学校におけるソーシャルスキル・トレーニングに関する活動プログラムを提案します!

4 よくある質問Q&A

 
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Q1:活動プログラムは何の時間に実施するの?

 
  提案している活動プログラムは、
 


小学校特別活動【学級活動(2)ウ望ましい人間関係の育成】
中学校特別活動【学級活動(2)ウ望ましい人間関係の確立】
高等学校特別活動【ホームルーム活動(2)オ コミュニケーション能力の育成と人間関係の確立】
        
  で実施することを想定しています。この他に






中学校特別活動【学級活動(3)エ望ましい勤労観・職業間の形成】
高等学校特別活動【ホームルーム活動(3)オ望ましい勤労観・職業間の確立】
総合的な学習の時間【学び方やものの考え方を身に付けること】
道徳【2 主として他の人とのかかわりに関すること】
小学校低学年・中学年の国語科【「話すこと聞くこと」】
生活科【(1)学校と生活】【(3)地域と生活】【(9)生活や出来事の交流】
外国語活動【コミュニケーションに関する事項】          などの時間に実施することが考えられます。
 実施する際は、各教科等の目標やねらいと活動プログラムのねらいを十分照らし合わせ、関連する複数のスキルを併せて実施したり、学習過程の一部分にソーシャルスキル・トレーニングを取り入れたりするなどの工夫が必要です。
   

Q2:1年間で「12の基本スキル」を実施しなければならないの?

 

「12の基本スキル」は、できれば1年間で全てのスキルを実施することが理想です。年間を通して継続的に実施した方が効果は上がると言われています。しかし、授業時数や児童生徒の発達の段階を考えると、「12の基本スキル」全てを実施することが難しい場合があります。児童生徒の実態に応じて、必要だと考えられる基本スキルだけを実施したり、関連する複数の基本スキルを組み合わせた指導計画をつくり実施したりすることもできます。各校種別のソーシャルスキル・トレーニングの取り組み方、学級の実態にあったスキルを選択する集計ツールも参考にしてください。

 
 
   

Q3:活動プログラムはどんな順番で実施するの?

 

どの活動プログラムをどのような順番で行うかについては、様々な場合が考えられます。 ソーシャルスキル・トレーニングは、「○年生にはこの基本スキルを必ず身に付けさせなければならない」といった目安があるものではありません。スキル選びの考え方は「○年生なのだから、このくらいできないと・・・」ではなく、「知っていることだけどもう少しうまくなろう」という発想です。しかし、提案している4種類のスキルのうち、〈主張行動スキル〉は中学年以上、〈問題解決技法〉は高学年以上の児童・生徒向けの高度な内容です。従って〈基本的なかかわりスキル〉〈仲間関係発展・共感的スキル〉の中で頻繁に出てくる「相手を見る」「笑顔で」など非言語のポイントは全てのスキルのベースになります。初めて実施される際には、〈基本的なかかわりスキル〉から取り組むことをおすすめします。

 
 
   

Q4:集計ツールを使わないと授業ができないの?

 

集計ツールは、必ず使わなければならないものではありません。集計ツールは、小林氏(2010)のスキルの選択基準(5割以上の児童生徒ができていて、8割以上の児童生徒が意識さえすればできる)を基に学級の実態にあった基本スキルを選択するためのものです。他の実態把握の方法を用いたり、行事や学習内容と関連するスキルを選んだりすることもできます。ただし、選択する基本スキルを児童生徒の実態と離れたものにせず、「できそうなこと」を「できること」にしていくことで成功体験を積ませ、スキルを確実に定着させていくことが大切です。

 

Q5:授業の展開案通りに実施しなくてはいけないの?

 

授業の展開案のモデリングの場面設定や、リハーサルの進め方などは、学校や児童生徒の実態に応じてアレンジして実施してください。ただし、「インストラクション」「モデリング」(わかる)→「リハーサル」(やってみる)→「フィードバック」かえる)はソーシャルスキル・トレーニングの基本的な学習の流れですので、流れを踏まえて行ってください。学級でアレンジする際は活用場面集を参考にしてください。

 
   

Q6:授業の展開案は1単位時間で実施しなくてはいけないの?

 

授業の展開案は、1単位時間で実施することを想定して作成しています。1単位時間で実施できない場合は、「インストラクション」・「モデリング」(わかる)を朝の会などを利用して行い、「リハーサル」(やってみる)は、その後の学校生活の中でスキルのポイントを意識して実行させ、「フィードバック」(ふりかえる)は帰りの会で行う(分割の例@)など分割した展開も考えられます。

 
「分割した展開」の例
 
 また、「D仲間の誘い方」と「E仲間の入り方」、「Hやさしい頼み方」と「I上手な断り方」、「@あいさつ」と「A自己紹介」などのように、関連するスキルを併せて授業を行う展開も考えられます。
   

Q7:活動プログラムは学級で実施するの?個別にするの?

 

提案している活動プログラムは、学級で行うことを想定して作成しています。学級集団で学ぶことのよさは、1つ目にモデルとなる児童生徒がいること、2つ目に、スキルを実行できる一番身近な場であること、3つ目に学級の全員が同じことを学んでいるので、望ましい行動の基準が共有されることにあります。学級で学ぶことで、児童生徒同士のよりよい人間関係が築かれ、学級の雰囲気が受容的になっていくことが期待できます。

 

Q8:授業はどこで実施するの?

 

教室、多目的室、体育館などが考えられます。児童生徒の実態を踏まえ、スキルのポイントをより意識させたり、実際にスキルを実践する場を意識させたりすることを狙い、場の設定を工夫して実施するとよいでしょう。

 

Q9:初めて取り組むとき、どうしたらいいの?

 

活動プログラムのモデルや授業の展開案は、ソーシャルスキル・トレーニングへの取り組みが初めての先生でも、すぐに取り組めることを意識して作成しています。事前に授業のデモンストレーションを行ったり、先生方が協力して学年で取り組んだりすることで少しでも不安を解消することができると思います。特にリハーサルは、グループでの活動が中心となり、教師の指示が通りにくく授業の枠組みが崩れやすいところです。児童生徒の様子に気を配り、時間や練習回数をきちんと設定するなどの配慮が必要です。

   

Q10:活動プログラムの効果はあるの?

 

ソーシャルスキル・トレーニングは、多くの文献や先行研究で児童生徒の人間関係づくりに効果があることが確かめられています。また、本研究で活動プログラムを実施した先生方からも、「学級の雰囲気がよくなった」「児童生徒が落ち着いた」などの声が多く寄せられています。詳しくは検証結果を参考にしてください。

 
 
   
 
 
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