▲上へ

どのように取り組む?中学校技術・家庭科、高等学校家庭科における「食育」指導

ホーム 研究概要 研究内容 実践事例 成果と課題 参考資料 研究事業トップ

○高等学校家庭科における生徒の変容

 

「家庭基礎」 授業実施クラス40名 

  (授業前アンケート:平成20年10月実施、授業後アンケート:平成20年11月実施)

 

@家庭科における「食育」の指導(食べる力Aの育成)について

 

(1)健康と食の安全

⇒授業前は、「値段(安いもの)」や「味」を基準に、食品の購入・選択をしていたようですが、

授業後は、「旬」「原材料」「原産地」「食品添加物」の項目が増えています。

地産地消や旬産旬消といった、食の安全の視点からも気を配るようになったようです。

◎食材に気を配って購入していますか?(授業後)

以前より気を配るようになった
24名

【主な理由】

・食品偽造や安全が気になるから。

・地元の食材のよさが分かったから。

・授業で、旬の食材に栄養があることを習ったから。

あまり変わらない
16名

【主な理由】

・もともと母親が気を付けているから

・食材を購入していないから。

気を配っていない
0名
 

⇒「あまり変わらない」の理由を見ると、「もともと気を配っていた」という意見も含んでおり、

ほとんどの生徒が食の安全を考えて食材購入に気を配っていると考えられます。

 

 

(2)健康と栄養的なバランス

 ◎栄養的なバランスに気を配って食事をしていますか?(授業後)

以前より気を配るようになった
26名

【主な理由】

・より健康でいるために、必要だと思ったから。

・バランスチェックで、野菜が足りなかったから

・授業で、食事(栄養)の大切さが分ったから。

・生活習慣病にならないようにするため。

・授業で習って、気になるようになったから。

・自分の体のことなので。

あまり変わらない
14名

【主な理由】

・もともと気を配っていたから。

・もともと母親が気を配ってくれているから。

気を配っていない
0名
 

⇒「あまり変わらない」の理由を見ると、「もともと気を配っていた」という意見も含んでおり、

ほとんどの生徒が、健康のために栄養バランスを考えて食事をしていると考えられます。

   

A実践的・体験的な学習活動と生かす場の設定について

 

 

  【生徒の感想(ワークシートより)】
○自分で弁当を作ることで、自分の体に合った栄養的なバランスをとることができるので、これからも弁当を作りたい。
○みんな上手に作っていたので驚いた。これからは、親に感謝し、栄養を考えて、余裕があるときは自分から作るようにする。
自分で作った弁当を評価するのはなかなか楽しかった。
○弁当を作るときは、人のことを考えて、その人にあった栄養を入れなければいけないと思った。
○今回は豆類が全然入っていなかったので、次回は入れたいと思います。
○栄養バランスを考えながら(食材を)入れることは、たいへんで、難しいしいと感じた。いつも作ってくれる母に感謝です。
○みんなの弁当を見て、どこがよいのか、どこがよくないのかなど、栄養的なバランスや食材についていろいろと考えることができたのでよかった。
○今までは、栄養バランスを考えたことなどなかったけれど、今回とても難しいことに気付きました。旬の食材や県産の食材のよさを知り、これからは意識していきたいと思います。
○この授業を通して、栄養のことを考えるようになった。栄養計算を通して何が足りないのかはっきりとわかり、改善点が見えてきた。自分は、カルシウムが不足していたので、これから意識してとりたい。
 
 

【教師の気付き】
○「弁当の日」を実施するのは、授業の中だけでなく、家庭での取り組みを指導することになり、たいへんなイメージをもちますが、予想以上に意欲的な取り組みが見られました。生徒は、実際に取り組むことで分かること、気付くことがたくさんあったようです。改めて、家庭での実践を指導していくことの大切さを感じました 。
○実践を発表する場の効果も感じました。生徒は、友達の作った弁当の発表やアドバイスにより、実践にも広がり・深まりが見られました。
○ また、「『弁当の日』に積極的に取り組めましたか?という質問に対して、「いいえ」と答えた生徒も含めて、多くの生徒がいつも食事を作ってくれている親に感謝の気持ちを記していました。「食の安全と健康」というテーマでの実践でしたが、自分への家族の愛情を感じるとともに、家族への感謝の心をはぐくむことにもなったようです。

 

 

 

 

 

 

◎再度、「弁当の日」に取り組みたいですか?

はい
24名

【主な理由】

・楽しんで取り組めたから。

・自分で作ることで栄養的なバランスがとれるから。

・自立できるように練習したい。

・何も見なくても食べ物のバランスがとれるようになりたいから。

・次は、(栄養的に)バランスのとれたキャラクター弁当に取り組みたい。

いいえ
16名

【主な理由】

・朝起きるのがたいへん。

・面倒くさい。

  B家庭での実践(食事づくり)について
 

 

  (授業後アンケートでは、「自分で食事を作りましたか?」という聞き方をしました。)

「はい」の理由

・料理が好きだから。

・授業で興味をもったから。

・もう一度、作ってみようと思った。

・「弁当の日」の時に、かぜで取り組めなかったから。

・親がいなかったから。

⇒授業後、(3週間)では、自分で食事(弁当)を作った生徒が、約2倍に増えています。

理由は、様々でしたが、「弁当の日」の取り組みは、食事を作るきっかけになったようです。

今後は、生徒とのかかわりの中で、食の健康への意識を高めていくように促すことで、

実践的な態度と能力の向上につなげたいと思います。

 
 
 

Copyright(C) 2009 SAGA Prefectural Education Center. All Rights Reserved.
最終更新日: 2009-03-26