将来を見据える子どもが育つ!キャリア教育のすゝめ |
|
||||||||||||||
○職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)―職業的(進路)発達にかかわる諸能力の育成の視点から :国立教育政策研究所生徒指導研究センター | |
---|---|
![]() |
![]() |
小 学 校 | 中 学 校 | 高等学校 | |||||
低学年 | 中学年 | 高学年 | |||||
職業的(進路)発達の段階 | 進路の探索・選択にかかる基盤形成の時期 | 現実的探索と暫定的選択の時期 | 現実的探索・試行と社会的移行準備の時期 | ||||
○職業的(進路)発達課題(小〜高等学校段階) 各発達段階において達成しておくべき課題を、進路・職業の選択能力及び将来の職業人として必要な資質の形成という側面から捉えたもの。 |
・自己及び他者への積極的関心の形成・発展 ・身のまわりの仕事や環境への関心・意欲の向上 ・夢や希望、憧れる自己イメージの獲得 ・勤労を重んじ目標に向かって努力する態度の形成 |
・肯定的自己理解と自己有用感の獲得 ・興味・関心等に基づく職業観・勤労観の形成 ・進路計画の立案と暫定的選択 ・生き方や進路に関する現実的探索 |
・自己理解の深化と自己受容 ・選択基準としての職業観・勤労観の確立 ・将来設計の立案と社会的移行の準備 ・進路の現実吟味と試行的参加 |
||||
職業的(進路)発達にかかわる諸能力 | 職業的(進路)発達を促すために育成することが期待される具体的な能力・態度 | ||||||
領域 | 領域説明 | 能力説明 | |||||
人 間 関 係 形 成 能 力 |
他者の個性を尊重し、自己の個性を発揮しながら、様々な人々とコミュニケーションを図り、協力・共同してものごとに取り組む。 | ![]() 自己理解を深め、他者の多様な個性を理解し、互いに認め合うことを大切にして行動していく能力 |
・自分の好きなことや嫌いなことをはっきり言う。 ・友達と仲良く遊び、助け合う。 ・お世話になった人などに感謝し親切にする。 |
・自分のよいところを見つける。 ・友達のよいところを認め、励まし合う。 ・自分の生活を支えている人に感謝する。 |
・自分の長所や欠点に気付き、自分らしさを発揮する。 ・話し合いなどに積極的に参加し、自分と異なる意見も理解しようとする。 |
・自分の良さや個性が分かり、他者の良さや感情を理解し、尊重する。 ・自分の言動が相手や他者に及ぼす影響が分かる。 ・自分の悩みを話せる人を持つ。 |
・自己の職業的な能力・適性を理解し、それを受け入れて伸ばそうとする。 ・他者の価値観や個性のユニークさを理解し、それを受け入れる。 ・互いに支え合い分かり合える友人を得る。 |
![]() 多様な集団・組織の中で、コミュニケーションや豊かな人間関係を築きながら、自己の成長を果たしていく能力 |
・あいさつや返事をする。 ・「ありがとう」や「ごめんなさい」を言う。 ・自分の考えをみんなの前で話す。 |
・自分の意見や気持ちをわかりやすく表現する。 ・友達の気持ちや考えを理解しようとする。 ・友達と協力して、学習や活動に取り組む。 |
・思いやりの気持ちを持ち、相手の立場に立って考え行動しようとする。 ・異年齢集団の活動に進んで参加し、役割と責任を果たそうとする。 |
・他者に配慮しながら、積極的に人間関係を築こうとする。 ・人間関係の大切さを理解し、コミュニケーションスキルの基礎を習得する。 ・リーダーとフォロアーの立場を理解し、チームを組んで互いに支え合いながら仕事をする。 ・新しい環境や人間関係に適応する。 |
・自己の思いや意見を適切に伝え、他者の意志等を的確に理解する。 ・異年齢の人や異性等、多様な他者と、場に応じた適切なコミュニケーションを図る。 ・リーダー・フォロアーシップを発揮して、相手の能力を引き出し、チームワークを高める。 ・新しい環境や人間関係を生かす。 |
||
情 報 活 用 能 力 |
学ぶこと・働くことの意義や役割及びその多様性を理解し、幅広く情報を活用して、自己の進路や生き方の選択に生かす。 | ![]() 進路や職業等に関する様々な情報を収集・探索するとともに、必要な情報を選択・活用し、自己の進路や生き方を考えていく能力 |
・身近で働く人々の様子が分かり、興味・関心をもつ。 | ・いろいろな職業や生き方があることが分かる。 ・分からないことを、図鑑などで調べたり、質問したりする。 |
・身近な産業・職業の様子やその変化が分かる。 ・自分に必要な情報を探す。 ・気付いたこと、分かったことや個人・グループでまとめたことを発表する。 |
・産業・経済等の変化に伴う職業や仕事の変化のあらましを理解する。 ・上級学校・学科等の種類や特徴及び職業に求められる資格や学習歴の概略が分かる。 ・生き方や進路に関する情報を、様々なメディアを通して調査・収集・整理し活用する。 ・必要に応じ、獲得した情報に創意工夫を加え、提示、発表、発信する。 |
・卒業後の進路や職業・産業の動向について、多面的・多角的に情報を集め検討する。 ・就職後の学習の機会や上級学校卒業時の就職等に関する情報を探索する。 ・職業生活における権利・義務や責任及び職業に就く手続き・方法などが分かる。 ・調べたことなどを自分の考えを交え、各種メディアを通して発表・発信する。 |
![]() 様々な体験等を通して、学校で学ぶことと社会・職業生活との関連や、今しなければならないことを理解していく能力 |
・係や当番の活動に取り組み、それらの大切さが分かる。 | ・係や当番活動に積極的にかかわる。 ・働くことの楽しさが分かる。 |
・施設・職場見学等を通し、働くことの大切さや苦労が分かる。 ・学んだり体験したりしたことと、生活や職業との関連を考える。 |
・将来の職業生活との関連の中で、今の学習の必要性や大切さを理解する。 ・体験等を通して、勤労の意義や働く人々の様々な思いが分かる。 ・係・委員会活動や職場体験等で得たことを、以後の学習や選択に生かす。 |
・就業等の社会参加や上級学校での学習等に関する探索的・試行的な体験に取り組む。 ・社会規範やマナー等の必要性や意義を体験を通して理解し、習得する。 ・多様な職業観・勤労観を理解し、職業・勤労に対する理解・認識を深める。 |
||
将 来 設 計 能 力 |
夢や希望を持って将来の生き方や生活を考え、社会の現実を踏まえながら、前向きに自己の将来を設計する。 | ![]() 生活・仕事上の多様な役割や意義及びその関連等を理解し、自己の果たすべき役割等についての認識を深めていく能力 |
・家の手伝いや割り当てられた仕事・役割の必要性が分かる。 | ・互いの役割や役割分担の必要性が分かる。 ・日常の生活や学習と将来の生き方との関係に気付く。 |
・社会生活にはいろいろな役割があることやその大切さが分かる。 ・仕事における役割の関連性や変化に気付く。 |
・自分の役割やその進め方、よりよい集団活動のための役割分担やその方法等が分かる。 ・日常の生活や学習と将来の生き方との関係を理解する。 ・様々な職業の社会的役割や意義を理解し、自己の生き方を考える。 |
・学校・社会において自分の果たすべき役割を自覚し、積極的に役割を果たす。 ・ライフステージに応じた個人的・社会的役割や責任を理解する。 ・将来設計に基づいて、今取り組むべき学習や活動を理解する。 |
![]() 目標とすべき将来の生き方や進路を考え、それを実現するための進路計画を立て、実際の選択行動等で実行していく能力 |
・作業の準備や片付けをする。 ・決められた時間やきまりを守ろうとする。 |
・将来の夢や希望を持つ。 ・計画づくりの必要性に気付き、作業の手順が分かる。 ・学習等の計画を立てる。 |
・将来のことを考える大切さが分かる。 ・憧れとする職業を持ち、今、しなければならないことを考える。 |
・将来の夢や職業を思い描き、自分にふさわしい職業や仕事への関心・意欲を高める。 ・進路計画を立てる意義や方法を理解し、自分の目指すべき将来を暫定的に計画する。 ・将来の進路希望に基づいて当面の目標を立て、その達成に向けて努力する。 |
・生きがい・やりがいがあり自己を生かせる生き方や進路を現実的に考える。 ・職業についての総合的・現実的な理解に基づいて将来を設計し、進路計画を立案する。 ・将来設計、進路計画の見直し再検討を行い、その実現に取り組む。 |
||
意 思 決 定 能 力 |
自らの意志と責任でよりよい選択・決定を行うとともに、その過程での課題や葛藤に積極的に取り組み克服する。 | ![]() 様々な選択肢について比較検討したり、葛藤を克服したりして、主体的に判断し、自らにふさわしい選択・決定を行っていく能力 |
・自分の好きなもの、大切なものを持つ。 ・学校でしてよいことと悪いことがあることが分かる。 |
・自分のやりたいこと、よいと思うことなどを考え、進んで取り組む。 ・してはいけないことが分かり、自制する。 |
・係活動などで自分のやりたい係、やれそうな係を選ぶ。 ・教師や保護者に自分の悩みや葛藤を話す。 |
・自己の個性や興味・関心等に基づいて、よりよい選択をしようとする。 ・選択の意味や判断・決定の過程、結果には責任が伴うことなどを理解する。 ・教師や保護者と相談しながら、当面の進路を選択し、その結果を受け入れる。 |
・選択の基準となる自分なりの価値観、職業観・勤労観を持つ。 ・多様な選択肢の中から、自己の意志と責任で当面の進路や学習を主体的に選択する。 ・進路希望を実現するための諸条件や課題を理解し、実現可能性について検討する。 ・選択結果を受容し、決定に伴う責任を果たす。 |
![]() 意思決定に伴う責任を受け入れ、選択結果に適応するとともに、希望する進路の実現に向け、自ら課題を設定してその解決に取り組む能力 |
・自分のことは自分で行おうとする。 | ・自分の仕事に対して責任を感じ、最後までやり通そうとする。 ・自分の力で課題を解決しようとする。 |
・生活や学習上の課題を見つけ、自分の力で解決しようとする。 ・将来の夢や希望を持ち、実現を目指して努力しようとする。 |
・学習や進路選択の過程を振り返り、次の選択場面に生かす。 ・よりよい生活や学習、進路や生き方等を目指して自ら課題を見出していくことの大切さを理解する。 ・課題に積極的に取り組み、主体的に解決していこうとする。 |
・将来設計、進路希望の実現を目指して、課題を設定し、その解決に取り組む。 ・自分を生かし役割を果たしていく上での様々な課題とその解決策について検討する。 ・理想と現実の葛藤経験等を通し、様々な困難を克服するスキルを身につける。 |
|
Copyright(C) 2009 SAGA Prefectural Education Center. All Rights Reserved. 最終更新日: 2009-03-23 |