学校におけるソーシャルスキル・トレーニングの進め方を提案します!

2 研究の実際

(4) ソーシャルスキル・トレーニングに関する活動プログラム

サイトマップ

(ア) アンケート結果を基にした基本スキルの選択

     アンケート結果を基にして、〈基本的なかかわりスキル(あいさつ、自己紹介、上手な聴き方、質問する)〉、〈仲間関係発展・共感的スキル(仲間の誘い方、仲間の入り方、あたたかい言葉かけ、気持ちをわかって働きかける)〉、〈主張行動スキル(やさしい頼み方、上手な断り方、自分を大切にする)〉、〈問題解決技法(トラブルの解決策を考える)〉のそれぞれの中から1つずつ基本スキルを選択し、各校種ごとに活動プログラムを作成していきます。
   
 ○ 選択方法の考え方
     学級でソーシャルスキル・トレーニングを行う場合、学級の実態に合ったスキルを選択する必要があります。スキルを選択する上で気を付けなければならないことは、多くの児童生徒ができていないスキルを選択しないことです。このようなスキルを選択すると、モデルとなる児童生徒が少ないため、練習をするときに失敗することが多くなり、スキルの獲得が難しくなります。学級内の多くの児童生徒がスキルを獲得するためには、学級内に優れたモデルとなり得る児童生徒がいることと、成功体験を繰り返すことが大切です。
    したがって、スキルを選択するためには、児童生徒の実態を把握することがとても重要になってきます。

小林(1999、2010)は、学級におけるスキルの選択基準を次のように述べています。 
 
 【スキルの選択基準】 
  ☆   通常子どもたちの半数以上(6割程度)が、実際に使っているスキル
   ☆   8割程度の子どもは、意識さえすれば使えるスキル
   ☆   1割から2割の子どもが、使うことができていないか、誤った使い方をしているスキル
   
     以上のことを踏まえ、実施したソーシャルスキルに関するアンケート結果を基に、活動プログラムを作成するための基本スキルの選択方法を考えました。
 
 【アンケート結果を基にした基本スキルの選択方法】
  ★ 児童生徒のアンケート結果で「できていない」と回答している割合が10%〜20% の基本スキル
  ★ 教師のアンケート結果で「6割程度の児童生徒ができている」と回答している割合が最も高い基本スキル
     ※ 「できていない」は「あまりしていない(できていない)」と「ほとんどしていない(できていない)」を合計した
     ものです。
   ※ 「8割程度の子どもは、意識さえすれば使えるスキル」については、実施したアンケート結果では判断する
      ことができなかったため、選択方法には入れていません。
   
 ○ 小・中・高等学校別に選択した基本スキル
   本研究では、アンケート結果を基に〈基本的なかかわりのスキル〉〈仲間関係発展・共感的スキル〉〈主張行動スキル〉〈問題解決技法〉の中から、それぞれ1つずつのスキルを選択し、活動プログラムを作成します。
  ただし、小学校においては、本研究で示している「小学校の取り組み方」を基に、低学年では〈基本的なかかわりのスキル〉〈仲間関係発展・共感的スキル〉、中学年では〈基本的なかかわりのスキル〉〈仲間関係発展・共感的スキル〉〈主張行動スキル〉の中から、それぞれ1つずつスキルを選択することとしました。
 
【アンケート結果を基に小・中・高等学校別に選択した基本スキル】
小学校低学年
小学校中学年
小学校高学年
中学校
高等学校
基本的なかかわりスキル
A自己紹介
A自己紹介
B上手な聴き方
@あいさつ
B上手な聴き方
仲間関係発展・共感的
スキル
 G気持ちをわかっ
  て働きかける
 G気持ちをわかっ
  て働きかける
D仲間の誘い方
 G気持ちをわかっ
  て働きかける
D仲間の誘い方
主張行動スキル
−−− 
Hやさしい頼み方
Hやさしい頼み方
Hやさしい頼み方
Hやさしい頼み方
問題解決技法
−−−
−−−
 Kトラブルの解決
  策を考える
 Kトラブルの解決
  策を考える
 Kトラブルの解決
  策を考える
   
   アンケート結果を基に選択した基本スキルの選択方法についてはこちらをご覧ください↓
 
小学校低学年
小学校中学年
小学校高学年
中学校
高等学校
   

Copyright(C) 2011 SAGA Prefectural Education Center. All Rights Reserved.
最終更新日:2011-03-30