効果的な情報伝達(さまざまな情報伝達)

単元名

効果的な情報伝達(4〜6時間) 【(1)情報を活用するための工夫と情報機器 イ.情報伝達の工夫】

単元について

 ここでは,伝達する情報には、それに適した提示方法があることを、実習を通して理解させる。
例えば,@伝達する相手によく分かってもらうために表現を工夫すること。
AWebページに画像を入れ過ぎたり電子メールにサイズの大きな貼付ファイルを付けたりすると
受け手の負担になること。などを,実際の活動を通して体験的に理解させる。扱う題材としては,
日常的で様々な伝達方法が考えられるものが望ましい。例えば,「自己紹介」,「クラブ活動紹介」,
「学校案内」などの題材が考えられる。
 ここで体験する学習活動は,次の内容(2)の導入ともなるので,(2)の実習とつながるように
課題を工夫することが大切である。また,ここだけの完結した活動にする必要はない。

単元の目標


(1)情報を伝達する前提条件として、情報をある一定量収集・整理しておく必要があることを理解する。。
(2)情報を的確に伝達する為には、情報の受け手の状況を想定して、伝達の目的、伝達する相手の状況や
   伝達内容により表現方法を工夫する必要があることを理解する。
(3)いろいろな情報伝達方法の中から、伝達内容に適した提示方法を考え、選択することができる。
(4)情報を的確に伝達するためには,コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用が必要
   であることを理解する。
(5)コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用することに関心を持ち,問題解決と情報伝達の
   活動を目的に応じて適切に行うことができる。

単元の評価規準
  ア 関心・意欲・態度 イ 思考・判断 ウ 技能・表現 エ 知識・理解
内容のまとまりごとの評価規準 コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用することに関心をもち,問題解決と情報伝達の活動を目的に応じて適切に行おうとする。 問題解決と情報伝達の活動において,目的に応じ た解決手順や提示方法を自分なりに工夫する。 問題解決と情報伝達の活動において,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用する。 問題解決と情報伝達の活動において,目的に応じて解決手順や提示方法を工夫する必要があることと,コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用が必要であることを理解している。
単元の評価規準 情報伝達の手段や、その特徴に関心を抱き、的確に情報を伝える為に、意欲を持って実習に取り組むことができる。  情報伝達の手段や、その特徴にはどのようなものがあるかを考え、情報の特質に応じた情報伝達手段を選択することができる。  情報の特質に応じて、それに適した情報伝達手段を選択し、コンピュータや情報通信ネットワークなどを効果的に活用し,的確に相手に情報を発信することができる。  情報伝達手段やその特質を理解するとともに、効果的な情報伝達をするための情報機器の活用のしかたについても理解している。 

本時の目標

(1)身近な生活の中で、情報伝達手段にはどのようなものがあるのかや、それぞれの
  情報伝達手段の特徴について考え、理解する。
(2)情報の送り手(発信者)として、どういうことに気を付けなければならないかを考え、理解する。
(3)情報の送り手(発信者)として、伝達の目的、伝達する相手の状況や伝達内容により
  それらに適した提示方法を選択できる。

授業展開例 1限目 2限目 3限目 4〜6限目 
段階 学習活動 指導上の留意点 評価
導入
5分
・日頃の生活の中で、相手にうまく情報が伝達された時とそうでなかった時(コミュニケーションがうまくはかれた時とそうでなかった時)はどのような時であったかを考える。 ・教師の身近な生活体験や事例をあげる。又は何人かの生徒に質問するかグループで話し合わせる。 ・相手にうまく情報が伝達された時と、そうでない時の違いについて自分の考えをまとめたり、グループで話し合ったりすることができる。
(関心・意欲・態度)
[行動・観察]
展開
40分
私たちの身近な生活の中で、情報伝達の手段にはどのようなものがあるのかや、それぞれの情報伝達手段の特徴について考える。

・直接対話 ・FAX ・メール 
・電話(携帯電話/テレビ電話) 
・掲示板 ・チャット ・HP
・テレビ ・ラジオ ・新聞広告
・ビデオ(VHS/DVD) 
・雑誌 ・手紙 ・プレゼンテーション

※それぞれの長所・短所などの特徴について考える。
・プリントを活用し、離れた相手に対しての情報伝達手段の表をまとめさせ、それぞれの特徴や短所について考えさせる。

・プリントを活用し、情報伝達のさまざまな例にはどのようなものがあるのか考えさせる。

 
・情報伝達手段の表をまとめ、情報伝達手段のそれぞれの長所、短所、特徴について考えることができる。 
(思考・判断)
[学習プリント]
●友人との対話(感情をあらわす)

 直接話すのと、はがきやメールでは、それぞれ情報の伝わり方がどのように違うのかについて考える。


●「半二重通信方式」と「全二重通信方式」の違いについて理解する。

※それぞれのデータ通信方式において情報の伝わり方がどのように違うのかノートにまとめる。

●対話における言語情報の比重について理解する。
「半二重通信方式」と「全二重通信方式」について触れ、メールは、瞬時に情報を届けることができるが、その特徴として、データの通信方式が「半二重通信方式」であり、かつノンアポイントメントで、情報を一方的に送りつける特質を持っていることを理解させる。
 また、対話における言語情報の比重は小さいことを以下のデータから理解させ、電子メールではほとんど対話の代替がなされていないことに気付かせる。

  ◆言語情報         7%
  ◆イントネーション    38%
  ◆ジェスチャー      55%

※電子メールは対面会話におけるイントネーション,顔つき,ジェスチャー,言葉と言葉の間などの情報が欠落するので対面対話の代替をなさない。人と人とのコミュニケーションにおいては、言葉のやりとりではなく、態度や表情、心で表現しあうことが大きな比重を占めていることを示している。 特に,出会ったことのない人とのメールでは修辞的な面から誤解を招くことが知られており、大変危険であるということを理解させる。
※情報通信機器の光と影の部分について触れ
情報通信機器の特徴をつかんだ上で、情報伝達内容に適した適切な活用が大切であるということを理解させる。
・「半二重通信方式」と「全二重通信方式」では、情報の伝わり方がどのように違うのかについてまとめることができる。
(思考・判断)


・直接対話における情報量のうち言語情報が、全体のどの程度の割合を占めているのかについて理解している。
(知識・理解)
[学習ノート]
まとめ
5分
・直接対話でさえも、お互いの感情の行き違いがある(非言語的情報は伝わりにくい)。
よってメールにおいては、なおさら顔が見えないので、相手の感情をくみ取ることはよほど親しい関係でないかぎり、難しいことを理解する。
・高校生の9割以上が携帯電話を所持していると言われている。その中で携帯メールによるトラブルの要因がどこに潜んでいるのかについて明らかにする。  ・情報通信機器の光と影の部分をわきまえ、情報伝達内容や情報の受け手の状況に適した情報伝達手段を選択することができる。
(知識・理解)
(思考・判断)
[学習ノート]
[行動観察]