問題解決の力をはぐくむ生活科・総合的な学習の時間−言語の活用を重視した学習活動を通して− |
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3 研究の成果と課題 |
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1 | 成果 |
【生活科】 (1) 学習内容のねらいに迫る上で大切にしたい活動を言語化して意識させることにより、児童は、学習内容の ねらいを意識して活動し、情意的な側面に偏ることなく振り返りをすることができたと思います。
(2) 児童が学習で使う材料・道具・作業を文字言語で示すことによって、振り返って気付いたことを具体的な言 葉で学習カードに記入したり交流したりすることができました。また、「気付き」を自覚し、自分の活動や体験を 整理して順序立てて考え、次の活動のめあてを考えたり、そのために必要な準備を考えたりするなど、見通し をもって主体的に活動する姿が見られました。 |
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【総合的な学習の時間】 問題とその原因を意識するようになりました。体験活動の目的が明確になり、意識的に言語化し収集した情 報から問題の解決のための策を見出し、試行錯誤を続けながら願いの実現に向けて行動しようとする意識 も高まりました。 (2) 検討会を定期的に位置付け、友達がもつ異なる視点から検討したり、自分の活動を自分で振り返ったり することで、物事や自分を見つめる力がはぐくまれてきました。また、補い合って問題の解決へ結びつけたり、 必要に応じて活動を見直し、修正したりするようになってきました。活動を振り返る中で、達成感や自己有用 感をもつこともできました。
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2 | 課題
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【生活科】 と思います。学習指導において言葉を大切にするということは、その言葉が児童自身の言葉として紡ぎ出される ことが大切であり、それを教師が指導・支援する過程を生かして授業づくりをしなければならないと思いました。
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【総合的な学習の時間】 今回の単元では、言語化と討論を位置付け、特に国語科と具体的な関連を図りながら学習を進めました。他 にも、道徳の学習で問題意識を強くし、理科の観察、算数の比例の計算において実感を伴いながら、児童は学 んできました。内容の関連を図るだけでなく、身に付けさせたい力まで具体的に立てておくと、効果が更に期待 できると考えます。総合的な学習の時間が各教科等との関連を深くし、実感を伴った学習の充実を図っていくこ とは、今後、 求められる課題だと思います。 |
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3 | まとめ |
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以上の成果と課題を踏まえ、学習過程に言語の活用を重視した言語活動を位置付けることは、気付きや考え の質を高め、児童の主体的な活動を促し、生活科と総合的な学習の時間のそれぞれにおいて目指す問題解決 の力をはぐくむ上で一定の成果が見られました。 しかし、気付きや思考を単に音声や文字で表現させることを児童に求めるのではなく、児童の願いや感動に根 差した表現であることが大切であることを実感しました。充実した体験が言語活動を促し、更に体験が充実するよ うな授業づくりを基本に、体験と知を結ぶ学習指導の在り方を考えていきたいと思います。 |
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最終更新日: 2009-03-24 |