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*〔グラフ1〕の縦軸の数値は、各観点の回答状況を点数化し、合計したもの。好ましい状態であるほど数値が高く、満点は20ポイント。
*〔グラフ2〕の縦軸の数値は、各設問の回答状況を点数化したもの。好ましい状態であるほど数値が高く、最も好ましい回答は4ポイント。 |
(1) |
学級集団の変容 |
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「授業への意欲」は、今回の調査で最もポイントが上昇した観点であった。ほぼすべての項目でポイントが上昇している。加えて「自己存在感」の中の「頼りにされたり、役にたったりしている」の項目で0.3ポイントが上昇している。〔グラフ3・4〕 |
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A |
「友達との関係」は、1回目調査と同様に高いポイントを維持していた。〔グラフ3〕 |
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B |
「学級の雰囲気」のポイントが若干下降した。また、「教師との関係」は、依然としてポイントが低かった。〔グラフ3〕 |
(2) |
考察 |
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課題の作文や行事の感想文等には必ず目を通し、コメントを付けて返却した。決して前向きな作文ばかりではないが、否定的に受け止めることなく、自己肯定感を高められるようなコメントを返すことを心掛けた。その中で、看護師になりたいという夢を書いた作文に対し、学級担任がその生徒の適性を認め学習への意欲を促すコメントを書いて返却したところ、進路希望決定のきっかけになったと思われる例もあった。 |
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A |
定期考査前に用意した試験対策のプリントによって学習意欲を喚起された生徒が多かったようだ。前回の考査との結果を比較し、各個人が次回の考査への努力目標を設定することで、より計画的に学習に取り組むようになった。また、テストの答案に伸びが認められた点や努力の成果についてコメントしたことが、授業への意欲につながった生徒もいたようだ。これらのことは「がばいシート」の2回目の結果のグラフ4からも推測できる。 |
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B |
「Today's Hero & Heroine」の取り組みでは、はじめは恥ずかしがって遠慮がちだった生徒たちも、毎日行っていく中で、仲間を認め合う声が徐々に学級に広がり、自己存在感を高めて自信につながったようだ。日直からの報告には、学級担任が気付かないエピソードが紹介されることもあった。この取り組みが「自己存在感」の観点の中の「頼りにされたり、役に立ったりりしている」の項目でポイントが上昇していることにつながっていると考えられる。 |
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C |
学級担任に心を開こうとしない生徒との手紙のやり取りなど、問題を抱えている一部の生徒への支援に重点をおいた。面と向かい合った支援ではないが、その分冷静にその生徒たちの実態を把握することができ、よい面を発見する機会も多かった。しかしその反面、学級全体の雰囲気を改善するまでには至らなかった。 |
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