「生徒生徒一人一人が居心地のよさを感じる学級集団づくり」について提案します!

               
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エ 中学校(学級)における実践        
互いの個性を認め合う集団を目指した学級での取組
 
 (イ) 対応策
1 研究委員による対応策の検討
 本研究では対応策の検討に当たり、「検討会シート」を用いています。 →「検討会シート」についてはこちら
 本学級においては、「Q−U」の結果から関係性が小グループの決まったメンバーだけで構成されていることが考えられます。このことから学級担任や 学年所属の教師は、、リレーションを学級全体に広げる取組を優先して行います。リレーションの確立に向けて検討会で出された対応策は、以下のとおりです。
・学年経営や他の教師の連携、学年集会をそれぞれで行う。
・学級担任の想いを伝える時間をつくる。
・時間を守る(特に、授業開始や終了時間を守る)。
・当番活動等を通して、全体に認められるような係の取組を考える。
・いろいろな場面でのリーダーを体験できるように仕組む。
・学校行事などを通して、生徒同士の話合いでルールづくりを行い、互いに認め合う場面を設定する。
・学級だけの指導にならないように、学年全体を意識しながら指導する。
・グループワークトレーニング等の取組を定期的に実施する。
 
2 対応策の選択および計画
  【集団について】
 生徒がやる気を起こして積極的に活動するためには、生徒同士の関係性が深まるようにすることが大切だと考えます。そこで、まず、リレーションを確立させるために、構成的グループエンカウンター(SGE)に取り組みます。シェアリングでは、生徒が互いの話を聴くことで、感想を交流させることやいろいろな気持ちに気付くことができるようにします。また、交流を深めることで、互いを認め合うことができるようにしたいと考えます。 
 次にルールの定着を図るために、ソーシャルスキルトレーニング(SST)に取り組みます。SSTを通して、人と関わるときの技術を身に付けさせるようにします。「上手な聴き方」や「あたたかい言葉かけ」等のスキルを高め、友達とのかかわりにおけるルールを定着させます。 エクササイズを通して、友人の話を聴いたりて気持ちを受け止めてもらうことの大切さに気付くようにしたいと考えます。
 SGEやSSTの活動を通して、これまでの様子と違う新たな発見があったときは、その場で声を掛けて紹介したりほめたりしながら、生徒を認めるように心掛けます。
 【個人について】
〈Aについて〉
 Aは、新しい友人と関係を築くことができずに友人から陰口を言われていると感じていると考えられます。そこで、Aの教育相談を行い、Aの話を聴きます。また、言葉掛けのスキルを学ぶSSTに取り組みます。
〈Bについて〉
 Bは、友人との関わりに対して消極的になっています。そこで、自分から少しずつ友人と接することができるようになるためのSSTに取り組みます。
〈Cについて〉
 Cは、友人との関係を築くことができなくなっています。そこで、自己理解や他者理解を促すことができるSGEに取り組みます。
〈D、Eについて〉
 C、D、Eは一緒に行動しますが、3人で楽しく過ごす様子はあまり見られません。そこで、SGE「間違い探し」に取り組むようにします。グループごとに作戦を立てて間違いを探していくエクササイズを実施し、3人の活動の様子を観察します。
〈Fについて〉
 Fは、小学校時に登校しぶりがあり、友人との関係に不安を感じている様子が見られます。SGEでは、少人数から取り組むエクササイズを選び、様子を観察しながら関係が深まるような働き掛けをします。
 
3 実践した対応策
時期
活動内容
ねらい
展開
ワーク
シート等

学級担任と

連携した取組

5月 「Q−U」(1回目)実施
学級集団や個人の様子について担任との情報交換(「学級把握シート」作成)
研究委員による対応策の検討
検討会を受けての学級担任との事前打合せ及び授業計画の作成
7月
実践@
SGE
「他己紹介」
   選択理由
・テーマを基に自分や友人のことを話すことで、友人に関心をもたせたり親近感を高めさせたりする。
・係活動を協力して話し合う。
9月
実践A
SGE
「間違い探し」
選択理由
・グループで活動することで、互いに認め合う大切さに気付かせる。
・グループで協力することを体験し、友人のよさを発見させる。
・生活班ごとに「職場訪問インタビュー」を積極的に行うように声を掛ける。
9月   ・話を聴くことの大切さを理解し、友達の話の聴き方のスキルを高めさせる。     担任がSST 「話の聴き方」を行う。
10月
実践B
SST
「仲間の入り方」
  選択理由
・仲間に入るときに上手な仲間の入り方のスキルを高めさせる。
・文化発表会では、合唱コンクールの士気が上がるように声を掛ける。
11月
実践C
SST
「キッパリ拒否する練習をしよう」
  選択理由
・断り方のスキルを身に付けることで、断ることや拒否をすることを身に付けさせる。そのことで自分自身を守り、自分を大切にすることに気付かせる。
・「行動を振り返るアンケート」の結果よりSSTを行う。
11月 「Q−U」(2回目)実施
「Q−U」(2回目)を受けての学級集団や個人の様子について考察
※ 各実践の前後に、学級担任との情報交換や授業の振り返りを行いました。
 
〈実践授業内容の選択理由〉
実践@ SGE「他己紹介」                      →元の位置に戻る    →この実践の展開へ
 話すことが苦手な生徒や自己主張が強い生徒が多く、友人とトラブルになることが多かったため、「他己紹介」に取り組むようにしました。このエクササイズを通して、自己理解と他者理解の促進が期待できます。
 
実践A SGE 「間違い探し」                    →元の位置に戻る    →この実践の展開へ
 2学期より新しい生活班に編成し、生活班で積極的に活動できるように、SGE「間違い探し」に取り組むようにしました。エクササイズを通して、作戦を立てたり自分の考えを伝えたりするなど、同じ活動をすることによって、チームワークの大切さに気付くことが期待されます。
 
実践B SST「仲間の入り方」                   →元の位置に戻る    →この実践の展開へ
 「行動を振り返るアンケート」より「自分から近付く」ことに対して87%の生徒が「している」「大体している」と答えており、担任は生徒の5割以上ができていると答えていました。小集団同士のつながりが少なく対立している集団も見られることから、「仲間の入り方」のスキルに取り組むことにしました。このスキルを身に付けることで、小集団同士のかかわりができるようになると考えたからです。
 
実践C SST「キッパリ拒否する練習をしよう」         →元の位置に戻る    →この実践の展開へ
 「行動を振り返るアンケート」より「はっきり断る」ことに対して94%の生徒が「している」「大体している」と答えており、担任は生徒の5割以上ができていると答えていました。このことから、基本スキルの活動プログラムを実施すると効果が大きいと考えられるためSSTに取り組むことにしました。その中で、「キッパリ拒否する練習をしよう」のスキルを学ぶことで、拒否をしたり自分自身を大切にしたりすることができると考えたからです。
 
 
 

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