技術・家庭科(家庭分野) 〜課題選択学習を取り入れた食生活指導の工夫〜
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課題選択学習の授業のポイントと支援・評価について

1 課題選択学習の授業展開のポイントは?
@ この学習に入る前に
・ 生徒の疑問生活の振り返りを大切にした学習を展開し,課題意識を高めさせます
A 課題づくり・課題設定(選択)の段階では
・ 「興味・関心」「技能や理解などの能力」「生活の実態(経験)」の3つの視点から,生徒の違いに着目して課題づくりを行います。
・ 学習内容学習方法の2つの側面を考慮して,教師による課題提案をします。
・ 生徒に課題選択させる段階では,課題選択の理由課題解決による効果について記述させることで,自分と課題とのかかわりを意識させるようにします。
B 授業の展開・終末では
・ 授業の展開部分では,課題ごとに生徒のつまずきを予測して手立てを準備しておき,生徒の学びを支えるようにします。
・ 終末の段階では,学びの成果を交流し,評価しあう活動自分の学習の取組を自己評価する活動を取り入れ,生徒の意欲の持続成就感,自己肯定感が高まるようにします。
【相互評価の場面】
2 単位時間の流れと教師の支援・評価の手立て   (問題解決的な学習展開による)
段階 主な学習活動 生徒の意識・思考の流れ 教師の主な支援・評価の手立て(★)

@学習内容と学習  目標を把握する







A学習課題を設定する
(学習課題を選ぶ)

・不思議だ,おもしろそう。
・何が問題なのだろう。
・何のために学習するのだろう。
・何を解決すればいいのだろう。





・自分に足りないところはどこかな。
・自分に関係するものは何だろう。
・こんなふうになりたい。
・これを解決してみたい。やってみ
 たい。
・これなら自分にもできそうだ。
・解決すればどんな効果(いいこと)
 があるのだろう。

○課題意識がもてるような問題提起場面の設定を工夫し,学習の方向付け,価値付けを行う。
例・ 問題のある事例や実態,実物を提示する。
  ・ 疑問を実感するような体験活動を設定する。
  ・ 事柄の「よい例」と「悪い例」を比較させる
★事前の診断的な自己評価により,課題意識の高揚をねらう。

○学習課題は目標よりも具体的で,生徒にとって達成が明確であり,解決への見通しがもてるものにする。
○生徒の興味・関心,知識・理解,技能,生活実態(経験)の違いに応じた課題を準備し,生徒の思考に合わせて提示する。
★課題を選んだ理由や学習の効果を記述させ確認することで,課題と自分とのかかわりを意識させる。

B課題解決の方法を考える

・どうすればいいのだろう。(方法や
 順序はどうしようかな。)
・どんな情報が必要だろう。
・まとめ方や完成の形はどうしよう。
・この方法でいいのかな。
・みんなはどんな方法をとっている
 のだろう。
・この方法でやってみよう。

○できるだけ多くのアイディアを受け入れ,発想の幅が広がるようにする。
○出されたアイディアは取り上げて紹介し,お互いの参考にさせる。
★完成の姿や評価の規準を知らせる。
★同じ課題ごとに解決方法を検討させ,方法がそれでいいか,コメントにより相互評価させる。

C課題を解決する
(解決方法を実行する)







Dまとめ,発表する

・難しい,うまくいかない。
・方法・課題を変えてみようかな。
・おもしろい,そうか分かった。
・うまくできた,簡単だ。
・もっと工夫してみよう。
・他に何かできないだろうか。
・次はどうしようかな。



・こんなことが分かった,できた,
 できるようになった。
・他の人にも伝えたい,見せたい。
・どんなふうに伝えるといいだろう。
・他の人はどうなんだろう。
・うまく伝わっただろうか。

○時間を明確にして活動させる。
○主体的な活動を温かく見守る。
★個々の取組の様子を把握し,意欲などの観点について評価する。
★学習課題ごとにつまずきを予想し,解決がうまく進まない生徒への支援を具体的に考え,準備しておく。
★解決がスムーズに進んだ生徒には,発展的な課題や方法もアドバイスしていく。

○学んだ成果を工夫してまとめ,伝え合う場を設ける。(発表会,意見交換会,作品展示など)
○自分の学びと同じところや違うところに着目させ,学んだことは記録させる。
★相互評価する場を設けて,認め合わせたり,よさや残った課題に気付かせたりする。


E自己の取り組みを振り返る




F生活に生かそうとする

・一生懸命できただろうか。
・この課題で,この方法で良かった
 のだろうか。
・できばえ(達成度)はどうだろう,
 どこが足りないのかな。

・今までの自分(自分の生活)はどう
 だったのだろう。
・どんなふうにして生かしていこうか。
・自分でやってみたい。
・人の役に立ちたい。

★学習課題の達成度と学習態度を振り返らせて,学習方法や課題選択の妥当性を考えさせる。
★自己を客観的に判断できるような評価基準を設定する。
★教師からの評価(コメント)を知らせることで,成長した自分に気付かせ,自己肯定感の高まりを期待する。

★学習成果と自分の生活とを比べさせる場や活用する場を設定し,実践意欲をもたせるようにする。

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