どのように取り組む?中学校技術・家庭科、高等学校家庭科における「食育」指導 |
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○ 研究のテーマとテーマ設定の趣旨 |
1 | 研究テーマ |
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中学校技術・家庭科(家庭分野)、高等学校家庭科(家庭基礎)における「食育」指導の研究 |
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2 | テーマ設定の趣旨 |
○子どもを取り巻く「食」に関する動き | |
近年の子どもを取り巻く「食」に関する環境の変化に伴い、平成17年7月に施行された「食育基本法」では、国民運動として、食育の推進に取り組んでいくことが求められました。さらに、平成18年3月には「食育基本法」に基づいて「食育推進基本計画」が策定されました。佐賀県でも小・中学生を対象とした平成17年度の「食生活等実態調査結果」によると、学年があがるにつれて朝食摂食率が低下し、食事内容について見ると、主食だけ、あるいは主食に飲み物という簡単なもので済ませる子どもが2〜3人に1人の割合でいるという結果が報告されています。平成20年1月の中教審の答申では、「近年、子どもたちに偏った栄養摂取、朝食欠食等の食生活の乱れや肥満傾向の増大などが見られ、食生活の乱れが生活習慣病を引きおこす一因であることも懸念されており」1)と述べられており、食に関する指導の充実を図ることが求められています。 |
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○本教育センターにおける「食育」プロジェクト研究 |
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本教育センターにおいては、平成18年度の「食育」プロジェクト研究で、子どもたちの豊かでたくましい心身の発達を支える上での基礎となる「食べる力」の育成に取り組みました。ここでは、食に関する指導についての理論的な研究を行い、「食育」で身に付けたい力を「食べる力」(下段参照)として示しました。また、「食べる力」をはぐくむために、特別活動、道徳の時間、総合的な学習の時間において学級担任が中心となって1〜2時間程度で取り組むことができる題材を提案しました。 | |
○「食育」プロジェクト研究における「食べる力」と家庭科の学習目標とのかかわり | |
「食育」プロジェクト研究では、「食べる力」を、目指す子どもの姿として (心身の健康、食品を選択する能力) これらは、いずれも中学校技術・家庭科(家庭分野)、高等学校家庭科(家庭基礎)(※以下、家庭科と示す)の食生活の学習目標と重なる部分が多くあります。平成20年3月に公示された中学校学習指導要領においても、第8節技術・家庭(家庭分野)の内容の取り扱いにおいて、「食に関する指導については、技術・家庭科の特質に応じて、食育の充実に資するよう配慮すること」と示されています。また、前述の中教審答申の中で、高等学校普通教科「家庭」においても食育の推進に関する内容を重視することが求められています。 |
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○本研究の目的 | |
本研究では、特に「食育」プロジェクト研究における「食べる力」の「A自分の健康を考えて、安全な食べ物を栄養バランスよく食べることができる」、に重点をおいて研究を進めました。「食べる力」を指導計画の中に具体的に位置付け、安全な食品の選択やバランスの取れた食事の整え方などの学習事項を定着させるために調査・観察・実験・実習などの実践的・体験的な学習活動を充実させました。また、自分の健康を考え、学んだことを自分の生活に生かすことができる実践力を高めるために家庭や地域での実践等の学習を指導計画の中に効果的に取り入れました。このような手立てにより、家庭科における「食育」指導の在り方を提案していきたいと考えました。 | |
3 | |
(1)家庭科における「食に関する指導」についての理論研究 研究紀要や文献等により、家庭科の目標や指導内容と「食べる力」との関連を明らかにし、家庭科における「食に関する指導」についての理論研究を行いました。 (2)題材の工夫 「自分の健康を考えて、安全な食べ物を栄養バランスよく食べることができる」生徒を育てるために以下の点について検討し、題材を設定しました(図1)。 <図1 研究の構想> (3)中学校・高等学校における授業研究 「食べる力」の視点を位置付けた題材における授業を実践し、指導展開や教材・教具について工夫しました。
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≪引用文献≫ |
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1) 中央教育審議会 『幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善 |
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≪参考文献≫ |
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・ 文部科学省 『高等学校学習指導要領案』 平成20年12月
・ 文部科学省 『中学校学習指導要領解説 技術・家庭科編』 平成20年8月 ・ 文部科学省 『小学校学習指導要領解説 家庭科編』 平成20年7月 |
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