▲上へ

食生活における確かな実践力をはぐくむ中学校家庭科の授業を提案します!

第2時の実践
 ペアで協力しておいしいみそ汁のポイントを探ろう

(1) 本時の目標
○みそ汁の調理に意欲的に参加し、ペアで協力して作業しようとする。【関心・意欲・態度@】
○みそ汁の調理における技術面を中心とした食生活の問題点に気付き、関心をもとうとする。【関心・意欲・態度A】
(2) 本時の展開
 
     学習活動
     教師の指導・支援
   評価・資料
課題の把握
1 本時の課題を知る。
○ペアで協力しておいしい
  みそ汁のポイントを探ろう
  
2 本時の見通しをもつ。





・調理室の使い方について、今後の実習
  がスムーズにできるようにきちんと説明
  をし、安全面や衛生面に気を付けて、作
  業ができるように配慮する。
・みそ汁の作り方については、説明はしな
  い。
 


課題解決
3 ペアで調理実習を行う。
 ・手順や分担を確認する。
 ・調理をする。


  ・試食をする。





・後片付けをする。

・制限時間30分以内に仕上がるように、
  手順を再度確認させる。
・机間指導により、各ペアの進度を調整す
  る。
・調理台や流し、作業の様子などを随時、
  写真に収めておき、次時の資料と して利
  用できるようにする。
・調理の途中に気付きがあっても、指導は
  極力控える。



・みそ汁が出来上がったペアからで試食
 をさせる。
・試食の様子や後片付けも写真に収め、
  次時の資料に利用する。


・食器や器具の片付ける場所や個数の確
  認表を使い、きちんと確認をさせる。


【関心・意欲・態度@】 
みそ汁の調理に意欲的に参加をし、ペアで協力して作業を行おうとしている。(観察)
「野菜の切り方」プリント







評価
・実践化

4 調理実習の振り返り、ワーク
    シートを記入する。






5 次時の学習内容を知る。
・自分たちの立てた調理計画を振り返りな
 がら、気付いたことを記入させる。
・ワークシートは、次時で利用するので、気
  付きをきちんと書かせておく。




・本時の調理実習の気付きや前時の食生
  活の振り返りから、食生活の問題点を改
  善するための方法を考えることを伝える。
ワークシートNO.2
生徒のワークシートNO.2@
生徒のワークシートNO.2A
【関心・意欲・態度A】
前時に立てた調理計画を基に自分の問題点を見付けようとしている。
       (ワークシート)

全体計画へ    第1時へ     第3時へ
(3) 授業の実際と指導のポイント
学習活動3
 調理実習を行う。
○指導のポイント・・・安全面にかかわること以外でのアドバイスを控える
 自分たちで問題点に気付かせたいというねらいから、教師のアドバイスを控えるようにしました。教師の助言や手助けがないことで、生徒たちは様々な課題に直面しながら作業を進めていました。

○指導のポイント・・・気付かせたい問題点を写真に記録する
 作業の様子を観察しながら、生徒に気付かせたい問題点を写真で記録しました。調理台や流しの状態など、調理技術だけでなく安全面や衛生面に関することについても撮影しました。この写真は第3時目の学習で活用します。
学習活動4
 調理実習を振り返り、ワークシートに記入する。
○指導のポイント・・・調理計画を基にして調理実習を振り返らせる。
 前時に立てた調理計画を基にして、調理実習の気付きをワークシートに記入させることで、調理に関する知識や調理技術、手際のよさなどに着目した振り返りを行わせることができました。また、ワークシートに自己評価を行う部分を設けて、自分自身と向き合う時間を取るようにしました。生徒の調理の知識及び技術に多くの課題が見つかり、今後の教師の指導が予想以上に必要だということが分かりました。ただ、調理時間がかかりすぎたことについては生徒も気付いており、自分の問題としてとらえていたことから見ると、大切な経験だったと考えます。
(4) 授業後の考察
 本時は、小学校で学習しているみそ汁の調理を行いました。学習したことが身に付いていないことを、多くの生徒が実感できた良い機会だったと考えます。振り返りでは、調理の順序や食材についての知識が足りないこと、調理器具の使い方や火加減などの調理の技術に関すること、準備や片付けなど手際の良さに関することなどが問題点として挙げられていました。実際に調理を行った上で自らの問題点に気付かせるようにしたことで、より具体的な問題点としてとらえることができたのではないかと思います。改めて今回のような実践の必要性を感じました。
 既習のみそ汁の調理にもかかわらず、予想以上に時間がかかり、ほとんどのペアの調理時間が30分を超えました。調理は繰り返して行う必要があることを強く感じました。また、家で調理実践を行っている生徒は手際も良く、(家で学んだと思われる)教科書には書かれていない作り方をする生徒も何人かいました。このような生徒の姿をうまく紹介することで効果的に調理の実践を促すことができると思いました。


Copyright(C) 2009 SAGA Prefectural Education Center. All Rights Reserved.
最終更新日: 2010-03-24