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中学校2年生 「一次関数と図形の融合問題」

1 ねらい

(1)
2直線の交点の座標を連立方程式を使って求めることができる。
(2)
2直線と軸で囲まれた図形の面積を求めることができる。
(3)
軸を軸とした回転体の体積を求めることができる。

2 算数・数学の活用について

(1)
活用する主な既習事項
○空間図形(1年)
○連立方程式(2年)
○一次関数(2年)
(2)
活用する力をはぐくむ授業の視点
ア  一次関数の発展問題を課題として取り上げ、関数の基礎的・基本的事項の理解及び図形の
  融合問題を解決する能力を養う。1年で学習した空間図形の学習内容を取り入れ、空間図形と
  一次関数という異なる領域の問題が組み合わさった問題に初めて取り組むことになるため、丁
  寧に指導し、今後の問題演習に取り組む意欲につなげる。
イ  初めての複数領域からの発展問題であるので、最初にすべての問題を提示するのでなく、生
  徒の状況に応じて問題を段階的に提示していく。また、分かった事柄を図の中に入れて考えるこ
  とのよさに気付かせる。
ウ  学習した考えを使って、新しい課題に直面したとき、類似の既習事項を思い出せるように支援
  していき、応用問題などの論理的に考える力が必要な問題にも一人で取り組めるようにしてい
  く。

3 本時の展開

をクリックすると写真や動画を見ることができます
生徒の学習活動
教師の指導・支援
本時の問題を知る。  

 
 右の図で、直線は関数のグラフであり、直線は関数のグラフである。直線軸との交点をA、Bとする。また、直線は点C(6、0)を通っている。直線の交点をPとする。
 このとき、次の問題に答えなさい。
問題を読んで分かっていることを図に書き込む。 課題が把握しやすいように図に示す。
問題(1)「点A、点Bの座標を求めなさい」を解く。 例を示すことで、座標は、の値を( )を使い、並べて表記することを確認する。
問題(2)「直線の式の値を求めなさい」を解く。 座標を代入する方法だけでなく、グラフを使って傾きを求める方法も紹介する。
問題(3)「交点Pの座標を求めなさい」を解く。 連立方程式で解けることを確認し、計算で求めさせるようにする。計算した結果を、図に当てはめてみることで、座標の位置を確認させる。
問題(4)「三角形ABPの面積を求めなさい」を解く。 同じ大きさの三角形を用意し、グラフの中から取り出し、ABを底辺にして見せることで、APやBPが高さにはならないことを確認する。また、Pから軸におろした垂線の長さが高さになることに気付かせる。
問題(5)「三角形AOCを軸のまわりに1回転させてできる立体の名前と体積を求めなさい」を解く。 AOCと同じ大きさの三角形を回転させて見せることで、底辺はどんな形になるのか、どんな立体になるのかイメージさせる。その後、見取り図を書かせることで、視覚的に問題をとらえさせる。
本時の学習を振り返る。
 
*指導案はこちらからダウンロードできます。        
*問題文のワークシートはこちらからダウンロードできます。
*実践事例はこちらからダウンロードできます。

4 授業を終えて

  今回の授業は、複数の学習内容を組み合わせたものにした。問題(3)の交点の座標を求める問題までの正答数は予想より多かったが、特に問題(5)の体積の部分になると正答が明らかに減少した。生徒の事後アンケートでは、「いつもより難しい問題で焦った。」「少し難しかったが、最後は解けて嬉しかった。」という感想が多かった。また、授業を進めていく中で、グループによる学び合い学習を取り入れてみた。最終的には一人で問題を解けることが目標であるが、色々な解き方を出し合い、納得し合うことで学習意欲・理解も向上したと思う。今回は、空間図形、連立方程式、一次関数を組み合わせたものであったが、さらに平行線と線分の比を組み合わせた内容にすることもでき、3年での発展問題として位置付けることもできる。
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