どのように取り組む?中学校技術・家庭科、高等学校家庭科における「食育」指導

ホーム 研究概要 研究内容 実践事例 成果と課題 参考資料 研究事業トップ

○ 研究の成果と課題

研究の成果
 
 

今回は「食べる力」(「食育」で身に付けたい力)の「A自分の健康を考えて安全な食べ物を栄養バランスよく食べることができる」、に重点をおいて研究を進めました。

    

@ 「食べる力の位置付けについて    

 

「食べる力」を指導計画の中に食育の視点として具体的に示し、目標を明確にした指導を行いました。このことにより、家庭科の学習目標だけでなく、「食べる力」を意識して授業に取り組むことができました。

A 中・高の系統性を踏まえた題材の工夫について  

 

学習指導要領解説に基づき、食に関する指導の内容について指導事項を整理する中で、中・高の学習の系統性や発達段階に応じた取扱い方の違いを確認することができました。中・高それぞれの段階でどのような力を身に付けさせておかなければならないのか、前段階を踏まえてどのような学習を進めればよいのかを理解し、指導計画に生かすことができました。

B 実践的・体験的な学習活動について       

    毎回、授業の中に、実践的・体験的な学習活動を取り入れ充実を図りました。学習活動として、調理実習や観察、調査・研究を意図的に取り入れたことにより、食品の選択や栄養のバランスの取れた食事、基本的な調理操作などの定着を図ることができました。また、ホームプロジェクト的な学習を取り入れたことも、実践的な態度の育成につながったと考えます。

C 学んだことを生かす場について

 

授業の中や家庭において、既習内容を使って計画を立てるなど学んだことを生かす場を設定しました。特に、問題解決的な学習の【評価・改善】における発表の場を設定したことにより、他者からのアドバイスを得ることができ、家庭での実践へと生かすことができていました。また、家庭と連携して授業で学んだことを生かした題材を工夫して進めたことにより、実践的な態度の育成につながったと考えます。

 
 
 

これらの手立てにより、「自分の健康を考えて安全な食べ物を栄養バランスよく食べる」という「食べる力」の育成が図られ、家庭での朝食づくりや弁当づくりなどの実践につなげることができたと考えます。

  

 
今後の課題
 

 

今回の研究により、「自分の健康を考えて安全な食べ物を栄養バランスよく食べることができる」という「食べる力」の育成が図られることが分かっため、今後は他の「食べる力」に重点を置いた題材の検討も必要であると考えます。また、高等学校のホームプロジェクト的な学習を取り入れた題材については、中学校技術・家庭科(家庭分野)の新学習指導要領において新たに示された「生活の課題と実践」にも生かすことができると考えます。そのためには、食品の選択や食事づくりなどの実践につながるような、家庭や地域との連携についての検討も必要です。

  

以上を踏まえ、今後、家庭科の食育における役割を意識しながら、「家庭科だからできる食育」について、更に研究していきたいと思います。

 

Copyright(C) 2009 SAGA Prefectural Education Center. All Rights Reserved.
最終更新日: 2009-03-25