本時の目標
反論される点に対する言及等,読者を説得する文章展開をとらえさせる。
指導の実際(2/5時)
学習活動 指導と評価



単元の学習の流れを確認する。

前時の学習を振り返り,筆者の自然観に対する自分の反応をまとめ,発表する。
 
反論する材料を探すためにも,的確に論を追う必要があることを伝える。
筆者の自然観を受け入れることができるか,できないならその理由まで尋ねる。
「ビルなどの人工物を自然と呼ぶのには,抵抗がある」
「筆者の個人的な感想で,一般化はできない。」




6〜10段落を通読し,2種類の自然が説明されていることを整理する。




筆者が反論される点を自分からあらかじめ提起し,新しい概念を提唱している点を考える。








        構造マップ@


本時の学習で,筆者の自然観について自分が受け入れにくい点を考える。
すべての「自然」という言葉に傍線を引かせ,従来の自然と筆者の自然とを区別する言葉を抜き出させる。
「合成自然」「純粋な自然」
「自然に」を指摘する生徒がいた場合は,自然という言葉に込められた意味の多さの例として説明する。

「合成自然」「純粋な自然」の概念区分は,筆者が作り出したものであることが分かる表現を抜き出させ,新しい自然の概念について整理させる。
「呼ぶとすれば,」「いわば〜とでも名づける」等の表現を押さえる。

6〜10段落から,「合成自然」「純粋な自然」に含まれる対象(説明)にそれぞれ違う印を付けた傍線(○−−−−,△−−−−。)を引かせ,概念の違いを確認させる。

具体的な概念規定についてまとめさせる。

「合成自然」「純粋な自然」が,本文中のどの記述とつながる自然か確認させながら,自然のとらえ方を2つに区分することについて考えさせる。
*イ 本文の記述を踏まえて,合成自然の定義をしている。
【ノート,観察】

各段落ごとの内容を振り返らせ,筆者が自分の思いを断言したり,「〜か。」の表現を繰り返すしたりする効果について考えさせる。
*エ 読者が疑問をもつ点への回答や新しい視点の提案があることにふれてまとめている。
【ノート,観察】
やや強引に展開される筆者の論に,生徒が抵抗を感じたり,受け入れにくいと思う点があれば,ノートにできるだけ理由を添えて記入させる。(箇条書きでもよい。)

終末
筆者の主張の背後にある論理の流れを把握する。
「郷愁」「原風景」についての意味を調べる。
構造マップについての説明をした後,今回の授業範囲での構造マップ@をプリントで示し,言葉のつながりを振り返させる。
次回11〜18段落を構造マップを使って整理することを予告する。
「郷愁」「原風景」の意味を辞書で調べさせた上で,具体的にどのようなときに使われる言葉か考えさせる。次回,筆者の自然観を考える上での鍵になる言葉であることに触れる。
 

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