どのように取り組む?中学校技術・家庭科、高等学校家庭科における「食育」指導

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○ 家庭科における「食育」指導

「食育」と「食に関する指導」
 



文部科学省「食育基本法」前文より(平成17年1月)   「生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けるとともに、様々な経験を通じて「食」に関する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる。」とあります。さらに、「子どもたちに対する食育は、心身の成長及び人格の形成に大きな影響を及ぼし、生涯にわたって健全な心と身体を培い豊かな人間性をはぐくんでいく基礎となるものである。」と位置付けられています。






中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(答申)より(平成20年1月)   「学校教育においても、子どもたちの生活や学習の基盤としての食に関する指導の充実が求められている。」さらに、「食育という概念を明確に位置付け、発達の段階を踏まえつつ、各学年を通して一貫した取組を推進するとともに、給食の時間や家庭科、技術・家庭科などの関連する教科等において、食に関する指導の内容の充実を図り、学校の教育活動全体で取り組むことが重要である。」 とあります。
文部科学省「食に関する指導の手引き」より(平成19年3月) 「関連教科等における食に関する指導を体系付け、学校教育全体を通じて総合的に推進することを、『学校における食育を推進すること』とします。」とし、各教科等の学習指導要領での食に関する指導の位置付けを明確にすることが求められています。

以上のことから、家庭科における「食に関する指導」を充実させることにより、「食育」に取り組んでいこうと考えました。

食育における家庭科の役割
 

様々な場面(教科・領域・給食の時間など)で学習した栄養や調理・食文化等に関する内容が、家庭科の学習を通して、1人の生徒の中でつながるように意識し、体系化を図ることが求められています。特に、調理実習などの体験活動を通して、よりよい食生活を工夫しようとする実践的な態度を育成する必要があります。

また、「食に関する指導」における教科としての特長は、
@ 学習内容が学習指導要領として法的に保証されている。
A 小・中・高の発達段階を踏まえたものである。
B 教科書がある。
                   等が挙げられます。

家庭科の「食に関する指導」について

 

「中学校学習指導要領解説 技術・家庭科編」(平成20年8月)及び「高等学校学習指導要領案」(平成20年12月)では、家庭科の「食に関する指導」の目標や配慮事項として以下の内容が挙げられています。
  (1) 中学校技術・家庭科(家庭分野)

   日常食の献立作成や調理などに関する実践的・体験的な学習活動を通して、中学生の栄養と調理

  についての基礎的・基本的な知識及び技術を習得するとともに地域の食文化について関心と理解を

  深め、これからの生活を展望して、課題をもって食生活をよりよくしようとする能力と態度を育てる。

   ・ 「食に関する指導」については、技術・家庭科の特質(食生活を家庭生活の中で総合的にとらえて

      いる)に応じて、食育の充実に資するよう配慮する。

   ・ 家庭や地域との連携を図りながら健康で安全な食生活を実践するための基礎が培われるように配

      慮する。

(2) 高等学校家庭科(家庭基礎)
     健康で安全な食生活を営むために必要な栄養、食品、調理及び食品衛生などの基礎的・基本的な

   知識・技術を習得させ、生涯を見通した食生活を営むことができるようにする。

   ・ 実験・実習を中心とした指導を行うこと。

   ・ 栄養、食品、調理及び食品衛生との関連を図って扱うようにすること。

    
  ≪参考資料≫
 

・ 岡 陽子 「技術・家庭科における食育の推進(2)」『中等教育資料』 文部科学省 平成19年4月


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最終更新日: 2009-03-26