■ 学年別指導案の例(高校2年生) |
1.単元名:平面上のベクトル(数学B) |
2.対 象:高校2年生 |
3.単元について |
(1)教材観 図形については,高校1年生以降,主に図形と計量,平面図形,図形と方程式などについて学んできた。 本単元では,これまでに学んだ図形学習を踏まえ,平面ベクトルを利用して,図形の性質や図形の計量に用いることができるようにしていく。 (2)指導観 生徒は図形の作図方法を身に付けており,また,図形の性質を知識としてもっているが,その考え方を十分理解できていない者もいる。学習状況調査結果においても,学年が進むにつれて条件に合った作図ができなかったり,証明問題を苦手とする生徒が増えていく実態がある。 また,ベクトルという新しい概念を初めて学ぶ生徒にとって,代数的に演算をすることはできても,図形の性質の理解に応用することについては難しいと感じる生徒も多い。 こうしたことから,生徒にとって比較的分かりやすい「角の二等分線」を題材として,ベクトルの「代数的な性質と幾何的な性質」を併せ持つよさを味わわせるとともに,ベクトルが図形の性質を考察したり,証明したりする上で有効な方法であることを理解させたい。 (3)単元の目標 ベクトルについての基本的な概念を理解し,基本的な図形の性質や関係をベクトルを用いて表現し,いろいろな事象の考察に活用できるようにする。 |
4.指導計画 |
第2章 ベクトル 第1節 平面上のベクトル 1 ベクトルの意味・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間 2 ベクトルの加法・減法・実数倍・ 3時間 3 ベクトルの成分・・・・・・・・・・・・・・・ 3時間 4 ベクトルの内積・・・・・・・・・・・・・・・ 3時間 問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 第2節 ベクトルの応用 1 位置ベクトル・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2時間 2 図形のベクトル方程式・・・・・・・・・ 3時間 3 ベクトルの図形への応用・・・・・・・ 2時間(本時2/2) 問題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1時間 |
5 本時の指導 |
(1)本時の目標 @ 与えられたベクトルに関する条件式を図形で表現できる。(関心・意欲・態度) A 角の二等分線やひし形などの図形の性質がベクトルで表せることを理解できる。(知識・理解) B 角の二等分線をベクトルで表し,図形問題に応用できる。(技能・表現) (2)本時の学習指導過程 |
過程 | 主な学習活動 | 指導上の留意点 | 評価活動等 |
導 入 5 分 |
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・両辺を2乗して考えることを指導する。 ・得られた図形が本当に条件を満たしているか確かめるように指導する。 |
【関心・意欲】 点Oを始点とする位置ベクトルを用いて,条件式から図形を考えようとする。 |
展 開 40 分 |
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・内分点の公式を用いることができることに気付かせる。![]() ・角の二等分線の作図方法を思い出させる。その際,どのような図形を用いたか考えさせる。 ・課題2,3の手法で考えるようにヒントを与える。 ・上記の2つの方法以外に,チェバ、メネラウスの定理を用いた解法を紹介する。 |
【知識・理解】 角の二等分線と比の関係をベクトルの演算に応用できる。 【知識・理解】 ひし形の性質を活用して,単位ベクトルを作ることができる。 【知識・理解】 ベクトルの一次独立を理解し,一般の直線に応用できる。 |
ま と め 5 分 |
○1つの課題がいろいろな方法で論理的に 解決できることを理解し,そのよさを確認させる。 |
・今後の学習につながる内容であり,条件をきちんと整理しながら,論理的に根拠を示すことの重要性を確認する。 | |
■ 他学年の指導案↓ |
中学校1年 | 中学校2年 | 中学校3年 | 高 校1年 | 高 校2年 | 高 校3年 |
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