活用力に培う国語科学習の在り方

2 授業づくりの視点

(1) 学習内容の系統性

新学習指導要領 解説では、改訂の要点の1つに「学習内容の系統性の重視」が挙げられ、「国語科の指導内容は、系統的・段階的に上の学年につながっていくとともに、螺旋的・反復的に繰り返しながら学習し、能力の定着を図ることを基本としています。そのため、児童(生徒)の実態に応じ、各領域の指導事項及び言語活動例、さらには〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕を関連付けながら、重点を置くべき指導事項を明確にし、その系統を図っている。」としています。そこで、授業づくりにおいては、まず、学習指導要領の指導事項をもとに学習内容の系統性を明らかにしておくことが大切です。児童生徒にこれまで身に付けた知識・技能を活用させながら、今回の学習で新たに学ばせる知識・技能について意識させること、そして、それらを次の学習につなげていくことを意識して単元を構成していくことが必要になってきます。
(例: 中2授業実践 視点を変えて読んでみよう 「字のないはがき」より)

中学2年生で「視点を変えて読んでみよう」という単元に取り組んだ実践事例があります。ここでは視点を変えて読むためにリライトに取り組ませました。1年次には文学的文章「少年の日の思い出」で、人物の言動に着目させ心情を考える学習をしました。今回は、人物の言動に表れる心情を読み取ることを活用して、同じ文学的文章「字のないはがき」を父親の視点でリライトすることで、その心情に迫る学習をしました。この視点を変えるという学習は、次の文学的文章「走れメロス」においても登場人物の心情を理解する際に活用されることで、定着していくものと考えます。


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最終更新日: 2010-03-08