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表1 全国学力調査 算数・数学科 学年別 平均正答率
学科 小学校6年 中学3年
佐賀県 全国 佐賀県 全国
算数A
数学A
82.1% 82.1% 71.7% 71.9%
算数B
数学B
62.1% 63.6% 60.6% 60.6%
(平成19年4月24日実施)
 佐賀県でも、基礎的な学力の定着度等を把握するため独自に小・中学校学習状況調査を行っています。平成18年度の結果では、算数・数学科の通過率を全国と比較すると、小学校5・6年及び中学校1・2年のすべての学年で、全国通過率と同程度か、上回っていました。また、教師や児童生徒の意識調査から、算数的・数学的活動を多く取り入れ、児童生徒の自力解決活動、発展的な活動を実践している学校の通過率が高い傾向にあることが分かりました。このことから、児童生徒が主体的に取り組める算数的・数学的活動を取り入れ、既習事項を活用した問題解決的、発展的な学習を行うことが、基礎的な学力の定着にもつながるものと考えられます。しかし、すべての学校でこのような授業が実施されているわけではなく、算数的・数学的活動や既習事項を活用した問題解決的、発展的な学習を取り入れた授業改善が必要です。
 そこで、様々な場面で学んだ知識や技能を活用する場を意図的に授業の中に設定し、自ら学び、主体的に活動させるとともに、児童生徒が、数学的な見方や考え方のよさを味わうことができるような手立てを工夫した授業を考えました。
本研究では、複数の単元で学習した内容を活用する授業や、数学的な思考を生活に生かすという視点をもった授業のモデルを作成し、具体的な授業実践事例、活用力を育てるために使っていただきたいお勧めの教材などを提案しています。
 
 平成19年度4月、文部科学省による、小学校6年生・中学校3年生を対象とした全国学力・学習状況調査が約40年ぶりに実施されました。今回のテストは基礎的な「知識」(A)と応用となる「活用」(B)に分かれており、結果は、上の表1のとおりでした。このうち、算数B・数学Bの問題は、知識・技能等を生活の様々な場面に活用するという視点に立ったもので、情報を整理していく過程や生活経験を数学的に読み解く力が必要とされています。具体的には、言葉や図等を使って説明する問題や複数の条件を組み合わせて判断する問題等、今まで学んだ知識や情報を的確に処理し、活用する力が求められています。
 学習指導要領には、「数理的な処理のよさに気付き、進んで生活に生かそうとする態度を育てる」「数学的な見方や考え方のよさを知り、それらを進んで活用する態度を育てる」とあり、算数・数学を活用することの必要性が述べられています。また、このような傾向の問題が出題された2003年の国際学習到達度調査(PISA)の結果では、身に付けた知識・技能等を生活や学習に活用することが十分にできていませんでした。以上のことから、既習事項を活用しながら、児童生徒が創造的、発展的に学習していくことや、与えられた問題を解くだけでなく、児童・生徒が自発的に数学的表現や処理の仕方を活用したり、数学的な見方・考え方を適用したりする力、すなわち算数・数学を活用する力の育成が必要であると言えます。
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