思いや意図をもって音楽表現する児童を育む歌唱の授業を提案します!!

2 研究の実際 

(3)授業実践
 本研究では、音楽を聴き取り、感じ取りながら、思いや意図をもって音楽表現する児童を育むために、〔共通事項〕に示されている音楽を特徴付けている要素や音楽の仕組みを手掛かりとした学習活動を工夫して授業実践を行いました。
授業実践は、第6学年で行いました。新学習指導要領における授業実践は、はじめての学習であるので、〔共通事項〕による指導や学習過程も丁寧な授業展開となっています。
第6学年 音楽科授業実践

指導案PDFはこちらから

毎日使える〔共通事項〕カード
※〔共通事項〕カードの言葉は、学習指導要領の言葉そのものではなく、児童に分かりやすい言葉に変えています。
1.題材名
   「思いや意図をもって合唱しよう」
 
2.教材
   「この星に生まれて」(作詞・作曲 杉本竜一 編曲 鹿谷美緒子)  教育芸術社
   便宜上、A(始めから17小節3拍目まで)B(17小節4拍目から25小節まで)C(26小節始めから最後まで)
    の3つの部分に分けて授業を行いました。 
3.題材について
(1)題材の指導目標
  音楽を形づくっている要素の働きを感じ取って、表現の工夫をし、思いや意図をもって歌唱表現することができるようにする。
(2)題材の評価規準
  歌詞の内容、曲想を生かした表現を工夫し、思いや意図をもって歌う学習に主体的に取り組もうとしている。
                                                   (音楽への関心・意欲・態度)
  音楽を形づくっている要素を聴き取り、それらが生み出すよさや面白さなどを感じ取りながら、歌詞の内容、曲想などを生かした表現を工夫し、どのように歌うかについて自分の考えや願い、意図をもっている。 
                                                      (音楽表現の創意工夫)
  歌詞の内容、曲想を生かした音楽表現をするために必要な技能を身に付けて歌っている。 
                                                         (音楽表現の技能)
  新学習指導要領における学習評価の進め方を提案するため、試行的に新学習指導要領の評価規準で評価をしています。
   
(3)本題材で位置付ける〔共通事項〕    (ア)音楽を特徴付けている要素、(イ)音楽の仕組み   
 
〔共通事項〕 本題材における具体の姿
(ア) 旋律  旋律の上行形「Dreams come true together」など
強弱  mp f クレシェンド デクレシェンド 
(イ) 反復  Cの部分の「Dreams come true together」の旋律の繰り返しなど
音楽の縦と横の関係  Bの部分の主旋律「雲は〜」と副次的な旋律「ルル〜」のかかわりなど
 
(4)題材の指導計画と評価規準
 
時間
学習内容及び学習活動
教師の指導・支援
評価規準と評価方法




「この星に生まれて」を歌い、曲の感じをつかむ。

 




「この星に生まれて」を正しい音程とリズムで歌えるようになる。


歌詞を朗読し、歌詞の内容を理解させ、イメージをもたせる。
範唱CDを聴かせ、美しい二部合唱へのあこがれの気持ちをもたせる。
ワークシートに曲の好きなところを書かせ、歌詞の内容や旋律の盛り上がりなど、音楽を形づくっている要素と関連付けて歌わせる。
リズム、旋律、反復などの音楽を特徴付けている要素や音楽の仕組みに着目するような音楽遊びを取り入れて「この星に生まれて」と結び付けて考えさせる。
グループごとに自分のパートを決めさせてオルガンで音をとりながら音程とリズムに気を付けてパート練習をさせる。
全体練習、パート練習、グループ練習を組み合わせて、自分のパートを正しい音程とリズムで歌うことができるようにする。
「この星に生まれて」をどんな思いで歌いたいのかワークシートに書かせ、思いや意図をもって表現の工夫をすることを告げる。
表現の工夫に生かすことができるように歌声の録音をしておく。


歌詞の内容を理解して楽しんで歌っている。
(評価規準ア)
【活動の観察・ワークシート】






 



意欲的にパート練習に取り組んでいる。
(評価規準ア)
【活動の観察】
自分のパートの音程やリズムを正しく歌うことができる。
(評価規準ウ)
【活動の観察】
「この星に生まれて」のA の部分の表現の工夫をする。

どんな思いを込めて歌うのか一人一人の意見を取り上げながら、学級の思いをまとめる。
A の部分は、一斉指導の中で教師が中心となって表現の工夫をする。
音楽を形づくっている要素を手掛かりにして表現を工夫することができることに気付かせ、その面白さを感じさせるようにする。
表現の工夫を付せんに書き表す方法を確認する。 
   
   
表現の工夫をする活動に興味をもって取り組んでいる。
(評価規準ア)
【活動の観察・ワークシート】
「この星に生まれて」のC の部分の表現の工夫をする。



 

C の部分は、グループの友達一緒に歌って試しながら表現の工夫をすることを知らせる。
どんな思いで歌いたいのか、どのように歌いたいのか、自分の考えを付せんに書かせ自分の考えをまとめさせる。
グループで、どんな思いでどのように歌いたいのかを出し合い、拡大楽譜に付せんを貼らせて、お互いの思いを共有させる。
表現の工夫をする際に、歌詞の内容や音楽を特徴付けている要素や音楽の仕組みを手掛かりに工夫するとよいことを確認する。
グループで歌って試しながら思いや意図をもって表現の工夫をさせる。
   
   
   
歌詞の内容、曲想を生かした表現を工夫し、どのように歌うかについて自分の考えや願い、意図をもっている。
(評価規準イ)
【発言内容・ワークシート】
グループの発表を聴いて意見交換する活動を通して、自分の表現の工夫を考える。


グループごとの思いや意図、工夫した根拠などを説明して発表させる。
友達の発表のよさを見つけたり、自分たちの表現の工夫と比べたりしながら聴かせる。
活動を通して自分が考えた表現の工夫をワークシートにまとめるよう指示する。
歌詞の内容、曲想を生かした表現を工夫し、どのように歌うかについて自分の考えや願い、意図をもっている。
(評価規準イ)
【発言内容・ワークシート】
「この星に生まれて」のBの部分の表現の工夫をする。









グループの発表を聴いて意見交換をする活動を通して、自分の表現の工夫を考える。
Bの部分も、グループの友達と一緒に歌って試しながら表現の工夫をすることを知らせる。
どんな思いで歌いたいのか、どのように歌いたいのか、自分の考えを付せんに書かせ、自分の考えをまとめさせる。
グループで、どんな思いでどのように歌いたいのかを出し合い、拡大楽譜に付せんを貼らせて、お互いの思いを共有させる。
表現の工夫をする際に、歌詞の内容や音楽を特徴付けている要素や音楽の仕組みを手掛かりに工夫するとよいことを確認する。
グループで歌って試しながら思いや意図をもって表現の工夫をさせる。
グループの発表を聴かせ、どんな工夫をしているか考えさせながら聴かせる。
友達の発表のよさを見つけたり、自分たちの表現の工夫と比べたりしたことを発言させる。
活動を通して自分が考えた表現の工夫をワークシートにまとめるよう指示する。 
   
   
   
   
   
   
   
歌詞の内容、曲想を生かした表現を工夫し、どのように歌うかについて自分の考えや願い、意図をもっている。
(評価規準イ)
【発言内容・ワークシート】
合唱の仕上げをする。
卒業式までの見通しをもつ。
グループで表現の工夫をしたことを生かして歌って試し、曲全体のまとまりを確かめる。
録音して3時間目に録音した歌声と比べ、表現の工夫ができたことを確認させる。
今後の合唱への意欲をもたせる。
 
表現の工夫をして、思いや意図をもって表情豊かに歌うことができる。
(評価規準ウ)
【活動の観察】
 

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最終更新日:2011-03-30