将来を見据える子どもが育つ!キャリア教育のすゝめ |
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1 キャリア教育を進めるために(手引き) |
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(1) | 本研究で考えるキャリア教育のとらえ方 |
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@ | キャリアとは |
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文部科学省 『小学校・中学校・高等学校 キャリア教育推進の手引き −児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てるために−』(以下、『キャリア教育推進の手引き』とする)平成18年11月では、次のように定義されています。 | |||
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「人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割」と言えば、まず、「職業」が思い浮かぶと思いますが、社会における立場や役割とはそれだけではありません。学校生活における係活動や家庭における役割などに始まり、社会に出てからも様々な立場や役割を担うことがあります。また、ある職業に就いても、年齢とともにその立場や役割は変わっていくでしょう。このような立場や役割が生涯にわたって連なっていくことと、その過程において、自分自身とその立場や役割の関係について考えたり、そこに価値付けをしたりしていくことの積み重ねが「キャリア」と言えます。 「キャリア」という言葉には、「轍(わだち)」という意味があります。「轍」とは「車が通ったあとに残る車輪の跡」のことです。それは文字通り、過去から現在、そして未来へと続いていく道、すなわち、その人の「生き方」そのものと言えるでしょう。学校を卒業して職業に就くことが人生のゴールではありません。したがって、「キャリアを身に付ける」とは、単に知識や技能を学び、ある職業に就くということだけではなく、学んだ知識や技能をもって生きていくことにどのような意味があるのか、自分が社会において果たす役割は何なのかということなどを考え、職業を含めた自分の将来や生き方を生涯にわたって考え続けていくことととらえています。 |
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A | キャリア発達とは |
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『キャリア教育推進の手引き』では、次のように定義されています。 | |||
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つまり、自分自身の様々な特徴を理解して受容しながら、それらを1つにまとめていく中で、自分の生き方を見いだしていくことが「キャリア発達」と言えるでしょう。キャリア発達は、成長し、様々な経験を重ねる中で変化していくものであり、それは一人一人違ったものです。小・中・高等学校の段階では、集団の中で他者とかかわりながら、多様な経験をすることを通して、それぞれにふさわしいキャリアが形成されていくことが必要です。そうした意味から、小・中・高等学校の12年間は、一人一人のキャリア発達を支援していく大切な時期だと考えられます。 |
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B | キャリア教育とは |
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『キャリア教育推進の手引き』では、次のように定義されています。 | ||
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キャリア教育は、ややもすると本人の適性と職業の特性との合致点を見付けることに力を注ぐという狭い視野でとらえられる場合があります。しかし、前述したキャリア諸能力を見ると、もっと幅広い様々な能力・資質・態度が求められていることが分かります。さらに、それらは遠い将来において必要なだけでなく、今の学校生活においても必要であり、今、役立つものであると言えるでしょう。すなわち、本来目指すキャリア教育に取り組むことは、児童生徒のよりよい人間関係を築くことや学ぶことへの意欲を喚起することにつながり、ひいてはそれが、児童生徒の学力向上や生徒指導に対してもよい効果をもたらすと考えられます。 キャリア教育は、全く新しい概念を学校現場に導入しようとしているのではありません。従来までも、小学校から高等学校までの学校教育の各段階において、進路学習や職業についての様々な学習は数多く行われてきました。それらの1つ1つはキャリア発達を支援するものになり得ていると思われます。しかしながら、それぞれの学習が断片的になりがちで、キャリア諸能力を横断的・系統的に育てているとは言い難いのが現状ではないでしょうか。 そこで、各教科・領域等で現在、実施している学習にキャリア諸能力を育成する視点を取り入れ、それぞれの学習を関連付けたり、学年や校種間の系統性をもたせたりして、キャリア教育をより効果的に進めることが必要となります。 |
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C | 学校教育においてキャリア教育に取り組む意義 |
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以上のようなことから、キャリア教育とは、将来において必要とされるキャリア諸能力を学校の教育活動全体を通してはぐくんでいくことと言えます。そして、これらの諸能力をはぐくみ、児童生徒一人一人の勤労観・職業観を育てるキャリア教育は、将来のキャリア形成に役立つだけではなく、今の学校生活を豊かにし、充実したものにできる力も備えているといえるでしょう。 本研究では、このようにキャリア教育に取り組む意義をとらえ、各校種において無理なくキャリア教育に取り組むことができ、その成果を実感してもらえるような研究を目指し、取り組んできました。 |
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D | 本研究におけるキャリア教育推進のための手立て |
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各学校において、有用性を実感でき、取り組みやすいキャリア教育を追究するために、本研究においては、具体的に次のような5つの手立てを考えました。 | |||
a | キャリア教育の導入期として、道徳の時間・特別活動・総合的な学習の時間における学習活動に絞ること | ||
キャリア教育に学校の教育活動全体を通して取り組むことの大切さについては、前にも述べました。しかしながら、すぐにそのための全体計画や具体的な指導計画を作成し、すべての教科・領域等で取り組むためには大変な時間と労力が必要となります。そこで、まずは、全職員がかかわる「道徳の時間」「特別活動」「総合的な学習の時間」に絞って、実践をスタートさせることを本研究では提案しています。キャリア諸能力を育成する視点を取り入れた学校計画が確立されてきた段階で、例えば、社会科・地理歴史科・公民科など取り組みやすい教科を組み込んで更に充実を図ることも可能となります。 | |||
b | 従来まで行われてきた道徳の時間・特別活動・総合的な学習の時間における学習活動をキャリア諸能力を育成する視点で関連付けること | ||
特別活動に位置付けられた様々な学校行事や児童会活動・生徒会活動、学級活動は多くの学校で既に実施されています。道徳の時間や総合的な学習の時間も現行の教育課程上に位置付けられた時間であり、当然実施されているものです。これらの学習の中には、キャリア諸能力にかかわる内容も数多く含まれています。これらの内容を、キャリア諸能力を育成する視点で結び付けて指導することを、本研究では「関連付ける」と定義しています。例えば、道徳の時間を要として育成された道徳的実践力の発露の場の一つとして、特別活動や総合的な学習の時間を位置付けることで、より高い道徳性をはぐくむことができ、特別活動や総合的な学習の時間の充実にもつながると考えます。また、特別活動や総合的な学習の時間における豊かな体験を通して、児童生徒の内面に根ざした道徳性の育成が図られるような道徳の指導が可能となります。このように、道徳の時間・特別活動・総合的な学習の時間を、キャリア諸能力を育成する視点で結び付けて指導を行うことによって、それぞれの学習が互いに補完し合い、それぞれの指導がより充実するとともに、キャリア諸能力の育成も図ることができると考えています。 | |||
c | 「国研」が示すキャリア諸能力を育成するに当たって、児童生徒の発達段階や各校種のニーズに応じて、その重点化を図ること | ||
「国研」が示すキャリア諸能力は多岐にわたっており、小・中・高等学校の各学年で、満遍なく指導をするということについては、難しい一面もあるように思います。そこで、各学校の児童生徒の実態や学校の教育目標、保護者や地域のニーズなども加味しながら、ある程度軽重を付けながら指導を進めてみてはどうかと考えます。本研究では、校種の違いによる児童生徒の発達段階やニーズの違いを踏まえて、キャリア諸能力の重点化のアイディアを提案しています。 | |||
d | 各校種において一般的に実施されている体験活動を軸として、道徳の時間・特別活動・総合的な学習の時間を関連付けた大単元を構想すること | ||
前に述べた手立てとも関連しますが、多くの小・中・高等学校において様々な体験活動が行われていると思われます。例えば、小学校における校外学習や修学旅行、中学校における職場体験学習、高等学校におけるインターンシップなど、多くの学校で既に実施されている体験活動はたくさんあります。このような体験活動は他者とかかわりながら主体的に行動したり、地域社会や将来のことに目を向けたりする絶好の機会でもあります。このような体験活動を軸として、道徳の時間・特別活動・総合的な学習の時間を関連付けた大単元を構想し、実践することにより、キャリア諸能力の育成と道徳の時間・特別活動・総合的な学習の時間それぞれの学習のねらいを実現することができるようなキャリア教育を推進することができると考えています。また、その中で、児童生徒は、体験活動やそれぞれの学習のねらいを自覚することができ、より主体的・意欲的に取り組むことができるようになると考えています。 | |||
e | 小・中・高等学校の12年間の系統性を意識して、キャリア諸能力の育成を図ること | ||
キャリア諸能力は小・中・高等学校の12年間を通して、系統的にはぐくんでいくことが求められています。しかしながら現状は、各校種における6年間又は3年間においても、その系統的な指導が難しい状態にあると言えます。そこで、本研究では「国研」が示す「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」(以下、「学習プログラムの枠組み」とする)をよりどころとしながら、諸能力の重点化や体験活動を軸とした大単元の構想などの手立ても踏まえて、系統的な指導ができるように配慮しています。 |
(2) | キャリア教育ではぐくむ資質・能力 |
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@ | キャリア諸能力 |
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自分の過去・現在・将来を見定めて、社会との関係の中で自分らしい生き方を展望し実現していくことは、生涯にわたる課題ととらえるべきものです。そして、一人一人が成長の各時期にふさわしいキャリア発達の課題を達成していくことが、生涯を通じてのキャリア発達となります。 キャリア教育を進めていく上で重要なことは、キャリアが児童生徒の発達段階やその発達課題の達成と深くかかわりながら段階を追って発達していくことを踏まえ、児童生徒の全人的な成長・発達を支援するということです。人間の成長・発達の過程には、いくつかの段階(節目)と各段階で取り組まなければならない発達課題があります。 「国研」では、「学習プログラムの枠組み」の中で、キャリア諸能力について、【表1】のように説明しています。 |
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【表1】 キャリア発達にかかわる諸能力(例)
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キャリア発達を促すためには、児童生徒の発達段階に応じ小・中・高等学校を通して系統的にキャリア諸能力をはぐくんでいく必要があります。それらの能力は個々にはぐくまれていくだけでなく、それぞれの能力が関連をもってはぐくまれていくと考えることができます。 | |||||||||||||||||||||
佐賀県教育センターでは、キャリア発達にかかわる諸能力の関連性を【図1】に示すように考えました。まず、他者の個性を尊重し、自己の個性を発揮しながら、様々な人々とコミュニケーションを図り、協力・共同してものごとに取り組む「人間関係形成能力」が基となります。そして、学ぶこと・働くことの意義や役割及びその多様性を理解し、幅広く情報を活用して、自己の進路や生き方の選択に生かす「情報活用能力」、夢や希望をもって将来の生き方や生活を考え、社会の現実を踏まえながら、前向きに自己の将来を設計する「将来設計能力」が育成されます。さらに、自らの意志と責任でよりよい選択・決定を行うとともに、その過程での課題や葛藤に積極的に取り組み克服する「意思決定能力」の育成へとつながっていくということです。 | ![]() 【図1】キャリア諸能力の関連性 |
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小学校から発達段階に応じたキャリア教育を展開する上では、教育活動のねらいや意義を踏まえ、児童生徒の実態に応じて身に付けさせたいキャリア諸能力を明確にし、その能力育成に関係のある教科・領域等での学習事項を通して、キャリア教育の実践的な取り組みに向けて意図的・計画的に推進していく必要があります。 |
A | 重点化について |
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「キャリア教育ではぐくみたい資質・能力」で述べたように、キャリア諸能力は、各発達段階に応じてはぐくんでいきます。しかし、限られた時間の中で満遍なく均等にはぐくんでいくことは困難ですし、学校や児童生徒の実態などにも左右されることも考えられます。 そこで、キャリア諸能力の関連性を踏まえ、重点を置いてはぐくんでいくことが考えられます。最初に、基盤となる「人間関係形成能力」に重点を置き、次に「情報活用能力」「将来設計能力」、最後に「意思決定能力」に重点を置いてはぐくんでいきます。ただし、重点を置いてはぐくむとは、他の能力をはぐくみながらも、特に、その能力に重きを置いてはぐくむということです。 |
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重点を置いてはぐくんでいくスパンは、例えば、小・中・高等学校の12年間を見通した「校種ごとのスパン」【図2】が考えられます。他にも、「各校種における学年ごとのスパン」「学期ごとのスパン」、さらに、「学校・児童生徒の状況に応じたスパン」(中学校3年間を通じて「人間関係形成能力」に重点を置いてはぐくむなど)が考えられます。 | ![]() 【図2】重点を置いてはぐくんでいくスパン(例) 「校種ごとのスパン」 |
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このようにキャリア諸能力は、重点を置いた様々なスパンが重なり合ってはぐくまれていくと考えることができます。 | ||
本研究においては、重点の置き方を【図2】のように校種ごとのスパンとしました。そして小・中・高等学校において体験学習を軸とし、キャリア諸能力の重点を置いた大単元を設定することで、12年間を見通した系統的な教育を考えました。 中・高のいずれの校種においても職場体験・インターンシップに関する体験学習を取り上げていますが、それぞれに重点化を図るキャリア諸能力が違うので、同じような体験学習を軸としていても、それぞれに意義のある学習を進めていくことができると考えています。 |
(3) | 小・中・高等学校の系統性(連携)を図ることの意義 |
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小・中・高等学校それぞれの校種において、職場体験や職場訪問が行われています。系統性を考える上で大切なのは、各発達段階を踏まえて職場体験や職場訪問の目的や内容を、少しずつ変えていくことではないでしょうか。そのためには、キャリア諸能力を身に付けさせる取り組みが校種ごとに違うということを指導者自身が認識することが重要となってきます。 |
@ | 勤労観・職業観の基盤を形成する小学校段階 |
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小学生にとって、勤労観・職業観を意識することはなかなか難しいことです。しかし、学校の中の1人、クラスの中の1人という構成員として、学校・学級といった集団社会の中で生活しており、役割を果たそうとする意欲や態度などキャリアを形成していく基礎的な力を養うことは十分可能です。「夢や希望、あこがれる自己イメージの獲得」「勤労を重んじ目標に向かって努力する態度の育成」が、小学校のキャリア発達課題として挙げられていることからも、キャリア諸能力をはぐくむ学習活動を通して身に付けていくための基礎的な力を養成することが、中学校・高等学校への橋渡しとして大切になってきます。 |
A | 進路選択にかかわる力を育成する中学校段階 |
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中学生になると、小学生の時期と異なり、心身が大きく成長し、価値観も多種多様となります。しかし、その中で自分が将来どのような仕事をしたいのか、なぜそのような職業に就きたいのか、働くことで何をしたいのかなどの具体的な進路計画を立案できていない状況です。そのため、自分は仕事をすることによってどんな価値を実現していくのか、どんな生き方をしていくのかなど、自己実現を意識させる機会を設けることが大切です。そしてそれが、上級学校を選ぶ指針の1つとなるよう、指導していくことが必要となります。 |
B | 進路を主体的に選択する力を育成する高等学校段階 |
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そして、高校生になると、近隣だけでなく遠方の中学校からも生徒が進学してくるなど環境の変化が大きい中での生活となり、価値観もより多様化してきます。その中で、自分には何が向いているのかという職業への適性を、考えさせるだけでなく、より具体的かつ現実的にどんな職業に就きたいかをイメージさせることが大切です。つまり、小学校や中学校で行ってきた学習活動を、生徒の生涯にわたる生き方を見据えた上での学習活動へとより発展させることが必要となってきます。 | |
このように小学校、中学校、高等学校の系統性を重視し、それぞれの発達課題を認識して取り組むことによって、勤労観・職業観が段階的にはぐくまれていくのではないでしょうか。 | |
(4) | 「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」と「能力体系表」 |
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@ | 職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例) |
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キャリア教育を進めるに当たり、それぞれの時期における発達課題の達成が重要であるとともに、発達段階に応じた系統性と計画性のある取り組みの展開が求められています。 こうした背景の下、「国研」では、社会的自立・職業的自立に向けて、キャリア発達にかかわる諸能力育成の視点から、小学校の低・中・高学年、中学校、高等学校のそれぞれの段階において身に付けることが期待される能力・態度が、どの程度身に付いているか等、児童生徒の発達を見ていく見取り図として、「学習プログラムの枠組み」【表2】を作成しています。ここでは、勤労観・職業観の形成に関連する能力を、児童生徒の成長の各時期において身に付けることが期待される能力・態度として具体的に示しています。 |
【表2】学習プログラムの枠組み (小学校・中学校・高等学校) |
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本研究においては、 「国研」から出されている「学習プログラムの枠組み」を基に研究を進めています。各学校においても、この「学習プログラムの枠組み」を参考にすることで横断的・系統的なキャリア教育を進めていくことができると考えています。 また、各学校の教育課程や児童・生徒の実態等に応じて「学習プログラムの枠組み」を作成し、キャリア教育を進めていくこともできます。 |
A | 能力体系表 |
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道徳の時間・学級活動・ホームルーム活動・総合的な学習の時間は、それぞれが固有の目標やねらい、教育内容・方法等の特性をもっています。しかし、固有のねらいをもつといっても、実際には、直接的、あるいは間接的に様々な関連をもっています。したがって、それぞれの教育活動が相互に関連し補完し合いながら、それぞれのねらいを達成することにより、全体として教育の目的や目標を達成することができます。 そこで、学習指導要領や「学習プログラムの枠組み」を基に、道徳の時間・学級活動・ホームルーム活動・総合的な学習の時間において、キャリア諸能力と関連の深い、目標や内容、身に付けさせたい能力や態度を分類し、「能力体系表」(以下、「体系表」という)【表3】としてまとめました。この「体系表」により、キャリア諸能力を身に付けさせるには、どのような学習をすればよいかが分かり、道徳の時間・学級活動・ホームルーム活動・総合的な学習の時間のねらいを達成することで、キャリア諸能力の育成ができると考えています。また、キャリア諸能力を育成する視点で関連付けてみることによって、それぞれのねらいやつながりがより明確になり、キャリア発達を支える教育となると同時に、それぞれの活動もより充実すると考えています。 |
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【表3】能力体系表![]() |
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(5) | 大単元の作成手順 |
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![]() 【図3】大単元作成の流れ |
「学習プログラムの枠組み」を参考に、育成したいキャリア諸能力を選定します。次に、その能力を身に付けさせるためにふさわしいと思われる既存の体験学習や行事を選択します。(体験学習や行事を新たに設定しても構いません。)選択した体験学習や行事を軸として、「体系表」を基に、道徳の時間・学級活動・ホームルーム活動・総合的な学習の時間の題材を関連付け、大単元として構想します。(【図3】参照) 「体系表」を基に、道徳の時間・学級活動・ホームルーム活動・総合的な学習の時間において、単独で指導することもできますが、本研究では、これらの学習において、それぞれの能力や態度を育成するのにふさわしい題材を、関連をもたせて大単元として横断的に構想し、指導することとしました。そうすることで、これまでの教育活動をとらえ直し、取り組みを整理することができ、更に効率的・効果的なものにできると考えています。(【表4】参照) 大単元の構想が立ったら、キャリア諸能力と道徳の時間・学級活動・ホームルーム活動・総合的な学習の時間の目標を関連付けて大単元のねらいを設定し、全体の指導計画を立てていきます。さらに、大単元の目標・指導計画を基に、道徳の時間・学級活動・ホームルーム活動・総合的な学習の時間それぞれにおけるキャリア諸能力も含めた単元(題材)の目標を設定し、指導計画、展開案を作成して実践へ向かいます。 |
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【表4】能力体系表の見方![]() |
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