○ 学習指導案    小学校第6学年 「 体育科 」

1 単元名 「跳び箱運動」(平成15年10月実施,29名)
        〜動画を使って自己評価が簡単にできる跳び箱運動〜
授業実践者:江頭 則男授業実践者へのメールはこちらから

2 運動の特性
(1)


(2)



この運動の楽しさ
 今できる跳びこし方を繰り返したり、条件を変えて楽しんだり、新しい跳びこし方に挑戦して楽しむ運動である。
子どもたちの実態
・ 子どもたちは、いろいろな技ができることやきちんとできるようになることに関心
 を持っている。
・ 持ち技数には、個人差があり、倒立回転系の技ができる子は多くない。
・ 「痛い」「なかなかできるようにならない」などの理由から学習に対して消極的な
 子どもが数名いる。

3 運動の学び方
・ ほとんどの子どもが、学習資料から技名をめあてとして決めている。
・ つまずきの解決方法は、友達同士教えあうことが多く、資料をみる子もいるが、教
 師に聞きに来る子もいる。
・ できたかどうかは子どもが相互に評価しているが、教師に頼る子も2割ほどいる。
・ 教えあいは、仲の良い友達とすることを好み、してみせることが多い。

4 教師の授業への意図
・ 主体的な学習に導くために、単元の初めは限定した場を設定する。
・ できる技のできばえを高める学習では、高さより、踏み切り位置に注目させる。
・ 主体的な学習を促すために学習資料を準備する。
・ 跳び箱運動の導入に当たっては、技のイメージ作りに、技の紹介ビデオ・小学校
 マルチアングル器械運動(とび箱運動編)
やホームページを利用する。(「子どもと
 先生のための器械運動の指導のコツ
」)<URL http://plaza10.mbn.or.jp/~taiiku/>
・ つまずき解決の一助として、パソコンを体育館に持ち込み、常時CD−ROMや「子ど
 もと先生のための器械運動の指導のコツ」を見ることができるようにし、参考にさせ
 る。
・ 自己評価を簡単にするため、MPEG Encoderで、デジタルビデオの画像を処理し、
 すぐにパソコンで見ることができるようにする。

 単元における情報通信ネットワークの活用について
(1)  跳箱運動の導入に当たっては、コンピュータで技のイメージ作りをするために、技の紹介ビデオ・小学校マルチアングル器械運動(とび箱運動編)やホームページ(「子どもと先生のための器械運動の指導のコツ」)を利用する。そのことにより、跳び箱運動への興味・関心を喚起する。
(2)  個人の課題(めあて)を追求したり、つまずきを解決したりするために適宜コンピュータを操作し、CD-ROMやホームページを参考にさせる。
(3)  個人での自己評価が難しい技に対しては、MPEG Encoderを利用し、デジタルビデオカメラの映像をコンピュータで観察することにより、自己評価をさせるようにする。

6 単元の目標
(1)  今できる跳びこし方を繰り返したり、条件を変えて楽しんだり、新しい跳びこし方に挑戦して楽しむことができる。
(2)  めあてを達成するため、インターネットやメディアから情報を収集し、つまずき解決に役だてることができる。
(3)  動画を見ながら自己評価ができる。

7 単元の計画
 (全7時間)

はじめ  
めあて1 今できる跳びこし方を繰り返したり、条件を変えて楽しんだりす
     る。
めあて2 もう少しでできそうな跳びこし方に挑戦して楽しむ。  
まとめ 

8 本時の学習指導 
(6/7) 場所:体育館 時間:5校時
 (1)目標
   ○ 今できる跳びこし方を繰り返したり、条件を変えて楽しんだり、新しい跳びこ
    し方に挑戦して楽しむことができる。
   
 (2)利用環境
   <本校の環境>
    ○主なハードウエア・NEC PC-MA70(ディスクトップ)20台
             ・NEC VersaPro2台 OmniBook XE3 1台(ノートパソコン)
    ○周辺機器    ・デジタルビデオカメラMPEG Encoder

    ○主なソフトウエア・インターネットエクスプローラー、Media Player7・9
             ・小学校マルチアングル器械運動(跳び箱運動編)
    ○使用OS     ・Windows Me、XP

 (3)展開

じめ
○ 学習のねらいと道すじを理解し、学習の見通しを持つ。
 ・技の紹介ビデオや小学校マルチアングル器械運動をみて、いろいろな技を知る。
 ・学習の進め方を知る。(めあての持ち方、学習カードの使い方、場の作り方1
  使い方)
 ・今できる跳びこし方を確かめる。
 ・準備運動をする。
学習活動 教師の指導と支援(※評価)
な     か
めあて1
 今できる跳びこし方を繰り返した
 り、条件を変えて楽しんだりする。
 めあての確認をする。
 
 活動する。
<活動例>
 ・ 開脚跳び、かかえ込み跳び
踏み切り位
置を
離す
1/2ひねり 1/4ひねり
 ・ かかえ込み跳び
1段高い跳び
箱で
遠くに着地
する
 ・ 台上前転
※ひざを伸ばした大きな台上前転は、首はねとびなどにつながりやすい。
大きく回る
 反省をする。

評価 ・技のできばえを高めること
    ができたか。
 


 自分に合っためあてを立てていない子どもに指導する。
 意欲的に学習しているか観察し、指導する。
 ・ めあてに沿った活動をしているか。
 ・ 何度も繰り返して練習しているか。
 ・ 教えあいや助け合いができている
  か。
※頭のつく場所を教えているところ
 つまずいている子どもに指導・支援をする。
 ・ 技術のポイントをつかんでいるか。
 ・ つきはなしを強くしているか。
 反省がうまくできていない子どもに指導する。
動画を取り込む見学者
 
な   か
めあて2
 もう少しでできそうな跳びこし方
 に挑戦して楽しむ。
 めあての確認をする。
 活動する。
<活動例>
 ・ かかえ込み跳び
マットでの練習 補助を入れた練習
 ・ 頭はねとび
はねる練習 補助を入れた練習
 ・ 学習カードに記入したり、シールを
  貼ったりする。
 反省する。

評価 ・「技の診断ポイント」を満た
    すことができたか。
 自分に合っためあてを立てていない子どもに指導する。
 意欲的に学習しているか観察し、指導する。
 ・ めあてに沿った活動をしているか。
 ・ 何度も繰り返して練習しているか。
 ・ 教えあいや助け合いができている
  か。
 つまずいている子どもに指導・支援をする。
 ・ 技術のポイントをつかんでいるか。
 ・ 強く踏み切っているか。
 ・ 着手の位置はよいか。
 ・ 手のつきはなしを強くしているか。
 ・ 膝を曲げてやわらかく着地している
  か。
※CD−ROMやホームページを利用できる  ようノートパソコンの用意をしておく。  
 反省がうまくできていない子どもに指導する。
動画を見て自己評価をする
まとめ
 学習のまとめをする。(ふりかえり)
・ 跳び箱運動を楽しくできたか。  ・ 技能の高まりはあったか。
・ 教え合ったり、協力し合ったりして学習できたか。

 (4)資料(ダウンロードできます)
跳び箱運動系統表(PDF) 跳び箱運動系統表(Word)
学習カード1(PDF) 学習カード7(PDF)
学習カード2(PDF) 学習カード8(PDF)
学習カード3(PDF) 学習カード9(PDF)
学習カード4(PDF) 学習カード10(PDF)
学習カード5(PDF) 学習カード11(PDF)
学習カード6(PDF) 学習カード12(PDF)
学習カード13(PDF) 学習カード13(Word)
学習の進め方(Word) 跳び箱運動指導案(Word)
学習カード1〜12まで一括ダウンロード(PDF)

9 児童の感想
(1)  技のイメージ作りに、CD-ROMやホームページはすごく役に立った。
(2)  気をつけるところや技のポイントを意識しやすくなった。 
(3)  難しい技などの自己評価に動画を見ることができたので分かりやすかった。
10 授業を終えて
     (1)  今までも、ビデオカメラを使った自己評価は行われてきたが、数人を一度に撮った場合に自分の映像を探すのに時間がかかるという難点があった。しかし、今回のMPEG Encoderを使用した動画の取り込みは、児童にとっても操作が簡単であり、MPEG1の画像でクリップファイル1としてパソコンに保存される。そのため、すぐに再生できるので自己評価しやすい環境を作り出すことができた。      
(2)  また、導入期において、技の紹介ビデオやCD-ROMやホームページなどのマルチメディアを利用した技のイメージ作りは効果的であった。
(3)  単元途中での、つまづき解決のためのパソコンの使用(3台)は、検索などに時間がかかるということもあり、あまり児童は、利用していなかった。また、準備の面からも大変であるため、パソコン1台・ビデオカメラ・MPEG Encoderだけでもいいのではないかと考える。