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確かな学力をはぐくむ社会科学習の在り方研究委員会

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○これまでの研究成果と課題
 
これまでの研究
 

児童生徒に「社会についての見方・考え方」を指導する場面において、かぎとなる言葉が、「目指す社会」である。この「目指す社会」を意識させながら、判断させることを通して、社会的な価値まではっきり意識した見方・考え方を養い、社会科における確かな学力をはぐくむことができるように研究を進めてきた。その中で、以下のような成果と課題が見られた。
 

成果
 児童生徒が「目指す社会」を意識して、考え判断をすることができるような場を設定することより、社会的な価値を意識して社会的事象の特色や事象間の関連を説明する姿が見られるようになった。

 

小学校3年生から中学校3年生までの児童生徒の発達段階により、それぞれ、認識することができる「目指す社会」の深さが違うので、それを意識した上での実践事例に取り組むことができた。

 授業のパターンとして、@「目指す社会」そのものを考えることに主眼に置いたパターンと、A複数の選択肢から判断する場面で「目指す社会」とは何かを意識しながら判断し、判断理由を考えるパターンの2つを考えて、実践化を図ることができた。
   授業をする教師自身も、生徒が生き生きと学習に取り組む姿を見て、「社会についての見方・考え方」を指導することが、学習意欲の向上につながることを感じることができた。
 教師が、「社会についての見方・考え方」を養うことを意識した授業に取り組むことによって、児童生徒に小学校から中学校までの7年間にわたる社会科学習の意義を実感させることができた。
課題
 意思決定型の学習の過程において、資料活用を行わせるために有効な資料を探す必要がある。特に多面的・多角的な見方ができるための資料や事実に基づいた判断ができるような資料を充実させる必要がある。
 中学校においては、時間的な負担を軽減することから、必要最低限の時間で効率的に取り組むことができる実践事例を開発することで、より多くの学校現場の先生方にこの研究を活用してもらうことができると考える。
 小学校においては、意思決定型の学習に取り組みやすい単元とそうではない単元があることが明らかになった。今後は、取り組みやすい単元の条件などをさらに具体化して、より多くの単元において実践事例を開発することで、学校現場での活用が進むようにする必要がある。
 

「社会についての見方・考え方」を養う指導過程において、児童生徒に「目指す社会」を考える(意識する)必然性をもたせることができるような学習場面の設定をする必要がある。

   判断をさせる場面において、「目指す社会」にのみ目を向ける児童生徒に、これまでの学習で深めてきた事実判断等も含めて判断させる指導が必要である。社会科における判断であるので、立場の違いなどによって多様な考え方や「目指す社会」があることに気付かせることが必要である。
 本年度の実践事例は、各学年とも2学期の単元に集中しているので、研究2年次は、1学期、3学期の単元においても実践事例を開発する必要がある。
 授業実践をする上で、「社会についての見方・考え方」の高まりをどのように評価するのかを考えておく必要がある。
 今年度は、研究1年次ということもあり、研究の方向性や手だてについての共通認識を図ることに時間をかけたため、数多くの授業実践を行ったものの、その検証が十分でなく、成果についても客観的なデータなどを示すまでには至らなかった。研究2年次は、授業実践の検証方法や研究目標に沿った児童生徒の変容を把握するための手だてを明確にしておく必要がある。

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最終更新日: 2009-03-18