1 単元名 2 単元の目標 3 学習指導改善の内容 4 学習計画



1 単元名    「内乱と下剋上の時代」  

鎌倉幕府滅亡,建武の新政の崩壊,南北朝の内乱を経て,室町時代には武士が政治の実権を握り,社会全体が大きく変動していった。また,農業や商工業の発展は民衆の生活を向上させ,自治を求める動きを活性化させていった。このような歴史の流れの中で,松浦党と呼ばれた武士団は現代にも通じる民主的な自治のルールを確立していった。壇ノ浦の戦い,元寇,多々良浜の戦い,そして,倭寇など,時代の転換点で大きな役割を果たした松浦党の人々の考えや行動に触れながら中世を学ばせる。





2 単元の目標

  1. 南北朝の内乱は,社会の各階層を巻き込んだ変革期にあたり,成長した守護大名による支配が進んだことを理解する
  2. 倭寇が活動した時期は,東アジア全体の変動期にあたることに気付き,勘合貿易の進展とともに私貿易が衰えたことを理解する。
  3. 農業の進歩によって,他の産業と都市・交通が発達し,惣村では自治が進んだことを理解する。
  4. 鎌倉時代から室町時代にかけての文化の特徴と,それらの文化が現代に受け継がれていることに気付く。



3 学習指導改善の内容

(1) 歴史事象に切実性を持ってかかわらせる場の設定の工夫
  • 松浦党の名残が,現在の地名や姓に残されていることに着目させる。
  • 松浦党が,壇ノ浦の戦い,元寇,多々良浜の戦い,倭寇など,時代の転換点で大きな役割を果たしたことに着目させる。
  • 松浦党と呼ばれた武士団が,現代にも通じる民主的な自治のルールを確立していたことに着目させる。
  • ロールプレイを用い歴史上の人物になりきることで,歴史の流れを体感させる。
  • 生徒一人一人に違った役割を与えることで,多面的・多角的な判断をさせる。

(2) よりよい選択を行うための議論の能力を育成する。
  • 複数のデータを基に主張を行わせる。
  • 松浦党に関しての既習の知識を総合化し議論させる。
  • 後醍醐天皇方,足利方,中立の3つの立場で会議を行うことで議論を深めさせる。



4 学習計画(全6時間)
   学 習 活 動 教 師 の 働 き か け ワークシート等
活用例
ワークシート等
一覧



1 鎌倉幕府が滅び,後醍醐天皇が建武の新政をはじめた流れを知る。

○ 中世の歴史の転換点に松浦党が関与していたことに気付かせる。



 

 








 

1 松浦党緊急会議までのシナリオを知る。

2 ロールプレイの役割を確認する。


3 松浦党のルールを知る。




4 議論に関しての影響を分析する。

○ 緊急会議までの緊張感を持たせるよう働きかける。

○ ロールプレイの役になりきるよう促す。

○ 松浦党は現代にも通じる民主的な自治のルールを確立していったことに気付かせる。

○ 各立場での影響を分析できるよう援助する。

 








 

資料


プロフィール集







ワークシート1
ワークシート2

資料


プロフィール集







ワークシート1
ワークシート2




第3次


本時∨



 

1 松浦党のルールを確認する。
 
 松浦党の緊急会議をしよう!

☆ ロールプレイで 松浦党緊急会議 をしよう!

2 各立場の主張をする。


3 討論をする




4 最終的な判断を行う。


5 決議結果を分析する。

 

○ 議長(指導者)が雰囲気を高めるよう導く。








○ 各立場の主張の明確化を図るよう促す。

○ 足利尊氏方に松浦党が味方した場合の影響に視点をおき話し合いを深めさせる。 

○ 投票用紙を用いて,意思決定を行わせる。

○ 合理的な分析ができるよう援助する。












 

ワークシート3

















ワークシート4


ワークシート5
 

ワークシート3

















ワークシート4


ワークシート5


第4次

 

1 決議結果を振り返り,今後の歴史の動きを予想する。


2 室町幕府の成立と南北朝の内乱について知る。

3 日本と東アジアの関係について知る。


○ 前時を想起し,既習事項と関連させ,歴史の流れを考えさせる。 



 






 

ワークシート5





 

ワークシート5

第5次
 

1 村の自治の発達について知る。



2 民衆は,新しい時代をどのように切り開いていったのかを考える。


○ 松浦党の決定が合議制で行われていたことを思い出させる。


 




 




 
第6次
1 中世の文化は,どのような特色を持っているかを調べる。
 

○ 中世の文化が現代に受け継がれていることに気付かせる。