「生徒生徒一人一人が居心地のよさを感じる学級集団づくり」について提案します!

               
現在の位置: 2 研究の実際  (5) 対応策の実施 エ 中学校(学級)における実践 (ウ) 変容と考察
                   
エ 中学校(学級)における実践          
互いの個性を認め合う集団を目指した学級での取組
 
変容と考察
 
 
 (ウ) 変容と考察
 
1 実施後のアンケート(「QーU」)結果(11月下旬)






           図5−エ−2 実施後のアンケート(「Q−U」)結果(11月下旬)
2 考察
【集団について】
・2回目の「Q−U」の結果で、学級生活満足群は、1回目と同じ64.6%(全国平均35.0%)でしたが、学級生活不満足群が9.7ポイント減少し、非承認群が16.0ポイント増加しました。被侵害得点に注目すると全体的に減少しました。人とのかかわり方を練習し、「友人に対して嫌な思いをする」が減少したことで、 ソーシャルスキルトレーニング(SST)「仲間の入り方」の効果が出たと考えられます。
・「Q−U」を5月と11月に実施しましたが、「いごごちのよい学級にするためのアンケート」では、問11〜20の設問では「とてもそう思う」と否定的な回答をしている総人数が13人→6人に減少しています。特に問19「学校に行きたくない」については5人→2人、問17「休み時間などに、ひとりでいることが多い」については2人→0人になりました。SST「仲間の入り方」の感想では、「今日の学習を生かせたらいいなと思いました」や「断られて傷付くのが嫌で話し掛けてなかったけど今日の授業で『いいよ』って言ってくれるのを知ることができたからよかった」などと書いていました。SSTを行ったことで、友人への声掛けができるようになって関係性が少しずつ構築されたことが、学級での安心感につながったと考えられます。
・距離を置いていた友人と会話をするようになったり、嫌だと思った友人と話をしたりするようになり、友人とのかかわり方がよくなりました。また、「恥ずかしがらず自分から話し掛けたい」や「このスキルがためになった」など、対人関係のルールやマナーについて考えるような感想が見られ、人間関係について向き合えるようになったと感じます。最近では生徒の表情が穏やかになり、優しい言葉で友人と話すようになりました。
・様子を見て、何も言わずに手伝いをする友人や声を掛ける生徒が増えました。また、学級委員や班のリーダーは自覚が感じられるようになりました。
【個人について】
〈Aについて〉
  学級生活不満足群(要支援群)から非承認群に移行し、侵害得点は12点上がりました。2回目の「いごごちのよい学級にするためのアンケート」の質問で「学校に行きたくない」の回答を「とてもそう思う」→「あまりそう思わない」と答えました。友人との関係を避けていましたが、最近は話すようになりました。不安を感じることなく友人と接することができるようになり、A自身も友人を認める場が増えたと考えられます。
〈Bについて〉
   学級生活不満足群(要支援群)から学級生活満足群に近付きました。授業を重ねるごとに、スキルを身に付ける練習を積極的に参加し、仲のよいグループといるときは楽しく話したり、笑顔を見せたりするようになりました。しかし、一人でいる不安や成績への不安が残っていると感じています。
〈Cについて〉
   侵害行為認知群から学級生活不満足群に移行しました。2回目の「Q−U」で、学級の中で認められ、頼ってくれる友人がいないと感じていることが分かりました。友人に対しての優しい言葉掛けができずに、人間関係に悩んでいると考えられます。
〈Dについて〉
  学級生活不満足群から非承認群に移行しました。SST「仲間の入り方」の感想では、「仲間に入りたくても恥ずかしかったり、断られたらどうしようと思っているが、入ることができないときがあります。SSTを通して、恥ずかしがらずに自分から話し掛けたいと思います」と書いています。少しずつ、友人と優しい言葉で接するようになりました。
〈Eについて〉
  学級生活不満足群から非承認群に移行しました。SSTの取組で、友人とのやり取りで、以前より言葉の受け止め方を気にすることや友人とのトラブルが少なくなりました。「仲間の入り方」の感想では「断られて傷つくのが嫌で話し掛けてなかったけど今日の授業で『いいよ』って言ってくれるのを知ることができたからよかった」と書いています。その後、多くの友人と話すことができるようになりました。
〈Fについて〉
  学級生活不満足群に位置したままでしたが、より不満足の方向へと移行しました。友人D、Eと仲はよかったのですが、学習面が影響して、別のグループにいることが多くなりました。SST「話の聴き方」の感想では、「(話の聴き方の)ポイントが分かったので、今日やったことは実践してみたいと思った」と書いていますが、人間関係に悩んでいる様子がうかがえます。
 
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