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食生活における確かな実践力をはぐくむ中学校家庭科の授業を提案します!

第3時の実践
 調理技術を含めた食生活の問題点を改善するための方法を考えよう

(1) 本時の目標
○問題点を整理し、調理を含めた自分の食生活に関心をもとうとする。【関心・意欲・態度 】
○様々な視点から自分の食生活を振り返り、気付きを改善するための方法を考えることができる。
   【工夫・創造】
(2) 本時の展開
学習活動
教師の指導・支援
評価とその支援




1 本時の課題を知る。
○調理技術を含めた食生活
  の問題点を改善するための
  方法を考えよう。
2 みそ汁の調理で、自分が考
   えていたようにできたかど
    うか、振り返って発表する。





・前時のワークシートNO.2から、感想
  等を紹介する。
 





3 ぺアでお互いの活動の気
  付きを付せんで伝え合う。

(生徒の気付き)
・準備が素早くできていた
・頼んだことをすぐにしてくれた
・大根の皮むきが上手だったよ
・もう少しテキパキと動けるよう
  になるといいんじゃないかな?


4 みそ汁の調理時の写真を見
   て、気付いたことを発表す
    る。

(生徒の気付き)
・調理台の上がきれいだなぁ
・ごみが多いなぁ
・ねぎが捨ててある・・・
・おはしの持ち方が変だなぁ
・ひじをついてるよ

5 自分の振り返りと友達の
    気付きを参考に、調理技術
    を含めた自分の食生活の
   問題点の改善したい所を
  整理し、ワークシートに記
    入する。





6 最も改善したい所をグルー
    プ内で発表し、お互いの改
    善のためにアドバイスを伝
    え合う。

(生徒の改善したい内容例)
・包丁使いが上手になりたいです
・野菜の皮むきができるように
 なりたい
・おいしいみそ汁を作りたいなあ
・嫌いな野菜を少しでも食べるこ
  とができるようになりたいなあ


7 友達のアドバイスを生かし、
  自分の問題点の改善方法を
    考え、ワークシートに記入
   する。

・お互いのよかったところと努力した方が
  良いと思われるアドバイスを付せん
  1枚ずつに記入して渡させる。







・プレゼンテーションソフトを用いて写真を
  提示しながら自由に発言させる。
・前回の調理後の各自のワークシートに
  出てこなかった、安全面、環境面等に気
  付けるような写真を提示する。
 
・各自が自分のこととして考えることがで
  きるように、個人を特定しにくい写真を
  選んでおく。


・第1時のワークシートや第2時の実習で
  の反省を確認させる。
・家庭で時間をかけて改善した方がよい
  技術的な問題点と、その他の問題点と
  に分けて書くように指示する。
・ワークシートの記入は、最も改善したい
  ものから順に記入させるようにする。実
  践化の見通しや解決の難易度を考慮さ
 せる。

・自分が最も改善をしたい内容をホワイ
  トボードに書き、グループ内で発表す
  る。
・ 発表を聞いて、友達が参考にでき
 るように、 改善のためのアドバイスを
  付せん(グリーン)に書き、相手に渡す。







・問題点の改善につながるような具体的
  な手立ての方法を考えて、記入するよう
  に指示する。
・調理を手際よく進めていた生徒を紹介
  し、その生徒にどのようなことを日ごろ
  行っているかを発表させる。
ワークシートNO.3(A4版3枚)
生徒のワークシートNO.3@




写真










生徒のワークシートNO.3
A−1

生徒のワークシートNO.3
A−2

【関心・意欲・態度】
調理を含めた自分の食生活に関心をもち、問題点を整理しようとしている。
   (ワークシート)




生徒のワークシートNO.3B
【工夫・創造】
さまざまな視点から自分の食生活を振り返り、気付きを改善するための方法を考えることができる。 (ワークシート)
評価



8 これまでの学習内容を確認
   しながら学習を振り返り、
   ワークシートに記入する。



9 次時の学習内容を知る。
・今後、家庭で改善のための実践ができ
  たら、その都度、ワークシートに記入す
  ることを確認する。また、次時以降の食
  生活の学習でも実践を行い、同様にワ
  ークシートに記入することを確認する。

・次時は、問題点の改善のための手段と
  して、食事の重要性を学ぶことを伝え
  る。
生徒の感想C-1
生徒の感想C-2
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(3) 授業の実際と指導のポイント
学習活動3
 ぺアでお互いの活動の気付きを伝え合う。
学習活動4
 みそ汁の調理時の写真を見て、気付いたことを発表する。
○指導のポイント・・・気付きをペアや全体で出し合わせる
 ペアの相手からもらった付せんや活動の様子の写真での気付きを通して、自分の問題点を客観的に振り返えられるようにしました。この学習活動では、自分では意識していなかった点に気付くことができたようでした。
学習活動5
 自分の振り返りと友達の気付きを参考に、調理技術を含めた自分の食生活における問題点で、改善し たいところを整理し、ワークシートに記入する。
○指導のポイント・・・最も改善したい内容から順に記入させる
 これまでに気付いた様々な問題点について、改善の必要性を考えさせながら記入させました。実践化の機会や調理技術の習得の難易度などを踏まえて、自分なりに改善の方向性を考えることができました。
学習活動7
 友達のアドバイスを生かし、自分の問題点の改善方法を考え、ワークシートに記入する。
○指導のポイント・・・「改善方法を考える際に、友だちのアドバイスを参考にさせる
 半数ほどの生徒は自分で改善方法を選ぶことができていましたが、具体的な方法が書けない生徒もいました。調理の際に手際よく作業を行っていた生徒にその秘訣(調理のポイント、家での実践)を発表させることで、多くの生徒が解決方法を書くことができました。
学習活動8
 これまでの学習内容を確認し、学習を振り返り、評価シートを書く。
○指導のポイント・・・問題点の改善のための実践ができたら、ワークシートに記録させておく
  多くの生徒が家庭での実践を問題点の解決方法に挙げていました。実践化を進めるためにも記録を残しておくことが大切だと考えました。また、記録の内容と今後の家庭分野の授業内容と照らし合わせた上で、教師が確認しする視点や、称賛などの声掛けを行う材料にもなると考えます。
(4) 授業後の考察

第3時は、これまでの気付きを自分の問題点としてとらえ、その問題点の解決方法の見通しをもたせるようにしました。生徒がこれまでの学習でとらえていた問題点は、調理技術や偏食など自分だけの気付きによるものがほとんどでした。本時ではペアでお互いに気付きを出し合わせたり、活動の様子などの写真を基に気付かせたりしたことで、様々な視点から自分の問題点を意識することができました。
  問題点の解決を見通す過程では、生徒どうしのアドバイスの交換や調理技術の高い生徒の話を聞かせました。そのため、家庭での実践やこれからの食生活の学習の中での解決を考えることができ、先を見通した学習を進めさせることができました。

 この後の学習では、問題点の中にあった食事の偏りなどから、よりよい食事の在り方について考えさせていきます。また、第2時の学習の振り返りの中にあったいくつかの食材に関する感想やみそ汁の調理での気付きを利用し、材料や季節の食品、栄養の学習を進めていくようにします。
          ※ 具体的な生徒の問題点と食生活の学習(1学年)でのかかわりについては下の一覧をご覧ください。

今後の主な学習内容とその学習にかかわる生徒の問題点
             学習内容      生徒の問題点に挙げられた内容
1 栄養や食品について学ぼう
健康に過ごすための5か条をつくろう 食事の偏り(栄養)
5か条を満たすための方法を考えよう 食事の偏り(栄養)
私のオススメジャムにチャレンジ! 包丁の使い方、調理法(火加減、安全、衛生)
オススメジャムと市販品を比べてみよう 食材(栄養、品質)
表示からこんなことが分かったよ 食材(栄養、品質、価格)
2 献立を考えよう
給食献立から献立について探ってみよう 食材(栄養、季節、概量)
地域や季節の食材について考えよう 食材(栄養、季節、地域の食材)
我が町をPRする、オススメ献立を考えてみよう 食材(栄養、季節、地域の食文化)、調理法(火加減、安全、衛生
自分の課題を解決できるような1日分の献立を考えてみよう 食事の偏り(栄養)、食材(栄養、季節)
3 学習を振り返ってみよう
調理をして取り組みを確かめよう 食事の偏り、食材、包丁の使い方、調理法
自分の課題を見直してみよう 食事の偏り、食材

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最終更新日:2010-03-06