話合い活動のよさを生かした学級活動内容(2)の授業を提案します。

2 研究の実際

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(5) 授業実践

  本研究が提案する授業モデルを基に小学校で行った実践例を示します。

【小学校第6学年】学級活動内容(2)における授業実践

題材

学習態度の形成

 
ア 希望や目標をもって生きることについて
段階
活 動 過 程
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○ 題材設定
【題材設定】

自分たちの生活の中から「直したいこと」「気をつけたらもっとよくなること」を振り返らせる。問題点を付箋紙に書かせ、グループで仲間分けをした後、学級全体でどんな問題が多いかを考えて、題材を決めさせる。

○ アンケート調査
【アンケート】
話の聞き方アンケートを実施する。(実態の把握、意識付け)
 第1回計画委員会
【原案】
 教師と計画委員会で、題材名、話合いのめあて、柱などを考えて原案に書く。
役割分担をする。(司会、進行、黒板記録、ノート記録など)
 原案の配布
原案に自分の考えを前もって書き込ませる。

 ペア活動
【ペア活動】
ペアで聞き合うことで、学級会ノートに書いた自分の意見を確認したり書き加えたりさせる。
 第2回計画委員会
話合い活動の準備と打合せをさせる。
 

本時の

 題材
聞き方名人になろう
提案理由
6年○組のみんな授業はだいたいきちんと受けることができています。でも、ときどき、先生や友達の話を聞かずに、近くの人とおしゃべりをしたり、ノートに落書きをしたりしています。みんなが真剣に話を聞いて、授業を受けるためによい方法を考えたいと思って提案しました。
話合いのめあて
6年○組全員が本気で話を聞き、授業に取り組むために、今の自分や6年○組に合うような方法を考えて意見を出そう。
友達の意見を最後まで聞き、よい考えを自分のめあてに取り入れよう。
話合いの流れ
1 はじめの言葉
2 運動会での応援歌
3 役割の紹介

4 題材の確認

5 提案理由

6 話合いのめあての確認
  7 話合いの柱の確認 

8 話合い
柱1を話し合う前の先生の話

   

柱1 6年○組のみんなは本気で話を聞き授業に取り組んでいるか。
自分ができた問題を友達や先生が説明しているときに聞いていないことがあります。
先生が黒板に書いているときに、友達と話すことがあります。
先生が大切な話をしているときに聞いていないときがあります。
眠たいときやきついときに話を聞いていないときがあります。
 
    【話合い活動の様子】
柱2に向けての先生の話
【アンケート結果からの話】
柱2 本気で話を聞き、授業に取り組むことは、なぜ大切なのか。
人の話を聞いていないと、大事なところを聞きのがして、自分が困るからです。
友達同士でも、話を聞いてもらえないと嫌な気持ちになるからです。
話を聞くと勉強が進んで、自分のためにもなるからです。
先生が話しているときに、おしゃべりをしていると他の人が聞こえないからです。
   
柱3に向けての先生の話




柱3 本気で話を聞き授業に取り組むためにはどうすればよいか。
先生や話している人の方を見る。
他の人が話をしていたら、その人を注意する。
ノートをしっかり取り、違うことをしない。
相手が話しているときには、相手の目を見て話を聞く。
   
めあてを決める前の先生の話
 
9 めあてを書く
10 話合いの気付き
11  ○○賞の発表 
12
  先生の話
 

 
 
13 終わりの言葉





○ めあての掲示

具体的なめあてを「ふり返りカード」に記入させ、教室に掲示する。

 
○ 実践活動
授業中、友達の発表をしっかり聞いています。
   
○ 振り返り活動
週の間で実践の振り返りをし、その後の実践に生かします。
 

前半のめあて
前半3日の
日々の実践の振り返り
前半の振り返りと
ペアによるコメント
前半の反省を踏まえて変更する児童は記述する
後半のめあて
後半3日の
日々の実践の振り返り
後半の振り返りと
ペアによるコメント
   
<ふり返りカード>
 児童は話合い活動を経て自分のめあてを設定し、日々の振り返りを行いながら実践に取り組みました。ここでは、ペア活動後のアンケート、話合い後のアンケート、実践後のアンケート、「ふり返りカード」、学級会ノートの記述及び教師に観察により児童の変容を見ました。
○ 意欲の高まりの感じられる児童の感想
 
先生や発表する人が話しているのを、しっかり最後まで聞くようになりました。
 
みんな前より、聞き方が数段よくなりました。そのおかげで授業が楽しく感じるようになりました。
  授業中の態度を自分でも考えるようになりました。中学校では自分で気をつけて勉強をしないといけないので、そのくせがつくからいいと思いました。
  しゃべっていいときと、いけないときを自分で気を付けることができるようになりました。そして、授業中だけじゃなく、他のときも人の話をしっかり聞こうと思うようになりました。
○ 教師の感想から見る、話し合い活動を取り入れた指導のよさ
 
ペア活動を積み重ねたことで、「これはいつのこと?」「例えば、どんなときにそう思ったの?」 「ここはもう少しくわしく書いた方がいいよ」など、互いにアドバイスし合えるようになりました。学級会ノートに書いていた自分の考えも、より具体的になり、それを学級会のときの発表で生かすことができるようになりました。
 
ペア学習のときに自分の考えを伝えることに自信がつき、他の教科ではなかなか挙手をしない子どもも、学級会のときには積極的に発表する姿が見られました。全体的にも、たくさんの友達の考えを聞こうとするあたたかい雰囲気の話合いをすることができました。
 
自分のめあてを立てるときには、「友達の意見の方が自分に合っている」と考えを変えたり、「自分の考えに、友達の意見をつけくわえよう」と加筆修正したりするなど、自分のこれまでの実態に合ったものにしようと考える子どもが増えました。 
  話合いの中で、子どもたち自身の言葉で、 「話を聞くことの大切さ」は「自分のためでも、相手のためでもある」と確認しあったことで、 話合い後の授業では、それぞれが意識をしながら、聞くことができるようになりました。
  実践の1週間の途中で、めあてを振り返る活動は、自分なりに「できている」「あまりできなかった」という評価ができ、修正したり、そのまま続けたり、とそれぞれが自分に合っためあてを再確認できたと考える。 
  実践の一週間の途中で、めあてをペアで振り返る活動を行うと、自分なりに「できている」「あまりできなかった」という評価ができ、修正したり、そのまま続けたり、とそれぞれが自分に合っためあてを再確認できました。 

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