技術・家庭科(家庭分野) 〜課題選択学習を取り入れた食生活指導の工夫〜
トップへ 研究の概要 課題選択学習 食生活の調査 指導計画 授業の実践 研究の成果


食生活学習の導入〜栄養に関する学習の指導計画(生徒の課題意識を中心にした授業展開)

指導事項 段階 時間 生徒の課題意識 学習のねらい 教師の主な支援・工夫 教具など
○食事の役割
○健康と食事
  
授業実践
課題の
把握
・人は何のために食べるのだろう。
・これからどんな学習をするのだろう。
・食事の役割を知り,私たちが心身ともに健康であるためには,食生活が大切であることに気付く。
・これからの食生活学習の目的を把握し,見通しをもつ。
・「医食同源」の言葉,食事光景(写真)を用いて食べることの意味を考えさせる。
・アンケート結果や自分の食生活チェックから,食生活の課題に気付かせる。
・文字カード「医食同源」
・食事光景(写真)
○6つの基礎食品群 課題解決の
準備

実行
・自分の食事はどうだろう。
・自分の食べている食べ物について知りたい。
・自分の1日分の食事内容を調べ,6つの食品群に分類できるようになる。
・夕食,朝食の内容を記録させておく。(前時の課題にする)
・昼は給食を取り上げ,給食献立を用いて,6群の分類方法を理解させる。
・食品群のとり方について,自分の問題点を見つけさせる。
学習シート1
○食品の栄養的特質

○栄養素の種類と働き
・それぞれ食品群にはどんな効果があるのだろう。
・栄養素について知りたい。
・自分の健康は大丈夫かな。
・それぞれの食品群に多く含まれる栄養素とその働きを知る。
・自分の食事で不足しやすい栄養素やとり過ぎ傾向の栄養素に気付く。
・6つの食品群と栄養素,働きを関連付けて指導する。
・教科書や資料で調べさせ,一覧表(学習シート)にまとめさせる。
・自分の食品群のとり方(前時)から,不足しやすい栄養素やとり過ぎ傾向にある栄養素を見付けさせ,自分の健康への関心をもたせる。
学習シート2
資料:ビタミン,ミネラルの働き

図解:食物繊維の働き
○中学生の栄養の特徴

○食品群別摂取量の目安
・自分(中学生)は何をどれくらい食べればよいのだろう。 ・中学生の栄養の特徴を知り,食品群別摂取量の目安を知る。
・食品群のうち3群と4群の自分のとり方について振り返ることができる。
・成人の栄養所要量(食事摂取基準)と比較して,中学生の特徴をとらえさせる。
・摂取量については概量として扱い,特に「1群:3,4群」の摂取量が見た目では,「1:2」になることを指導する。
・野菜,果物のとり方について食事調査をもとに振り返らせる。
学習シート3
中学生に不足しやすい栄養素:無機質

(中学生の栄養の特徴,栄養素の働き)
・中学生の時期に栄養のとり方で特に注意することは何だろう。
・自分の栄養のとり方について確かめたい。
・中学生に不足しやすい無機質(カルシウム,鉄)を多く含む食品を知る。
・これまでの学習をもとに,自分の食事内容を検討し,自分の問題点を見付ける。
・不足しやすい栄養素について,カルシウムと鉄を取り上げ,その給源を調べさせる。(資料)
・カルシウム,鉄ともに1食(1回)で食べる分量で比較させる。
・カルシウムの摂取量は,牛乳と比較して把握させる。
・鉄については効果的な給源をグラフにして示す。
学習シート4
資料:カルシウムの給源,鉄の給源
図解:カルシウムの働き
○献立作成
 (1食分)

授業実践
評価と
実践化
・自分の朝ごはんの問題点は何だろう。
・理想の食事(献立)を考えてみたい。
・朝食の問題点に気付き,栄養のバランスの良い献立を作成する。
・献立作成の条件や手順を理解する。

 (課題選択学習)
・朝食調査の結果やこれまでの学習を基に朝食内容についての問題点を把握させる。
・朝食を1食分として取り上げ,オムレツを主菜とすることで,初めての献立作成が容易に進むようにする。
*「朝食の調理」へとつなぐ。
朝食の問題点
糖分のとり過ぎによる弊害


 指導計画作成の際の留意点
@ 日常食べている食品を6つの食品群に分類した後,食品群に関連付けた栄養素とその働き,中学生の栄養の特徴へと展開していく。最後に,これらの学習を生かす場として,献立学習を位置付けた。
A 学習シートの工夫      学習シートbP〜4(PDF) 
・ できるだけ1時間1シートとし,学習シートの頭に「本時のねらい」を明記した。
・ 学習シートの末尾では,「自分の食生活を振り返る場面」を設け,学習内容と自分の生活を関連付け
 るようにした。これにより,学習内容の定着や食生活の問題点の把握を意図した。

                                                              上へもどる
 
  研究の実践(概要)へ戻る