「児童生徒一人一人が居心地のよさを感じる学級集団づくり」について提案します!

               
現在の位置: 2 研究の実際  (5) 対応策の実施 イ 小学校(高学年)における実践  (ウ) 変容と考察
                   
イ 小学校(高学年)における実践
友達のよさを再発見する単学級での取組
 
変容と考察
 
                   
(ウ) 変容と考察
 
1 実践後のアンケート (「Q−U」) 結果(10月下旬)
 

 

 

 

 

          図5−イ−2 実践後のアンケート (「Q−U」) 結果(10月下旬) 
 
2  考察
【集団について】
学級生活満足群に位置する児童の割合は前回と変化がありませんでした。しかし、学級全体の承認得点合計は519点(1回目)から534点(2回目)へ上がり、学級全体の被侵害得点合計は223点(1回目)から218点(2回目)へ下がり、ルールとリレーション共に高まりが見られました。
・学校生活意欲プロフィールでも「友達関係(全国平均9.4)」が10.4点(1回目)から10.8点(2回目)、「学級の雰囲気(全国平均9.2)」が10.5点(1回目)から11.0点(2回目)へ上がっていました。全体的により落ち着いた学校生活を送ることができています。構成的グループエンカウンター(SGE)、ソーシャルスキルトレーニング(SST)、グループワークトレーニング(GWT)を取り入れた授業や日常のかかわりの中での対応策を継続した成果だと考えます。
・授業後のアンケートや振り返りシートから、「協力して取り組むことの大切さ」を児童自身が実感したことがうかがえました。これは、グループで協力することをねらいとしてSGEやGWTを計画的に取り入れた結果だと考えます。
・学校行事の前に、自分のカード内容を友達に伝えるという役割をもつことのできるGWTを取り入れたことで、自分の役割を果たすことの大切さを実感できたのではないかと考えます。友達と協力しながら自分の役割を果たすことによって、課題を解決してグループ活動がスムーズにいった充実感が生まれて次の活動への意欲が高まり、学校行事等で進んで活動する児童が増えました。
・全体的に行動に時間が掛かり、次の活動に遅れることがありました。学級担任の声掛けや様々な行事を体験することで、徐々に時間を意識しながら行動できるようになってきました。  
 
【個人について】
<Aについて>
・前回同様、学級生活不満足群に位置していますが、承認得点と被侵害得点が前回よりも高くなっています。理由としては、授業実践において、ほめられたり認められたりする場面を意図的に多く取り入れたことが考えられます。学校行事では、自分の役割を務めたことを他の職員や友達にほめられていました。また、GWTの授業での振り返りの場面で行った互いに認め合う活動も承認感を高めることに有効だったと考えます。しかし、意見の違いから言い合いに発展することもあり、不満に思ったことを学級担任に話す回数には変化が見られません。今後も日常観察や声掛けを継続していくことが必要だと考えます。
<Bについて>
・学級生活不満足群から非承認群に移行していました。承認得点と被侵害得点が前回よりも高くなっています。特に、被侵害得点は6点下がっていました。休み時間には読書をして過ごすことが多く見られましたが、SSTの「仲間の誘い方」の学習後、友達から誘われることが多くなりました。これは、周囲のBに対する見方が変わり、接し方が優しくなったことが考えられます。現在は友達とのトラブルも減って、友達と一緒に遊ぶことが多くなっています。学校行事での成功体験が自信につながったことや、学級担任や友達からほめられたり認められたりする場面を、意図的に取り入れたことなどが理由として考えられます。
<Cについて>
・侵害行為認知群から学級生活不満足群に移行していました。その理由として、一部の友達とのトラブルが続いていることが考えられます。しかし、他の学級の友達との関係は良好で、学習中や行事にも意欲的に取り組むことができています。今後も、他の職員や保護者との連携を図りながら、日常観察や声掛けを継続していくことが必要だと考えます。
<Dについて>
・非承認群から学級生活満足群に移行しており、承認得点と被侵害得点が前回よりも高くなっています。4月当初に比べ、自分の役割を責任をもって果たすことができており、落ち着いた学校生活を過ごすことができています。また、自分の得意なことを友達にほめられたり、責任感の強いところを学級担任からほめられたりすることが多く見られました。これは、友達のよさを見付けるSGEやGWTを計画的に行った成果だと考えます。

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