「児童生徒一人一人が居心地のよさを感じる学級集団づくり」について提案します!

             
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イ 小学校(高学年)における実践
友達のよさを再発見する単学級での取組
 
対応策
 
 
(イ) 対応策
 
1 研究委員による対応策の検討
 本研究では対応策の検討に当たり、「検討会シート」を用いています。 →「検討会シート」についてはこちら
 本学級においては、「Q−U」の結果からリレーションが小グループの決まったメンバーだけで構成されていることが考えられるため、学級担任はリレーションを学級全体に広げる取組を優先して行います。リレーションの確立に向けて検討会で出された対応策は、以下のとおりです。
・A、B、C、Dへの声掛けやほめる場面を意図的に増やして日常観察を行う。必要に応じて、個人面談を実施する。
・Cへの対応について、養護教諭やスクールカウンセラーと連携して様子を見ていく。
・ 「よさ見つけカード」「ほめほめカード」「ありがとうカード」を活用する。
・グループ学習を取り入れた授業を多く仕組む。
・毎週金曜日に、生活班のメンバーの中からMVPを選出する「今週のMVP」を実施する。
・声掛けやほめる場面を増やす。
・行事ごとに実行委員会を組織して、学級の自治的な力を高める。
・係活動を活性化させる。
・行事後に「ヒーロー見つけ」を実施し、友達の頑張りに気付く時間を設ける。
・リレーションを高める、構成的グループエンカウンターの授業を行う。
・グループワークトレーニングの授業を行う。
・ソーシャルスキルトレーニングの授業を行う。
 
2 対応策の選択及び計画
【集団について】
  単学級で生活していることもあり、友達に対する固定化された見方を変える機会が少ないため、児童同士が認め合う場面を設定することで、児童の自己肯定感を高めるきっかけにします。
   授業では、学級担任と連携しながら、まずはリレーションを高めることをねらいとする構成的グループエンカウンター(SGE)を取り入れた授業を展開していきます。同時にルールの確立を更に図ることをねらいとしたソーシャルスキルトレーニング(SST)の授業(「あいさつ」「上手な聴き方」「仲間の誘い方」)も行います。それぞれの授業後には、チャレンジ週間を設定し、スキルの定着を図ります。また、グループワークトレーニング(GWT)を取り入れた授業を実践し、児童同士が協力したり、認め合ったりする場面を意図的に設定していきます。授業実践後には毎回アンケートを実施して、児童の実態把握に努め、学級担任との連携を密にしていきながら、学級集団や個人の状態に応じた支援について実践します。
  授業以外では学級担任と連携して、友達のよさや頑張りを見付け、認め合う時間を意図的・計画的に設定していきます。最初に、「よさ見つけカード」を利用して友達のよさに目を向ける活動を取り入れます。また、学級担任から児童への意図的な声掛けとともに、日々の学習の時間にグループ学習を多く取り入れ、友達の頑張りやよさに気付かせるように仕組みます。毎週金曜日に生活班のメンバーの中から頑張った児童を選出する「今週のMVP」を実施したり、行事ごとに実行委員会を組織して、行事後に「ヒーロー見つけ」を実施したりと様々な視点から友達のよさを再発見できるようにしていきます。
【個人について】
<Aについて>
 Aが抱えている困っていることを把握するために、個人面談を実施します。また、友達とかかわっている様子を観察し、トラブルが生じないかかわり方をしていたときは、その都度ほめるようにしていきます。またトラブルが起きた場合は、話を聞いて、どのようにかかわればよかったのかを振り返らせるようにします。
<Bについて>
 Bの日常観察を心掛け、頑張っていることを学級全体に知らせるようにして、Bに対してのイメージを変えるようにします。また、トラブルが起きた場合は、詳しく話を聞き、どのようにかかわればよかったのかを考えさせるようにします。
<Cについて>
 Cには早急に個人面談を実施し、困っていることを把握した上で、声掛けやほめる場面をあらゆる活動の中で意図的に増やしていきます。場合によっては、養護教諭やスクールカウンセラーとの連携も図っていきます。
<Dについて>
 Dにはタイミングを見て声を掛けるようにし、学級担任との信頼関係を築いていきます。また、ほめる場面を意図的に設け、Dの頑張っていることを学級全体に知らせるようにしていきます。
 
3 実施した対応策
時期
活動内容
ねらい
展開
ワーク
シート等

  学級担任と
   連携した取組

5月
「Q−U」(1回目)実施
学級集団や個人の様子について学級担任との情報交換(「学級把握シート」作成)
研究委員による対応策の検討
検討会を受けて学級担任との事前打合せ及び実践計画の作成
6月
実践@
SGE
「聖徳太子ゲーム」
選択理由

・児童のリレーションを高めると同時に、一人ではできないこともグループで協力すればできるという体験を通して、友達と協力することの大切さに気付かせる。
・A、B、C、Dへの声掛けやほめる場面を意図的に増やし、日常観察を行う。
・Cは、養護教諭やスクールカウンセラーと連携して様子を観察する。
・「よさ見つけカード」を活用する。
・グループ学習を取り入れた授業を多く仕組む。
・「今週のMVP」を実施する。(毎週金曜日に生活班のメンバーの中からMVPを選出する)
・行事ごとに実行委員会を組織する。
・行事後に「ヒーロー見つけ」を実施する。
9月
実践A
SST
「仲間の誘い方」
選択理由
・仲間を誘うことの意義や大切さを理解し、友達を遊びや活動に誘うスキルを高めさせる。
10月
実践B
GWT
「お祭りにいこう」
選択理由
・グループ活動を通して、これまで知らなかった友達の新たな一面に気付かせる。
・みんなで考えると、よいアイデアが生まれることに気付かせる。
10月
実践C
GWT
「ぽんぽこ湾での釣り大会」
選択理由
・グループ活動を通して友達のよさに気付かせる。
・協力して課題に取り組んでいく活動を通して、協力することの大切さを再認識させる。
10月
「Q−U」(2回目)実施
11月
「Q−U」(2回目)を受けての学級集団や個人の実態把握及び考察
※ 各実践の前後に、学級担任との情報交換や授業の振り返りを行いました。
 
<実践内容の選択理由>
実践@ SGE「聖徳太子ゲーム」                           →元の位置に戻る     →この実践の展開へ
   リレーションづくりのきっかけになるように「聖徳太子ゲーム」を行いました。「聖徳太子ゲーム」はゲーム性が高く、みんなで楽しむことができ、グループのメンバーと協力するエクササイズであり、一人ではできないことも協力すればできるという体験を通して、協力することの大切さに気付くのではないかと考えて選択しました。
 
実践A SST「仲間の誘い方」                 →元の位置に戻る     →この実践の展開へ
   ルールの定着を図ることを目的に実施しました。事前にSSTのアンケート及び集計ツールを使って「12の基本スキル」に関する実態調査を行いました。実態調査を基に学級担任との打合せを行い、学級の実態を考慮して「仲間の誘い方」のスキルを選択しました。
 
実践B GWT「お祭りにいこう」                →元の位置に戻る     →この実践の展開へ
   グループで活動する機会の多い学校行事前ということもあり、GWTを取り入れました。「お祭りにいこう」は、課題にも取り組みやすく、経験のない場合でも取り組みやすい内容であり、グループのメンバー全員に役割があり、協力することで課題を達成できる内容になっているため、友達の頑張りやよさが見付けやすいと考えて選択しました。
 
実践C GWT「ぽんぽこ湾での釣り大会」          →元の位置に戻る     →この実践の展開へ 
   実践Bの続きとして位置付け、いろいろな友達とかかわれることを目標として、前回とは違うメンバーでGWTを実施しました。前回取り組んだ課題よりも少し難しい課題を用意して、児童のチャレンジ意欲を高めました。グループのメンバー全員に役割があり、協力して課題を達成していく内容で、友達の頑張りやよさが見付けやすく、新たなグループのメンバーの頑張りやよさに気付くことができると考えて選択しました。
 
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