちらからダウンロードできます。        
*問題文のワークシートはこちらからダウンロードできます。
*プレゼンテーション教材はこちらからダウンロードできます。
*実践事例はこちらからダウンロードできます。

4 授業を終えて

  これまでに、児童は4年で正方形、長方形の求積、5年で平行四辺形、三角形の求積を学習しているが、それぞれの図形について別々に求めることが多く、面積の値から図形や式を考えるような逆思考の場面は少ないだろうと考えていた。また、面積の値と高さが変わらないという問題を設定することで、底辺や高さの概念への確実な理解にもつなげることができると考えた。
  そこで、本授業では、既習の求積公式を活用することで、2分割すると60になる基本図形をいくつも見付けることができる場面を設定した。児童は、様々な面積の公式を活用しながら、図形を回転させて考えたり、式から図形を見付けたりすることができた。また、事前に軽く触れておいた台形の求積公式についても、三角形の求積公式と結び付けて考えることができると気付くことができた。1つの問題を解くのにいろいろな面積の公式が使えたことやそのことが日常生活の場面でも生かせることに喜びを感じることができた。既習事項を活用して問題解決することへ意欲がもて、算数への興味関心をより高めることができた。
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