活用力に培う国語科学習の在り方

2 授業づくりの視点

(2) 指導のポイント

指導においては、児童生徒が自分がどのような力を身に付けていて、どのような場面でその力が使えるかを自覚することで、はじめて、力を「活用」することが可能になります。自分の習得している知識・技能をどのように「活用」するかを明確にしておく必要があります。そのため、ここでは指導のポイントとして3つのことをあげています。

「学び」の方法を意識させる場を設ける

まず、生徒自身に、自分が習得しているどのような知識・技能を「活用」するかを明確にさせておくことが必要です。そこで、教師はモデル(目標となる姿や力)を提示して、学ぶ知識・技能に気付かせるようにしたり、学習計画を立てさせたりして、児童生徒に「学び」の方法を意識させることが大切です。学習の見通しや目標となる姿や力が明らかになることで、児童生徒は自主的、自発的に学習に取り組むことができます。また、自分の既有の力とモデルを比べることで、新しく学ぶ知識・技能を意識することや既有の知識・技能の生かし方など、自分のもつ力を確認しながら学習に取り組むことができます。

学習計画作成用の
ワークの例
小学4年
中学2年
中学3年
モデルを提示した
ワークの例
ポップとは
リライト例
ワーク参考例

知識・技能を意図的に活用させる場を設ける

 次に、学習活動の中で児童生徒が知識・技能の活用について意識するような場を設け、意図的に活用させるようにします。言語活動において相手意識や目的意識、場面意識等の条件を明らかにしたり、自分の考えを広げ深める機会を保証するための交流の場を設けたりすることで、身に付けた知識・技能が「分かった」から「使える」ものになります。そこで、教師は本単元で身に付けさせたい知識・技能を言語活動の中でより必然性のある使わせ方をさせるということを意識しておかなければなりません。また、その中で、本単元以前の学習で身に付けた知識・技能も駆使する必要が出てきます。このように、身に付けさせたい知識・技能を明らかにし、意図的に活用させることを意識することで、授業のめあてや展開などが変わってくることになります。

言語活動から実践のページを開きます

本の紹介

短歌づくり

リーフレットづくり
ポップづくり
物語文のリライト
依頼文を書く(手紙)
論説を比較して読む

学習活動を振り返らせ、整理させる場を設ける

 学習の終末(まとめ)の場面では、活用した知識・技能について振り返らせ、児童生徒自身で整理させる場面を設けることが大切だと考えます。アで示した学習計画やモデルに照らし合わせて、自分がどのような力を身に付けたのか、学んだ知識・技能はどの程度理解できたのか、などを振り返ることで達成感や新たな目標が生まれます。児童生徒は自己評価、他者評価などを通して、自分のよさや課題を自分なりに見つめていくことができ、そこに教師からの助言や指導を受けることで、次への学習意欲がふくらむことになります。

振り返りを書き込めるようにしたワークの例 ワークシートごと 学習計画と対応したもの
 
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最終更新日: 2010-03-08