対象生徒との距離と位置 |
・正面で向かい合って話をするのは緊張しやすいので避け、斜めに、場合によっては横に並んで話をする。
・面接者が先に座り、対象生徒が面接者との距離を決められるようにする。 |
枠組の設定 |
・あらかじめ対象生徒の当日のスケジュールを確認し、終了時刻を予告しておく。
・面接時間は毎回同じ長さが望ましい。(例:50分) |
リレーションづくり(初回面接) |
・対象生徒が時間をつくって面接に来てくれたことに対して、面接者の素直な気持ちを述べる。
・はじめに自己紹介をして緊張感を和らげる。
・対象生徒の好きなこと、興味のあることについてあらかじめ情報を得ておき、その話から始める。 |
基本技法
|
@受容
面接者は受容することで自分の考えに固執せず、対象生徒と同じ考えをもつことができる。また、生徒は受容されることで、面接者を受け入れる。とがめられることがないので自己肯定感が高まると考える。すぐにアドバイスをしたり、解決策をほのめかしたりせず、まず相手の気持ちに寄り添い話を聴くことを心掛ける。
A繰り返し
繰り返しとは、聴いたことを繰り返すことであるが、この方法で対象生徒の自問自答を促進することができる。難しい話ばかりしたり、同じことを何度もしゃべったりする場合には「あなたの言いたいことを一言で言うと〜ということですか?」と尋ねることもある。
B明確化
明確化とは生徒が言葉にはしていないが、潜在的に気付いていることを面接者が言葉にして返すことである。例えば、不登校気味で「授業が嫌。」と言っている生徒に「授業が楽しければ学校に来たい、と言っているように聞こえるけど?」と投げ掛けることである。言葉だけに惑わされず、どのような気持ちでその言葉を使っているのかを考えながら聴く。
C支持
面接者が対象生徒に「私もそう思うよ。」と賛同することである。この方法は自己受容を促進する。ただし、支持するためには根拠が必要である。理論的な根拠を出したり、類似の事例を出したりする。また、面接者自身のこれまでの経験を紹介することもある。
D質問
情報収集のために、また相手に考える時間を与えるために質問をする。質問には2つの種類がある。一つは閉ざされた質問(closed question)である。これはYESかNOで答えられるものである。詰問風になるので恐怖心を与える恐れがある。もう一つは開かれた質問(open question)である。これは自分の言葉で答えるような質問である。話すのが苦手な人には負担になることもあるので、この2つを取り混ぜて質問するようにする。また、聞かれて嫌なことは後回しにする。当然であるが、面接者本人の好奇心を満たすような質問はしないように注意する。
※参考文献「学校カウンセリングの基本問題」 國分康孝 誠信書房 1987 |
対象生徒の観察 |
・服装、持ち物、顔の表情、言葉遣い、声の大きさや抑揚、身振りや手振り、そして癖などに注意しながら話を聴く。話している内容と態度や表情にギャップがある場合は、どういう気持ちなのか気を付けながら話を聴く。 |