人の生き方から学び、自己の生き方を探る道徳の時間を提案します。

 

2 研究の実際

(3) 授業実践

C 授業実践2


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1 主題名

「周囲の人々の思いを糧に」 内容項目1−(2) 関連項目2−(6)

2 資料名

「父との約束−消防士への道−」(自作資料)

3 資料について

本資料は、佐賀県の鹿島消防署に勤める消防士、牧瀬わか奈さんに取材し、作成した自作資料です。牧瀬さんは、小中学生のときに全力を注いだ陸上競技を、実業団として将来も続けるという夢が途切れたとき、自分の将来について悩んだ時期がありましたが、消防士の父の一言で、同じ消防士の道に進むことを決意したのでした。それからの3年間、夢を実現するまでの苦労や試練があり、また、父が病に倒れてしまう現実と向き合う日々が続きましたが、当時の日記には、自分が苦労や試練を乗り越えることができたのは家族の存在と支えがあったからだと、感謝の気持ちを表していました。牧瀬さんの思いを基に、周囲の人々の支えにより今の自分があることに気付かせて、その思いを糧に、夢や目標に向かって努力していくことの大切さを考えさせることができる資料であると考えました。

4 ねらい

牧瀬さんの姿に、自分の経験や思いを重ねて考えることを通して、周囲の人の支えに気付き、それに応えるために、これからの自分の進路に向かおうとする気持ちをもたせる。

5 展開 (形成的な評価:  ●達成不十分な生徒への指導)

道徳的価値の自覚を深める手立てについてはこちら
過程
学習活動
主な発問・予想される生徒の反応
指導上の留意点
導入

道徳的価値への

方向付け

1 支えられている

ことの確認をする。

 

○あなたを「支えてくれている

人」はいますか。それは誰です

か。

・家族、友達、先輩、先生

 

・山中伸弥さんの新聞記事「支えてくれた人に感

謝」を紹介して、発問へとつなげる。

・いくつかの予想される反応を、あらかじめカード

で準備し、提示しながら挙手をさせることで、

様々な家庭環境に配慮する。(家族、友達、先

輩、先生)

展開

2 資料を読んで考

える。

・前半を読む。

・ワークシートの1に

自分の考えを書く。

 

価値を理解する

自分との関わりで

価値を捉える

・後半を読む。

・付せんに、自分

の考えを書く。

・班で話し合い、意

見をまとめる。

 

○牧瀬さんの言葉の中にある

「迷い」と「不安」とはどんな迷い

だっただろう。どんな不安だった

だろう。

・正しい選択だっただろうか。

・これからどうすればいいのだろ

う。

・本当にあきらめていいのかな。

・自分の可能性がなくなった。

 

◎牧瀬さんの考え方や生き方

で、見習いたいと思うところは

どんなことですか。

・目標のために、一生懸命

張っているところ。

・あきらめない気持ち。

・家族のことを大切に思ってい

ところ。

・励ましてくれる人や支えて

る人への感謝の気持ち。

・主人公の弱い部分に共感したり、部活動や今

一生懸命取り組んでいることを想起したりさせ

て、自分の経験と重ねさせる。

・高校を卒業したときの進路が途絶えた辛さを

強調して、想像させる。

 

 

 


牧瀬さんの言動や思いを感じ取り、ねらいとする価値の記入ができている。

1−(2)

●主人公の行動を振り返らせる。

2−(6)

●主人公とその周りの人達の関わりに気付か

せる。

・個人で付せんに記入した後、班で付せんを貼り

ながら、意見を交流させ、2つ程度にまとめさせ

る。

・班ごとに発表させ、いくつか出揃ったところで、

補助発問「この中で、今の自分ができていること

はありますか。」と問い掛け、自分との関わり

価値を捉えさせる

・このときの生徒の発言は、どれも肯定的に受け

入れて、たくさん出させる。

終末

自分なりに価値を発

展させていくことへ

の思いや課題を培う

3 ワークシートの2に

授業の感想を書く。

 

4 牧瀬さんからのメッ

セージ(映像資料)を

聞く。

 

 

○あなたを見守ってくれている

思いや支えにこたえるために、

これから何をしていきたいです

か。

 

 

・事前に宿題で出していた自分の家族の思いを

まとめたものと、牧瀬さんからのメッセージを紹

介する。

・発表させて、価値を交流する。

・牧瀬さんのその後と現在の紹介をして、映像を

提示する。

・BGMで音楽を流し、雰囲気づくりをする。

6 評価の観点

牧瀬さんの姿に、自分の経験や思いを重ねて考え、自分の周囲の人の支えに気付き、それに応えるために、これからの自分の進路に向かおうという気持ちをもつことができたか。(ワークシート)

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