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 プロジェクト研究 道徳を通して培う情報モラル

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研究の概要

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 1 研究テーマ

心豊かなコミュニケーション力をはぐくむ情報モラルの指導の在り方
−道徳の教材開発を通して−

 2 テーマ設定の理由

 情報社会の進展により,“ネチケット”などの言葉に代表されるように,児童生徒のコンピュータやインターネットの活用に際しては,チャットやメール,掲示板への書き込みなど,いわゆるネットワークのマナーが問題視されてきた。さらには,コンピュータだけでなく手軽な情報ツールとしての携帯電話が低年齢層にまで広く普及してきている現在では,その手軽さゆえの問題が生じている。つまり,電車や人混みの中での携帯電話の使用に代表されるように,公的な場に私的な部分を持ち込むようになるなど,モラルの欠如が表出しているのである。また,メールや掲示板など情報ツールを使ったコミュニケーションでは,匿名性が高いことからトラブルに巻き込まれる事例も指摘されている。そこで有害情報への遭遇,犯罪被害者・加害者になり得る可能性から,児童生徒の情報ツールにおけるコミュニケーションのモラル指導が強く望まれている。
 情報モラルについては,学校現場で総合的な学習の時間や中学校の技術・家庭科において,コンピュータ学習の中でリテラシーとともに指導が行われてきた。佐賀県教育委員会が実施した,「情報教育及び生命尊重の教育等の取組状況調査」の「情報モラルの指導に関する調査結果」からも,多くの小中学校でコンピュータを活用した授業等で情報モラルの指導が行われていることが分かった。また,同調査の「児童生徒のコンピュータに関する調査結果」から,「所持しているか」「スキルはどの程度なのか」といった面において,保護者の考え方などによって児童生徒の個人差や学年差が大きいことが明らかになった。その指導の困難さを解決する一助として,佐賀県教育委員会では,小学生を対象にした指導資料「コンピュータを利用する際のルールやマナー 〜小学校の先生のために〜」を作成し,各小学校に配布した。未来の情報社会の担い手である児童生徒に,リテラシーの習得と同時に,情報モラルが問われる場面での判断力や実行力を身に付けさせることは重要課題だと考える。そして,その判断力や実行力の育成は情報教育だけの問題で済ませることができない状況にある。
 モラルの指導は,従来「道徳の時間」を中心に行われ,4つの視点を通して心豊かな人間性の育成を目的とした指導が図られてきた。特に,「礼儀」「思いやり・親切」「友情・信頼」「公徳心,規則の尊重」などの内容項目では,周囲とのコミュニケーションの在り方に重点を置いて授業が構成されてきた。しかし,情報ツールとしてのコンピュータや携帯電話の存在が大きくなっている現在,それらを使った新たなコミュニケーションを想定したモラル指導教材や指導事例が強く求められている。
 以上のことから,「道徳の時間」において,コンピュータや携帯電話などの情報ツールを用いたコミュニケーションの場におけるモラルの指導資料や教材を開発し,実践することにより,道徳的価値の自覚を深め,心豊かなコミュニケーション力をはぐくむことができると考え,本テーマを設定した。

 3 研究の目標

 「道徳の時間」において,コンピュータなどの情報ツールを通した相手の立場に立ったコミュニケーション力をはぐくむことのできる指導資料や教材の開発及び指導の在り方を探る。

 4 研究の仮説

 「道徳の時間」において,情報モラルに焦点を当てた指導資料や教材を開発し指導すれば,情報ツールによる相手の立場に立ったコミュニケーション力を身に付けることができるであろう。

 5 研究の内容と方法

(1) 研究の内容
ア 先行事例の研究及び児童生徒の情報ツール使用に関する実態把握
イ 情報ツールを通したコミュニケーション力を高める道徳の指導資料・教材の開発
ウ 授業実践及び児童生徒の変容についての検証

(2) 研究の方法
ア 情報モラルの指導資料としてすでに公開されている教材について内容を検討し,どのように「道徳の時間」と有機的に連携できるか研究を進める。また,児童生徒の情報ツール使用に関する実態把握を行い,情報モラルにおいて焦点化すべき内容について検討する。
イ 情報ツールを通したコミュニケーション力を高める,「道徳の時間」の指導資料や教材を作成する。
ウ 情報モラルに焦点を当てた指導資料や教材を用いて検証授業を行う。また,児童生徒の検証授業後の変容について分析し,開発した指導資料や教材の有効性を明らかにする。

 6 研究情報の発信

 研究情報の発信として,Web上での発信に加え,2年次のまとめとしてパンフレットの発行を予定している。パンフレットには,すぐに使える実践授業の概要や指導案などを掲載し、あわせて資料や教材のダウンロードページURLを紹介し、先生方の活用を図りたい。

 7 研究推進計画
  平成17年度 2か年計画 第1年次 平成18年度 2か年計画 第2年次
研 究 行 程 研究委員会 研 究 行 程 研究委員会
4 研究要項作成   第1年次研究の考察  
5 研究要項作成・理論研究   研究の方向性についての再検討  
6 研究の方向性についての検討 第1回研究委員会 新たな研究の方向性に沿った研究要項の作成 第1回研究委員会
7 先行事例の研究
児童生徒の実態調査
第2回研究委員会 検証授業の指導案作成 第2回研究委員会
8 実態調査の集約及び分析   検証授業の指導案作成  
9 検証授業の指導案作成 第3回研究委員会 指導案の検討と修正 第3回研究委員会
10 指導案の検討と修正 第4回研究委員会 検証授業及び指導方法の工夫と改善 第4回研究委員会
11 検証授業及び指導方法の工夫と改善 第5回研究委員会 検証授業 第5回研究委員会
12 検証授業 第6回研究委員会 検証授業の考察とまとめ 第6回研究委員会
1 検証授業の考察とまとめ   研究報告書の作成  
2 研究報告書の作成 教育実践交流会 研究報告書の作成  
3 Web上での発信作業   研究報告書の発行  

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