これからの算数科学習指導について提案します!

これからの授業に役立つ授業プラン

この授業プランについて  

改訂された学習指導要領では、算数的活動のより一層の充実と、基礎的・基本的な知識・技能を活用することを通して思考力・判断力・表現力を育成することが求められています。また、その手立てとして、算数の知識を基に発展的・応用的に考えたりする活動や考えたことを表現したり、説明したりする活動等が示されています。

そこで、本研究では、知識・技能を活用することを通して数学的な思考力・判断力・表現力をはぐくむための算数的活動を取り入れた授業の実践例を提案することとしました。

単元名  小数「はしたの大きさの表し方を考えよう」(東京書籍 小学校4年上)  総時間数 11時間

[ 授業提案1 ]
この学習単元では、問題解決的な学習の中で、作業的な活動や具体物を用いた活動を通して、学習し身に付けたものを活用するとともに、学び合いの学習過程において、自分の考えを表現する活動や友達に自分の考えを説明する活動を取り入れながら、数学的な思考力・判断力・表現力の育成を目指しています。
1 目標
(1) 小数を用いた数量表現のよさに気付き、進んで課題を解決しようとする。
【算数への関心・意欲・態度】
(2) 小数のしくみや加減計算の処理の仕方について考えることができる。
【数学的な考え方】
(3) 端数部分の大きさを小数を使って表したり、十分の一 の位までの加減計算をしたりすることができる。
【数量や図形についての技能】
(4) 小数の意味や表し方、小数の加減計算の意味や処理の仕方を理解する。
【数量や図形についての知識・理解】
2 単元とその指導について
(1) 教材観
  本単元は、小数の意味とその表し方について理解するとともに、小数の加法、減法の意味について理解し、それらを適切に用いる能力を高めることを主なねらいとしています。 小数については、本単元が新出内容ですが、これまでに整数の意味や表し方について基礎的な学習を行ってきています。また、「量と測定」の領域では、長さや体積の測定に関して、「9pと2oを合わせると」、「3Lと6dLを合わせると」などのように表すことを学習してきています。 本単元では、これらの経験を踏まえて、端数部分の大きさを表すのに小数を用いることを理解し、それらを適切に用いることができるようにすることを主なねらいとしています。また、小数についてもこれまでの整数と同様、加法及び減法が考えられることを知り、それらの計算の仕方を考え、計算ができるようにすることもねらいとしています。
(2) 指導観

指導にあたっては、小数の意味とその表し方について、図や数直線を基に考えさせたり、整数と比較させたりしながら、理解をより確かなものにしていきます。小数は整数の場合と同じように十進位取り記数法で表現されています。したがって、小数を整数との関連で理解させ、小数も十進位取り記数法を使って大小比較や計算などに生かさせることが重要になってきます。単に一方的に説明するだけの指導は避け、児童自らが図で表現したり、言葉で説明したりするなど、主体的に課題解決に取り組む算数的活動の場を設定する必要があります。

小数の加法、減法についても、小数が整数と同じ十進位取り記数法であることから、整数と同じ計算の仕方が使えるといって安易に計算技能の習得を急ぐことのないようにします。図や数直線を利用しながら、小数の構成と整数の関連から理解させるようにします。筆算についても、0.1を基にした考え方や位ごとに計算する考え方を十分に理解させてから、小数の構成と筆算の形式とを関連付けて指導していきます。

 また、小数の意味とその表し方、及び小数の加法、減法の学習場面の双方において、児童に自己の考えを記述し、説明する楽しさを味わわせます。そのために、練り合いの過程において、小集団による話し合い活動を積極的に取り入れ、目的意識をもって主体的に課題解決に取り組ませます。
(3) 算数的活動について
  本単元では、「小数の大きさを比べる活動」や「計算の仕方を考え、説明する活動」を通して、数学的な思考力・判断力・表現力を高めることをねらいとしています。そのためにも、小数を具体物、図、数直線を用いて表したり、大きさを比べたりする活動を多く経験させます。そうすることで、小数の意味と表し方をとらえたり、小数の加法、減法の計算の仕方を既習事項と結びつけて自ら考えることができます。また、自分の考えを説明する活動だけでなく、友達の考えを読み取ったりつなげて考えたりする活動を取り入れます。相手とのつながりを意識して説明をする経験を多く積ませることで、思考の深まりと算数的な表現力の高まりが見られるのではないかと考えます。
3 単元計画(全11時間)
小単元
学習のめあて
時数
中心となる学習活動(位置付けた主な算数的活動)
評価規準
はしたの大きさの表し方 「小数」はどんなところに使われているか見つけよう。
《1/11の展開》
1

11
・日常生活の中で、使われている小数を見つけ、整数との共通点や相違点について考える。

(具体物を用いた活動)
(探究的な活動)
・進んで日常生活の中で使われている小数を見つけたり、小数が使われている理由について話し合ったりしようとしている。
【関心・意欲・態度】
1Lより少ないかさの表し方を考えよう。
《2/11の展開》
2

11
・1L未満のはしたのかさを表す方法を考え、小数の意味を理解する。

(振り返る活動)
(説明する活動)
・1Lより少ないかさの表し方を考えることができる。
【数学的な考え方】
・小数の表し方や意味を理解することができる。
【知識・理解】
紙テープの長さを小数で表してみよう。
《3/11の展開》
3

11
・紙テープの長さをpだけで表す方法について話し合う。
(探究的な活動)
(説明する活動)
・長さや重さについて小数で表すことができる。
【技能】
小数の仕組み 小数を数直線に表そう。
《4/11の展開》
4

11
・数直線上の小数を読み取ったり、小数を数直線上に表したりする。

(説明する活動)
・数直線上にある小数を読み取ったり、小数を数直線上に表したりすることができる。
【技能】
1.8のひみつを調べよう。
《5/11の展開》
5
/
11
・小数の構成について調べたり、数の相対的な大きさについて考えたりする。

(探究する活動)
(説明する活動)
・1.8の構成について様々な考え方を表そうとしている。
【関心・意欲・態度】
・小数の構成や小数の大小関係を理解している。
【知識・理解】
小数のたし算とひき算 小数のたし算の仕方を考えよう。

《6/11の展開》詳細
6

11
・小数のたし算の意味について理解し、計算の仕方を考えることができる。

(探究的な活動)
(表現する活動)
(説明する活動)
・0.5+0.3の計算の仕方について言葉や数、式、図、数直線などを用いて表現し、説明することができる。
【数学的な考え方】
小数のひき算の仕方を考えよう。
《7/11の展開》
7

11
・小数のひき算の意味について理解し、計算の仕方を考えることができる。

(探究的な活動)
(表現する活動)
(説明する活動)
・0.8−0.3の計算の仕方について言葉や数、式、図、数直線などを用いて表現し、説明することができる。
【数学的な考え方】
1より大きな小数のたし算の仕方を考えよう。
《8/11の展開》
8

11
・整数のたし算の筆算を基にして、小数のたし算の筆算について考えることができる。

(振り返る活動)
(説明する活動)
・小数の加法筆算について、整数と同じように位をそろえて計算することができる。
【技能】
1より大きな小数のひき算の仕方を考えよう。
《9/11の展開》
9

11
・整数のひき算を基にして、小数のひき算の筆算について考えることができる。

(振り返る活動)
(説明する活動)
・小数の減法筆算について、整数と同じように位をそろえて計算することができる。
【技能】
まとめ 今までの学習をたしかめよう。
《10/11の展開》
10

11
・学習内容を振り返り、練習問題に取り組む。 ・小数の意味や表し方、小数の加法、減法について理解している。
【知識・理解】
小数のたし算やひき算をつかって考えよう。

《11/11の展開》詳細
11

11
・小数のたし算とひき算をつかって日常生活の中の問題場面を解決することができる。

(応用する活動)
(表現する活動)
(説明する活動)
・既習内容を関連付けながら適用問題に取り組もうとする。
【関心・意欲・態度】
・特産品の組み合わせについて、自分の考えを表現し、説明することができる。
【数学的な考え方】

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最終更新日:2011-03-30