4技能「聞く・話す・読む・書く」を関連付けた中学校英語科学習指導の工夫

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 ○ 「書くこと」を日常の授業の中に組み入れた取り組み
 
「書くこと」を日常化するための取り組み
 
 

伊東(2007)は、「書く活動」について、何か活動した後、絶えずライティングを行い、それを日常化しておくことが大切だと述べている。これによって、生徒は「書くこと」にあまり抵抗もなく、慣れ、親しみ、意欲をもって「書く活動」に取り組むことができるとも述べている。このことを踏まえ、「書くこと」を日常化するための取り組みとして、ライティングノートを取り入れることとした。佐賀県内の中学校英語科の授業においても、このライティングノートは、「3分間ノート」や「Bノート」などの名称で取り入れられている。本研究では、そのノートの使い方について、(1)に示したように工夫した。また、その他にも週末課題作文などの「書くこと」を日常化するための取り組みを行なった。
  

 
(1) ライティングノート(3分間ノート)の取り入れ
 
 授業用ノートとは別に「英語ライティングノート」を準備させる。毎時間必ずそのノートを用いる活動時間を設ける。帯学習とする必要はない。例えば、新出単語を学習したとき、基本文を学習したとき、並べ替えの学習に取り組んだときなど、英語を書く活動のときには「英語ライティングノート」を使う。授業用ノートは、その単元の予習、授業の記録、復習用に使わせる。
 
 ライティングノートを回収するのは適宜だが、添削が必要な場合もあるので、できるだけ授業時間内で集めて、次回に返却する方が望ましい。ALTに添削してもらうことも可能である。
 
 ライティングノートはA4サイズのノートを3等分(2等分でもよい)し、生徒に配布する。ひもを付けて渡すと保管もしやすい。                                                                  
 
(2) 「週末課題作文」課題の導入(自己表現活動)
 

授業時間内での英語を使って書く活動以外に、自己表現力を高めるために週末に「週末課題作文」を課すことを試みた。この課題はライティングノートに記入させても、ワークシートに記入させてもよい。内容は教科書の指導過程に沿ったもので、「自己表現」を取り入れたものとする。「週末課題作文」は必ず、教師(ALTを含む)が添削を行い、課題が返却されたら、ライティングノートの別ページかワークシートの裏に生徒が添削された英文を写すように指導する。課題は手紙、日記、4こま漫画のセリフなどが考えられる。また、生徒のやる気を喚起するためにも、よくできている作品の紹介をすることも必要だと思われる。

実際に生徒が書いた「週末課題作文」はこちら
  

 
(3) 辞書の活用と表現集の準備
 
 授業時間に一度は辞書を使わせるように心掛ける。教室に和英辞典、英和辞典を生徒の人数分、常に用意しておく。
 
 「週末課題作文」は、英語が苦手とする生徒が苦にならないように絵や英語表現集を配布した方がよい。「Let's Talk」も参考となる。
 
 
    本研究1年次の研究目標である「自分の意見や考えを表現する力を身に付けるために、その基礎となる単語(音と文字のつながり)、文型の定着を図る」こととの関連で、これらの「書くこと」を日常化するための手立てを日々の授業の中に組み入れて取り組んできた。
  
 
参考文献
   
 伊東 治己編著 「コミュニケーションのための4技能の指導」 2007年 教育出版
 

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最終更新日: 2009-03-18