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小学校6年生 「割合のいろいろな表し方」

1 ねらい

(1)
同じ割合でも、小数、分数、百分率、歩合など、いろいろな表し方があることを理解することができる。
(2)
倍や割合を表す数がどのような場合でも、比較量=基準量×割合の式を基に考えることができる。

2 算数・数学の活用について

(1)
活用する主な既習事項
○小数のかけ算とわり算(5年)
○百分率とグラフ(5年)
○分数と小数(5年)
○分数のかけ算とわり算(6年)
(2)
活用する力をはぐくむ授業の視点
ア  「○割引き」「○%OFF」等のセールの表示から代金を求めるという日常生活で子どもが遭遇
  する場面の問題を設定する。「どの店で買ったらお得だろうか」という子どもが自分の問題として
  考え、取り組めるものを準備する。
イ  いろいろなセールの表示にもかかわらず、どの店も同じ代金になることから、割合の表し方の
  面白さを味わわせるとともに、各単元で学習した小数倍、百分率・歩合、分数倍は、割合を表す
  方法の一つであることに気付かせ、割合の見方、考え方を深めさせる。
ウ  広告等の文言を考えるといった活動を通して、割合のいろいろな表現方法を活用させるととも
  に、算数で学習したことが生活の多くの場面で利用されていることを実感させる。

3 本時の展開

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児童の学習活動
教師の指導・支援
1 本時の問題を知る。


どの店が最もお得か予想を立てる。 最もお得だと思う店の予想を立てさせ、挙手させることにより、表示の仕方により各人がもつ印象が違うことに気付かせる。
最もお得だと思う店のTシャツの代金を求める。
各店の代金を発表させ、どの店のTシャツも同じ代金であることに気付かせる。


表示が違うのになぜどの店も同じ価格になるのか調べてみたいという意欲を持たせる。
本時のめあてを知る。

数字や式が違うのになぜ同じ代金になるのか、その秘密を調べよう!
各店のTシャツの代金を求め、表示が違うのになぜ同じ代金になるのか、その秘密を調べる。 各店の代金を求め、表示が違うのになぜ同じ代金になるか、その秘密を調べるよう指導する。

@ひとり調べ
 ・各店の代金を求める。
 ・表示、式が違うのになぜ同じ代金になるのか、その秘密を調べる。
表示が違っても同じ代金になる秘密を分かりやすくノートにまとめるよう助言する。

Aお隣会議
 ・調べたことについてとなりの人と意見交換する。
各店の代金の求め方で、気づいたこと等について意見交換する。

Bみんなで会議
 ・各店の代金の求め方と代金を発表し、どの店も同じ代金になることを確認する。
 ・各店の代金を求める中で、気付いたこと等を発表する。
 ・表示が違うのに同じ代金になる秘密をまとめる。
友達の意見を聞いて、分かったことや考えたことなどノートに書きくわえる。
割合が小数、分数、百分率、歩合で表されていても、同じ意味であることに気付かせたい。
倍や割合を表す数がどのような表示方法でも、比較量=基準量×割合の式を基に考えることができることに気付かせたい。

割合には、小数、分数、百分率、歩合などいろいろな表し方がある。
宣伝文句を作ろう。
・定価と割合を指示した文章を、他の表現方法に変える。
つまずいている児童には、割合を表す語句を抜き出し、その語句が何倍を表しているのかを確認させ、他にどのような表現方法があるか考えさせる。
学習のまとめを書く。
・「今日のまとめ」を自分なりにポイントを整理して書く。
理解したことや、自分、友だちの考えのよさを想起させる。


どのような数値でも、同じ考え方で解決できることを確認する。


学習した内容が日常生活のどのような場面で活用されているか考えさせる。
*指導案はこちらからダウンロードできます。        
*問題文のワークシートはこちらからダウンロードできます。
*実践事例はこちらからダウンロードできます。

4 授業を終えて

  百分率や歩合について苦手意識を抱いている児童が多い。また、3年、4年で整数倍、5年で小数倍と百分率、6年で分数倍を学習しているが、児童にとってそれぞれの学習内容は分断されたままになっていると思われた。そこで、それらを統合する学習を組みたいと考えていた。
  本授業にあたって、基準量、比較量、倍を求める際に演算決定に困難さを抱えていた児童に対し「比較量=基準量×倍(割合)」を基本に考えること、さらに百分率や歩合の表示について確実に習得する機会を設けることができた。また、割合を表す方法は数種類あり、どの表し方であっても同じ考え方で問題を解決できることを児童が理解でき、4か年の倍の学習を統合するというねらいを達成することができたと思われる。また、授業での問題場面と日常生活での問題場面を結び付けた学習問題を考える機会になったことは、教師にとっても大きな収穫であった。
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