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 プロジェクト研究 道徳を通して培う情報モラル

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小学校実践事例2

実施学年 小学4年生

内 容 事前に掲示板の体験をし,その体験をもとに,掲示板でのトラブルを取り扱った自作資料を用いて,自己の行為を省みる。

主題名 ことばの大切さ  2−(1)礼儀

資料名 「おせなかったボタン」 (自作資料)

授業記録 をクリックすると動画,をクリックすると静止画を見ることができます。
教師の発問(◎は主発問) 児 童 の 反 応
○さて,2つの円グラフを作ってきました。
このグラフ何のグラフでしょう。


○この前悪口についてのアンケートとったでしょう。2つのグラフは少し数字が違うでしょう。


○アンケートは2つとったよね。
◎どっちがどっちだと思う。





○正解,実はこっちです。言われたことがある方が多いんです。なぜだと思う?

○言った本人は悪口と気付いていないのではないかということだね。


○今日のお話には,3人の人が登場します。
あさみさんとかなえさんとたかこさんが出てきます。主人公のあさみさんの気持ちを考えて聞いてください。

●ではお話を読みます。
(分断提示1 資料4行目まで)

○みなさん,この前掲示板を体験したけど,どうでしたか。
○返事が来たらどうでした?
○ところで掲示板って何かな?

○インターネットだから誰でも見れるんだったね。なぜ掲示板ってあるんだろう?
○すばらしい言葉を知ってるね。コミュニケーションって何かな?交流をするときにも使いますね。

●分断提示2 資料7行目まで
○みなさんはどうですか。


○あさみさんが近頃,インターネットの掲示板に凝っているのはなぜでしょう?
○友達がほしいってことかな。
○そうそう楽しいね。まだありますか?

○なるほどね。経験のないわりにはすごいこと知っているね。


○楽しいですよね。
○交流ができる。いろんな人と知り合いになれる。

●分断提示3 資料20行目まで

○かなえさんから「たかこさんが悪口を言ってる」と聞いたあさみさんは,どんなことを考えたでしょう。   

○たかこさんに対して怒っているんだね?いろんな角度から考えてみてね。




○「何で言ったんだろう」と思うよね。



○先生のところによく来る人いますよね。

●分断提示4 資料28行目まで

○いっしょに読んでみましょう。

けんかのこと,すききらい,口げんか,
いやみ,悪口

<悪口を言われたことがある>
 85%・・・23人 15%・・・4人
<悪口を言ったことがある>
 74%・・・21人 26%・・・6人

つぶやき
・「悪口を言ったことがある」が上。
・「悪口を言ったことがある」は下だと思う。
(ぼくも同じです)


・その人が何人もの人に悪口を言ったから。


・悪口を言った人が悪口と思っていない。
・1人で5人くらいの人に悪口を言ったから。










・おもしろかった。楽しかった。

・嬉しかった。
・誰でも自由に見られるチャットのようなもの

・コミュニケーションをとるため。

・交流




・ゲームをしまくっていてお母さんに怒られる。


・友達がいないから
・メールのやりとりが楽しかった
・学校の人にいじめられているとか,悩みを打ち明けるために使っている
・友達がいたけど,ある日避けられた。
・こそこそ話とか言われていやだった。それで他に友達が欲しいからインターネットの掲示板に凝っている。

・いろいろな知らない人と交流できるのが楽しい。




・同じように「たかこむかつく!」と言って仕返しをする。


・あさみさんが使っているインターネットで,たかこさんに仕返し(悪口)を言う。
・もう一度仲直りをしたい。
・仲がいいのに本人に言ったら余計仲が悪くなるから,インターネットで知り合った友達に相談する。
・たかこさんは何でそんなことを言ったんだろうと考える。
・そのままにしておく。
・悪口じゃないけど,他の人に相談すればいい。
・他の友達や先生に相談する
◎もう一度,書き込んだ悪口を見たあさみさんがはっとしたのはどうしてでしょう。
◎いろんな意見を聞いてみたいと思います。





○相手の人が悲しむってことね。もし見たら泣き続けるんじゃないか。

○ちょっと難しいけれども,衝動的といいますよね。突然行動してしまうようなことを言います。みんないきなりだったり,自分でも分からないうちにしてしまうこととかあるよね。

○もし,ここに自分の名前が入っていたらどうだろう。心の中で自分の名前を入れて読んでごらん。もう1回読んでごらん。どうだった?






○相手のことを考えたときに,自分がされても嫌なんだから・・・ということだよね。


○掲示板ってどんなのだったかな?

○友達だけじゃなく,誰でも見られるよね。
もし掲示板に自分のことじゃなくても他の人のことでもそんな悪口があったら見たいと思う?

●分断提示5 資料28行目まで
(・・・たかこの家にむかった)

○悪口,言ったことがある人もいるけど,言われた人もいっぱいいるよね。
言われてどんな気持ちだったかな?


○言われた方はたまらないよね。


○悪口を言う方はどんな気持ちで言ってるのだろう?

○みなさんが,これからインターネットやメールをしたり,携帯もあるかも知れませんが,そういう機会は増えていくと思う。掲示板や普通に話すとき,どんなことに気を付けたらいい思いますか。


○おうちでの兄弟喧嘩もすさまじいみたいですね。弟もたまらんやろね。



○何で悪口を言わない方がいいの?







○相手に対して,気持ちを考え思いやりをもてばいいだよね。
いいこと言うけど,がんばれるかな。
そう思うことが大事よね

○自分がいやだと思うことは相手も思うんだよね。
・ずっと友達だったから,こんなことはしてはいけないと思ってはっとした。
・あまり悪すぎることを書き込んでしまったので,こんなこと書いちゃいけないし,たかこさんが悲しむ。


・何でこんなことを書いたんだろうと思ってはっとした。








・いつも言われてる。
・もし自分がこんな書き込みをされたらむかつく。
・嫌な気持ちになる。
・これを本当に書き込んだら,もっと仲が悪くなると思う。
・自分も嫌だから,きっと相手も嫌だ。
・もし反対に「あさみうざい」と書かれたら自分も嫌になる。それが大きくなって先生に伝わったら怒られる。

・だれでも見られる,先生も見られる



(見たくない)


(え〜 どうなったの?)



・嫌な気持ち
・相手に仕返しをしたい気持ち
・暗い気持ちになる
・ずっと言われ続けていれば他に八つ当たりしたくなる。

・軽い気持ち。




・悪口を言わないようにする。
・悪口になりそうな話をしない。
・けんかをしない。


(うちのけんかもすごいよ)


・ちょっとしたことで怒らない。
・人の傷つくことを言わない。
・けんかになる。
・ちょっとしたことで言い合いになる。
・けんかになって外に出されたこともある。
・思いやりをもつ




・自分が言われて嫌な悪口は人にも言わない。


・思わず言ってしまったときにはすぐに謝る。
・相手が恨みをもつようなことを言わない。
<教師の説話>
 先生の体験を話します。先生は3つのホームページを作りました。「南川副小学校のホームページ」「わたしたちの佐賀」そして「てつぼうランド」です。どれも一生懸命作ったので,多くの人たちに見てもらいたいと思っています。ある日「てつぼうランド」を見た人からメールが来ました。
「先生の教材で遊ばせていただきました。とても楽しみながら勉強でき,生徒さんにとってもいい教材だと思います。」
これを見たとき嬉しかったです。「また,がんばろう。工夫していこう」と思いました。   
 てつぼうランドには質問もたくさん来るんですが,ある日こんなメールが来ました。
「ビデオを見たけどみんな下手でした。」              
先生はがっかりしました。あれは体操選手のようにとても上手な人が見るためのページではなく,できない人のヒントになるように作ったものです。あまりにも上手すぎると最初からやる気がなくなるでしょう。だからがんばってできた人の技を載せていたんです。本当にがっかりしました。
 2〜3日後にまたメールが来ました。              
「先日,娘が大変失礼なメールを送り申し訳ございませんでした。お返事をいただいて初めて娘がメールを送ったことを知りました。娘は小学校3年生です。つい最近まで逆上がりもできなかったのですが,放課後毎日のように練習し逆上がりを始め,いろいろな技ができるようになりました。てつぼうについてインターネットで検索しそちらのホームページを見つけたようです。私どもは海外で生活をしており,娘は日本の学校のホームページを見て楽しみにしております。」        
 先生は,3年生だから寂しかったのかなあと思いました。自分ももっとお友達がほしかったのかなと思いました。先生はこの返事で謎が解けて,スッキリしました。その後,このお母さんと娘さんにまたお返事を出しました。

○この授業で感じたことなどを書いてください

○そうなんです。最初に出すとすぐあさみさんのしたことが分かってしまうかなと思って,初めに出しませんでした。

○感想のところは自分が感じたことを書いていいよ。発表してください。





○一度も発表できなかった人いませんか?




・へーっ,「おせなかったボタン」というのが題名なんだ。


・あさみさんはボタンを押さなくてよかったと思います。そのあとたかこさんと仲直りしている光景が目に浮かびました。
・あさみさんにとって,たかこさんはとても大切な友達だと思います。ボタンを押さなくてよかったと思います。

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