技術・家庭科(家庭分野) 〜課題選択学習を取り入れた食生活指導の工夫〜
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 食生活に関する事前調査の結果     (対象:授業クラス2年生 74名 2005年7月実施)
 〜アンケート結果から授業内容を構成していくために〜

結果1 「家庭で食に関する仕事をどれくらい行っているか」について

  あまり手伝いをしない理由としては,次のものが見られました。
 (時間がない,他のことをする,疲れている,めんどうくさい,他の家族がしている)
 
結果2 献立の作成力と手伝いの実態との関係

 プレテストとして「栄養のバランスの良い弁当献立を図でかく」を実施しました。上記グラフは,その結果を「3つの働きの異なる食品を組み合わせ(小学校での既習事項)」「野菜の量」「いろどり」「能率」の観点から分析し,3点満点で点数化しました。これより,小学校での学習事項「3つの働きの食品の組合わせ」はおおむね定着しているようですが,組み合わせる分量や献立の条件については,未履修でありほとんどできていないと言えます。
 手伝いをする生徒の方が,いろどりよくするという点で若干点数が良くなったものの,他は大差がありませんでした。献立作成の力は,授業を通してそれに関する知識・技能を学ぶことにより身に付くものと考えます。
結果3 朝食の摂食状況
 本校の生徒たちは朝食の摂食状況としては,ほぼ良好ですが,食事内容を見るとほとんど量が不足がちで,栄養バランスも悪いようです。
 また,食べない理由として最も多かったのは,「食欲がない,食べたくない」でした。
 
結果4 夕食をそろって食べる実態とその意識について
 家族そろって夕食がとれない家庭が増えており、週に半分以上そろわない家庭が全体の1/3程度です。
 また,「食事は家族そろって食べたいですか?」の問いに対する回答は,次のような結果でした。
 そろいたい 51%
 分からない 41%
 そろいたくない 8%
 
予想以上に「分からない」が多く見られました。

 上記は夕食を家族全員でそろって食べている日数そろってとりたいかの意識との関係を示しています。そろって食べる日数が多いほど,「そろって食事をとりたい」と思う生徒が増えています。
 ○「家族そろって食事をとりたい」という理由(多かったものから)
   (楽しい,一人だとさびしい,コミュニケーションが取れる,みんなで食べるとおいしい)
 ○「家族でそろってとりたいか,どうかわからない」という理由(多かったものから)
   (分からない,何となく,どうでもいいから,会話がない,時々一人になりたい)
 ○「家族であまりそろいたくない」という理由
   (家族がうるさい,めんどう)
結果5 家族で夕食をとる日数および食事のとり方についての意識と学習意欲(家庭分野)との関連


 学習意欲は,食生活学習の内容(10項目:例中学生の栄養のとり方)について学習への興味を5段階で評価してもらい,10項目の平均点で表しています(全体の平均点は3.42でした)。 夕食をそろってとる日数が多いほど,これから学習する内容に対しての学習意欲が高く,さらに,一緒に食べたいと感じている生徒ほど,学習意欲が高いことが分かりました。また,逆に家族と食べたくないと感じる生徒の学習意欲は,残念なことに低い数値を示しました。このことから,家族での食事のとり方(コミュニケーション)が生徒の学習意欲と深くかかわっているのではないかと考えます。
結果6 調理学習に関する生徒の興味・関心(調理品ごとの関心度)

 上記グラフは,調理品ごとに「授業でぜひ作り方を学び,作れるようになりたいもの(5つ選択)」を3点で,「いつか作れるようになりたい(いくつ選んでもよい)」を1点で集計し,点数化した結果です。
 魚より肉料理に関心が高く,生徒の嗜好がそのまま調理学習の関心となって表れています。魚料理については,魚のよさやおいしさ,伝統的な調理法などに気付かせる必要を感じます。現在卵料理は取り扱っていませんが,「オムレツ」への関心が高い数値を示しました。
結果7 間食の摂食状況について(食事調査より)  調査対象:中学2年生(71名) 調査時期:10月


           

 これは「食生活の授業」の第2時間目に行った食事調査の結果を分析したものです。
 間食のとり方について
個人的に問題のあるとり方も多く,間食の量が多過ぎる,甘いものに偏っているなどが挙げられます。夜食としてとり過ぎている生徒は朝食が入らず,朝食抜きになるケースも見られます。
 間食の内容をみると甘いもの(糖分の多いもの)を大量にとってしまう生徒が多く見られ,空腹時に大量の糖分をとってしまう傾向の生徒が増えていると思われます。
 砂糖のとり過ぎによる弊害について,血糖値上昇と関連付けた指導の必要性を感じます。
糖分のとり過ぎによる弊害(資料:PDF)


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