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どのように取り組む? 中学校技術・家庭科、高校家庭科における「食育」指導

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○ 題材名 「 わたしの自慢の朝食をつくろう 」( 第6時) 


1 本時の学習指導  

 (1) 目標

○ 自分たちが考えた朝食について、分かりやすく説明することができる。         (知識・理解)
  ○ 家庭での実践に向けて、各グループからのアドバイスを参考に、「わたしの自慢の朝食」を考えること

  ができる。                                              (工夫・創造)

    

  (2)   指導の工夫

    @「食べる力」(「食育」で身に付けたい力)の具体的な目標

「自分の健康を考えて、安全な食べ物を栄養のバランスよく食べることができる」

「食生活は、生産者をはじめ多くの人々の苦労や努力に支えられていることを理解し、感謝の心をもつ」

「日常の食事は、地域の農産物と関連していることや、地域の伝統と結び付き、先人によって培われた

 多様な食文化があることについて知り、自分の食事に取り入れようとする」

を学習目標として、指導計画の中に具体的に示す。

A 中・高の系統性を踏まえて更に定着を図る学習事項

   「1日分の献立作成ができる。(1日分を踏まえた朝食の献立)」

を学習事項として位置付け、更なる定着を図る。

   B実践的・体験的な学習活動の一層の充実

・ 作成した資料を基に、他のグループへ説明を行わせる。 

・ 他のグループからのアドバイスを基に、わたしの自慢の朝食献立を考えさせる。

  C学んだことを生かす場

・ 作成した資料を基に、他のグループへ説明を行わせる。

・ グループで探究した課題を基に、他のグループへアドバイスを行わせる。

・ 題材全体を通して学んだことを確認し、家庭での実践に生かすようにさせる。

  (ワークシートの活用:1枚ポートフォリオ)

 (3) 展開

過程

生徒の学習活動

教師の指導・支援

評価とその
支援
課題の把握

1 各グループの課題を確認する。

2 本時の課題を確認する。

各グループからのアドバイスを参考に、「わたしの自慢の朝食」を考えよう。

○ 前時までの活動を賞賛し、本時の

 学習への意欲を高める。

○ 1時間の流れを簡単に説明するこ

  とにより、学習の見通しをもたせる。

 
課題解決の準備

実践
  3 グループの課題を基に作成した

  朝食について発表する。

   ・ 発表時間は2分間とし、グルー

      プの中の1人が、他のグルー

      プに発表に出向く。


   

<他のグループに出向いて発表している様子>

・  聞く側は2色の付せんに(参考

   になった点:黄色、アドバイス:

   ピンク)記入し、発表者に渡す。


    アドバイス交換のようす

<生徒が付せんに記入した内容(例)>

参考になった点

・  旬の食材がたくさんあったところ。

・  しょうが焼きは難しそうなのに、簡単に

 作れたところ。

・  エネルギーとカルシウムを効率よくとれ

 るところ

・  簡単でとても早くできそうで、栄養もしっ

 かり取れているところ。

○アドバイス

・  旬の果物(柿など)を加えた方がいい。

・  ヨーグルトのジャムを旬の果物にする

 ともっといい。

 

4 他グループからのアドバイス

   (付せん)を参考に、各自で「わ

 たしの自慢の朝食」を考える。

・ 献立

・ おすすめポイント

・ 作るときに気を付けること

<アドバイスを参考に各自で検討している
    様子>

○ 充実した発表会にするために、発

   表の方法やマナーについて確認す

   る。

○ 発表内容は、自分たちの課題と、

  調査した内容・献立・工夫点などと

 し、説明用資料を使って時間内に

  分かりやすく説明するように助言す

  る。

○ 自分の朝食づくりに生かせること

   を見付けながら発表を聞くように促

   す。

○ 発表者へのアドバイスは、前時ま

  でにグループで調べた内容を基にす

   るとよいことを伝える。

 

   

         <説明用資料>

<アドバイスを記入した付せんを付けている

  様子>

○ グループの献立を大幅に変更する

  のではなく、食材や調理法などを修

  正することにより、「わたしの自慢の

  朝食」を考えることを伝える。

○ 修正した献立については、食品群

  別摂取量のめやす(教科書p32、33

  に記載)を用い、栄養のバランスを確

  認するよう指示する。

   <生徒のワークシート−一部抜粋>

【知識・理解イ】
実習を基に、他グループへの説明ができる。
〈観察〉
※支援…発表内容説明のための台本(枠のみ)を準備する。


【工夫・創造ウ】
食品の組み合わせや栄養バランスのよい「わたしの自慢の朝食」献立を考えることができる。
〈ワークシート〉
※支援…家庭での「朝食づくり調査」を参考にさせる。

評価

実践化
  5  「わたしの自慢の朝食」を発表

  する。

 

 

 

 

6  ワークシートの「学んだこと」を

  記入する。

○ 朝食づくり調査」における家庭から

  の「わたしへのアドバイス」を紹介し、

  家族の思いに触れさせることにより、

  家庭での朝食づくりの実践を促す。

<家庭からの「わたしへのアドバイス」> 

・簡単で栄養のあるものを食べてください。

・胃に優しいメニューを食べてください。

・野菜をたくさん食べてください。

○ これまでの学習の成果を確認 し、

   これからの食生活に生かすように意

   識付ける。

 
※ 資料等
  指導案(本時)【PDF】 説明用資料 発表用原稿【PDF】   

2 授業を終えて

  中・高の系統性について

  ○ 友達のアドバイスや他のグループの説明を参考に、朝食の献立を作成することができていた。

実践的・体験的な学習活動について

  ○ 全員が他のグループに出向いて説明する形式を取り入れたが、生徒一人一人の学習事項の定着

   を図るために有効な手立てであったと思う。

  ○ 生徒の感想として、

           ・ 何気なく朝食を食べていたので、いろいろなことを学べてよかった。

           ・ 朝から料理をするのはめんどうだなあと思っていたけど、授業を受けてやってみようと思った。

           ・ 健康や栄養のバランスに気を付けようと思った。

           ・ 毎日、朝食を作ってくれる親の気持ちが分かった。

  •  などがあった。

 学んだことを生かす場について

  ○  アドバイスを与える視点(自分たちが調査した内容)を明確にしておく必要があった。

  ○ 家庭でのインタビュー内容を授業の中で扱ったため、家族の思いにも触れることができ、実践への

   意欲を高めることができた。


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最終更新日: 2009-03-26