将来を見据える子どもが育つ!キャリア教育のすゝめ |
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学習指導案 中学校第2学年 学級活動 |
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1 題材名 | |
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「自分の将来をデザインしよう」(『中学生活と進路 2008年度版』) 進路の計画を立てる 〜職場体験学習を通して、主体的な進路選択の意識を高める〜 |
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2 題材設定の理由 |
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○ |
本題材は学級活動内容(3)の(カ)を受けて設定したものである。生徒が、人の生き方や人生の有り様について、その多様性を理解するとともに、自分の将来の生き方や生活について夢や希望をもつことができ、それを実現するための進路計画を立て、主体的に進路を選択することができるような指導が求められている。また、職業に対する知識と勤労の意義について、計画的・系統的な学習や体験活動などにより、発達段階に応じた望ましい勤労観・職業観が培われなければならない時期である。 第2学年では、実際に職場に行き仕事を体験する。体験の事前事後の学習を含めた職場体験学習では、自己理解を深め、職業の実像をつかみながら望ましい勤労観、職業観を身に付けたり、学ぶことや働くことの意義の理解及び関連性を把握したりするなど、学校の進路指導上の多くの効果が期待できる。事前に働くことの重要性や大切さを理解し、職業について調べて自分なりに職業に対する考えをまとめて、職場体験学習を軸とした取り組みを行う。また、事後には、これまでの学習を基に、主体的な進路選択に向けて何を知り、どのように考え、いかに行動すべきかなどについて検討していく。 |
○ |
本学級の生徒は男女を問わずほとんどが明るく、指示には素直に応じる。作業などに対してもちゅうちょなく取り組み、年少者や高齢者との対応もいとわず、大勢で盛り上がることを好む生徒が多い。しかし、指示待ちの姿勢で現在を過ごすことが多く、自ら独創的なアイディアを生かして行動する意欲が乏しい。今の重要な関心事は部活動での活躍・テストでの好結果であり、将来についての夢や希望をもちそれに向かって努力している生徒はごくわずかである。中には、ゲームを通じての狭い交友関係だけで過ごし、学習やクラス全体の活動に消極的なため、卒業後の進路選択や生活に不安を感じさせる生徒もいる。
また、情報収集の仕方に偏りがあり、情報の整理や、先を見通した価値判断を苦手としており、その場しのぎの価値判断が多いように思われる。いわゆる「おもしろい」「うける」が大事なことで、沈思黙考し、じっくりと順序立てて情報を整理し、計画的に行動することを苦手としている生徒たちである。 |
○ |
本来、進路計画の立案は、多様な進路情報を理解した後、整理しながら生き方として表現してまとめる進路学習の終末段階で取り組むものであった。しかし今回、職場体験の前後にそれぞれ進路計画を立案させることによって、職場体験を軸とした一連の進路学習に、より深い目的意識と主体性をもって取り組むことができると考える。そして進路計画の立案には自分の個性や適性の理解、上級学校の情報、職業についての情報、日常の意欲的な生活や学習などが必要なことを理解させ、自分の将来設計を見据えた進路学習に主体的に取り組ませたい。それとともに、あらゆる場面で情報収集や価値判断、現在の自分たちの生活をよりよいものにしていく態度を養うために、本題材を設定した。 |
3 本題材で重点を置いたキャリア諸能力 | |||||||||||||||||||||
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4 題材の目標 | |||||||||||||||||||||
・ 進路学習での情報をまとめさせ、進路計画を立案する上でのポイントを考えることができるようにする。 ・ 進路への多様な考え方を知り、自分の進路計画を立てることができるようにする。 |
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5 評価規準 | |||||||||||||||||||||
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6 指導計画 | |||||||||||||||||||||
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7 本時の学習指導 (1/2) |
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(1) 目標 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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・ 進路計画を立てるために、必要な情報や条件は何かを考えることができるようにする。(思考・判断) ・ 進路計画を立てるときに必要なポイントを理解させる。(知識・理解) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
(2) 展開 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
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8 生徒の様子・感想 |
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・3か月前に記入した自分の進路計画を見て、当時の自分の考えに対しての「恥じらい」、「懐かしさ」の発言が多く、以前より進路計画を立てる際のポイントを多く考えることができた生徒が多かった。(観察・ワークシート) ・以前は、進路に関して自分の考えを発言することは照れくさいという雰囲気があったが、今回の授業では進路計画を立てる際のポイントとして「自分の適性」、「夢」、「職業の特性」、「資格」など、様々な意見が出された。 特に自分の夢ややりたいことを大切にしたいという考えが多かった。(観察・ワークシート) ・職場体験を想起して、自分の考えを積極的に発言でき、友人の考えも受け入れていた。職場体験を終えたころから、学級の中でものごとに積極的に臨み、友人の考えを尊重するような姿が見られるようになってきた。(観察) |
9 考察 |
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・職場体験や友人の考えから進路計画の立案に必要な視点を整理することは有効であり、情報を総合的にまとめることができた。また、授業後に、図書室の利用や親への相談など、進路に関する情報収集の機会が増えていることから、将来の夢や職業を思い描き、自分の職業や仕事への関心、意欲を高めることができたと考える。 ・グループ活動での意見交換が活発になってきた。職場体験で学んだことや進路に対する考え方を共有することは、様々な職業の情報を入手するだけでなく、自分のよさや個性を知り、他者を尊重する態度がはぐくまれ、自己肯定感や自己有用感の獲得に有効だと考える。 ・補助資料によって、進路計画を立てる際に、「上級学校の情報」「必要な能力、条件」など、職場体験やこれまでの進路学習から得られなかったポイントを補うことができた。 ・「上級学校の情報」「各職業の内容」など、、「進路計画」立案のポイントとしてとらえられない生徒には、体験活動を想起させたり、情報を与えていったり、個別に対応していく必要がある。 |
Copyright(C) 2009 SAGA Prefectural Education Center. All Rights Reserved. 最終更新日: 2009-03-27 |