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4技能「聞く・話す・読む・書く」を関連付けた中学校英語科学習指導の工夫

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○ 研究の趣旨

研究テーマ
 

 

4技能「聞く・話す・読む・書く」を関連付けた中学校英語科学習指導の工夫

研究テーマ設定の趣旨
 

生徒を取り巻く状況

現在、生徒たちは日常的に英語に触れる時代に生きている。例えば、新聞やテレビなどのメディアやインターネットを通して、あるいは小学校での英語活動を通して英語と接する機会が増えてきている。しかし、実際に英語を使って相手とコミュニケーションを図るとなると、苦手意識が働く生徒が多いようである。

平成19年度佐賀県小・中学校学習状況調査より見えてきたもの

平成19年度佐賀県小・中学校学習状況調査における中学校英語科の結果を見ると、全体的には県が示した「おおむね達成」の到達基準に達していた。しかし、同調査による中学校の生徒意識調査を見ると、学年が上がるにつれて、「授業が分かる」「授業が楽しい」と回答した生徒の割合が低くなる傾向にあり、その傾向は英語科において特に顕著であった。その主な原因として、学年が上がるにつれて学習する英単語数が増加することや文法などの難易度が上がることに、生徒が十分に対応できていないことが考えられる。このことは、英語科が抱える課題であり、週に数時間という時間の中で行う言語習得の学習に特有の課題であるとも言える。このことが英語を使うことへの苦手意識の一因になっているのではないかと考えられる。

新学習指導要領に求められているもの

現行の中学校学習指導要領では「外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎を養う。」(下線は筆者)という教科目標が示されており、学校現場では、「聞く」「話す」ことを重視した指導が行われてきた。上述した佐賀県小・中学校学習状況調査の教師意識調査でも、音声によるやり取りに重点を置いた指導がなされてきたことが分かっている。しかし、英語によるコミュニケーションを成立させるためには、音声だけではなく、文字による伝達も重要であり、「聞く」「話す」とともに「読む」「書く」の指導も重視し、これら4つの技能をバランスよく指導していく必要がある。平成20年3月に告示された新学習指導要領では、中学校外国語科の教科目標として「外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う。」(下線は筆者)ことが明記された。このことからも、現行の「聞くことや話すことなどの実践的コミュニケーション能力の基礎」から、「聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎」と育成すべき能力の対象に修正が加わったことが分かる。また、これからの生徒にとって必要な英語学習を考えた場合、中学校段階で、相手の意向を理解し、自分の考えを伝える能力をはぐくむことを目標に、「聞く・話す・読む・書く」の4技能を関連付けた言語活動の充実を図ることがこれまで以上に重要になると考えられる。

本研究の趣旨

本研究では、英語を聞いて相手の意向を理解し、自分の考えや気持ちを相手に正しく伝えるために、音声や文字を使って、つまり4技能である「聞く・話す・読む・書く」ことを駆使しながら、情報のやり取りをしていく生徒の育成を目指した英語科学習指導についての研究を進める。具体的には、4技能の効果的な関連付けの方法や言語活動例における位置付け方を明らかにして、授業実践を通して検証を進めたい。このことにより、相手が表現した英語を聞いたり、読んだりすること、そして自分のことを相手に英語で話したり、書いたりして表現することを通して、互いの理解が深まり、相乗効果として、4技能の向上が期待できる。また、これまでの言語活動では、単元で学習する文法事項に限定した活動や、「買い物」や「道案内」などの言語の使用場面ごと、あるいは「謝る」や「依頼する」など言語の働きに重点を置いた指導が多かった。そこで、これらのことを基に、更に効果的な学習指導を行うためには、これまでの従来の言語活動に加えて、複数の単元で学習した文法事項や表現事項を総合的に活用する言語活動を工夫することが必要と考える。上述した理由により、本研究では、単元間のつながりも考慮して、授業の中に「聞く・話す・読む・書く」ことの4技能を関連付けた言語活動を取り入れることで、英語科の教科目標である「聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎」を養う英語科学習指導について提案したい。

研究の内容と方法

 

 

 
(1)
研究の内容 
4技能を関連付けた指導法に関する理論研究
単元間の系統性を踏まえ、4技能を関連付けた言語活動例の作成
4技能を関連付けた言語活動を取り入れた授業の実践とその検証
4技能を関連付けた指導法に関する研究のまとめ
     
(2)
研究の方法
先行研究や専門書などの文献により、4技能を関連付けた指導法についての理論研究を行う。
単元間の系統性を踏まえ、4技能を関連付けた言語活動例を作成する。
4技能を関連付けた言語活動を取り入れた検証授業を行い、関連付けの有効性について分析する。
4技能を関連付けた指導法に関する研究の成果と課題を検討する。
 
参考URL
 

 《参考資料》

  ・佐賀県教育委員会 「平成19年度佐賀県小・中学校学習状況調査 Web報告書」2008年3月

              


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最終更新日: 2009-03-18