■参観者の感想
(1)いろいろな考え方を引き出す指導について
○平面図形に関しては,1年生の段階では教科書の基本的なことだけ指導している。本日の研究授業のように,生徒に「考える場面」さえ与えれば、しっかり考えることができると感じた。

○日頃の授業のなかで,立ち止まる勇気をもたなければいけないということを示唆してもらった気がする。時間がたてば自然に理解してくれることという気持ちがあったが,できれば中高6年間のスパンのなかで,意図的に取り入れる必要があると思った。

○日頃の授業では,いろいろな考え方を紹介する機会が少ない。決まった解法を指導する場合がほとんどなので,日々の授業の中で、本日の授業のようにいろいろな解法を取り入れた授業を実践できたらいいと思う。少なくとも,複数の解答方法を示したり,別解を示すことを心がけたい。

○1つの問題をベースに,楽しくアプローチする授業でよかった。日頃は進度の関係もあり,楽な教え方を選ぶことが多い。また、教師自身が楽しむことの必要も感じた。

○証明問題では,生徒は模範解答だけしか受け入れてくれないので,機会をとらえて,意識的に別解も指導する必要がある。

○日頃は,1つの問題に1つの解法を教えることが多かったが,別解として,鮮やかに解けることを指導しておくことも必要であると思う。一見非効率的に見えることも,生徒にとっては必要なことかもしれない。

(2)補助線の指導について
○図形分野は補助線の指導をはじめとして,体系化して教え切れていない面がある。小中学校で教科書で「考え方」を中心に時間をかけてじっくり指導するのにも意味がある。高校でも,じっくり考える指導も取り入れるべきである。

○通常、生徒は思いつきで補助線を引いていると思う。見通しを立て,目的をもって補助線を引けるようにするのが最終目的であり,教科書にまとまった内容があるわけでもないので,早い時点で時間を作って,本時のような指導に取り組む必要があると感じた。

(3)図形の指導について
○生徒は,試験の点数の取りやすい計算問題を中心に取り組む傾向があり,図形の問題や文章題は,読まないし,書かない。計算問題と,それ以外の問題で配点比率を逆転させてみるとか工夫できないかと思うが,現実には難しい。

○中学校は中学校で,与えられた範囲でしっかり教える必要がある。幾何分野は,授業の準備に手間がかかるが,これまで以上にしっかり準備をすることが必要だと感じた。

○図形分野に関しては,特に、生徒の空間把握能力が落ちていることを感じている。いろいろな切り口でできる限り指導をしていかなければいけないと感じた。

(4)その他
○授業の導入で,生徒にとって身近であるカメラの話題を使われたのは参考になった。

○パワーポイントを使うと,たくさんの情報が効果的に提示でき,その威力を感じた。特に,色分けや動きを取り入れた教材には有効である。

○図形の証明以外にも,「数列」など指導にも生かせる部分があると思うので教材を考えてみたい。
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