授業での取り組みについての考察<成果と課題> |
「学び」の方法を意識させる場の工夫 |
成果 |
単元の導入時に毎回計画を立てることで生徒たちも見通しをもつことができるようになってきた。 |
文章読解の1つの視点として、関連語彙に着目して筆者の意図を読み取ることを説明的文章で何度か行ってきた。そのことが今回の学習で生かされ、文章の特徴として気が付き、マーキングすることによって文章の展開を理解することもできた。 |
文章の書き方に絞って比較し評価させるために、2つの本文を1枚のワークシートにまとめて学習を進めた。叙述に沿った読み取りではなく、全体を大きくつかんで特徴を整理するためには、このような形に構成し直して提示した方が分かりやすく、学習課題を常に意識することにも役立ったようである。また、「文章を評価し、自分の考えを書く」学習活動のワークシートでも、大まかな構成と内容を示したので、ほとんどの生徒が、根拠を示しながらどちらの文章に説得力があり共感するのかという自分の立場を明確にして書くことができていた。 |
知識・技能を意図的に活用させる場の工夫 |
成果 |
本単元では、文章の特徴として気が付いたことを出し合い整理する学習と、主張と文章の特徴とのかかわりから筆者の意図を読み取る学習において話し合い活動を取り入れた。全員が取り組みやすい課題というわけではなく、一斉授業の中では意見が出にくいところであるが、話し合いの場を設けたことで、全体の集中力や理解が高まった。 |
字数を400字以内とし、大まかな構成と内容を示したワークシートを準備した。初発の段階では主張の内容についてのみ書いていたが、まとめの段階では文章の書き方と関連させて自分の意見を述べることができていた。 |
2つの評論を同時に比べて読むということは、多くの生徒にとっては負担が大きく、叙述に沿って理解していくだけでも困難な生徒が少なくない。しかし、今回の学習では、読解の過程で話し合い活動を中心にしたことで、生徒が集中して取り組むことができた。回を重ねるごとに、より良い意見を述べるために真剣に話し合うようになり、合計4回のグループでの話し合い活動を取り入れたことで、集中力を維持して理解に役立てることができた。 |
話し合いを取り入れたことで、教師主導の一斉授業やワークシートでの個人学習ではできなかった学級全体の集中力が維持できたのではないかと考えられる。また、必要に応じて話し合いのポイントを指導し、回を重ねるごとに話し合い方も内容も報告の仕方も高まっていった。今までは、「難しいのではないか」と教師主導になっていたことを振り返ると、生徒の力を生かしていなかったと反省するところである。 |
課題 |
協議して意見をまとめたり、気付いたことを交流したりする場面での力を付けていなかったことがはっきりした。「中学生はなかなか自分の意見を言わない」のは確かにそうだが、話し合いの方法と司会者や発言者としての役割を指導し、継続的にそのような場を設けていく必要性を強く感じた。 |
学習活動を振り返り、整理する場の工夫 |
成果 |
自由記述の形で、毎時間の学習内容にポイントを絞った振り返りを書かせた。1文程度ではあるが、その時間の学習で身に付けたことや、生活で生かすことができそうなことなどを書くことで、力として自覚することにつながったと考えている。 |