社会的事象の関連や意味などを説明したり解釈したりする力に課題がある。
[第5学年 大問7の(2)]
○ 問題の概要

○ 解答状況
「おおむね達成」の期待正答率50.0に対し、正答率は、53.5であり、3.5ポイント上回るにとどまった。また、無解答率は8.2であった。「電とう」の前に使われていた「あんどん」や「ランプ」の絵や気付きの欄から、火事の心配や火がないとつけられない不便さについて考え、「電とう」になったことのよさについてまとめる力が不足しているためと考えられる。
○ 指導法改善の手立て
昔の道具の学習では、体験学習をしたり、調べたことを年表にまとめたりする活動がよく行われている。そこで、体験や調査をした感想をまとめさせたり、交流させるたりすることで、当時の人々の思いや願いを想像させ、道具の変化だけでなく人々のくらしがどのように変化したかまでを考えさせることが必要である。
[第6学年 大問7の(3)]
○ 問題の概要

○ 解答状況
「おおむね達成」の期待正答率50.0に対し、正答率は24.8であり、25.2ポイント下回っている。「しめった風」ということばを使うことはできても、資料を基に、山地との関係に着目して説明することができなかったためと考えられる。
○ 指導法改善の手立て
「季節風の影響で、日本海側が冬に降水量が多い」という事実について理解することはできているが、その理由を説明できない児童が多いことが考えられる。社会的事象の意味や関連などを説明したり解釈したりする力を育てるためには、授業の中で、教師が「なぜ?」、「どうして?」という発問を意図的に行い、事象の意味や関連について考えたり話し合ったりする場を設定することが大切である。また、実際に図を書かせたり、ICT機器をもとにして立体的にとらえさせたりしていくように工夫することも効果的である。
[第1学年 大問3の(3)]
○ 問題の概要

○ 解答状況
「おおむね達成」の期待正答率50.0に対し、正答率は、56.7であり、6.7ポイント上回るにとどまった。また、無解答率は16.2であった。元が2度にわたって攻めてきたことと、鎌倉幕府が滅びていったことの1つ1つは理解していても、それらを結び付けて考えることができなかったためと考える。そのため、「『元軍』ということばを使って」という条件を設定したことで、自分の考えを表現することが難しくなったためと考えられる。
○ 指導法改善の手立て
それぞれの時代を代表する歴史上の人物の業績やかかわる出来事について学習する際には、言葉だけの暗記とならないように、時代の流れの中で内容やねらいに至るまでを理解させなければならない。具体的には、「なぜ?」、「どうして?」という発問を行うことで、時代背景を基に、人物や当時の人々の願いや意図に迫らせることが必要である。また、授業の終末に、今日の学習をまとめさせたり、感想を書かせたりする際に、キーワードとなる言葉や習得させたい内容を盛り込ませるように工夫することも効果的である。
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